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炎の重力魔導師  作者: kenchanun
4/5

二人の魔導師

 魔龍レイジの攻撃は尋常だ。一瞬にして炎人と蒼の身体は傷だらけになった。


火炎フレイム……ぐはっ!」

アイスの……ぐっ!」


  グオォォォオオオ!


 魔龍の尻尾が炎人たちを襲う。もう動けないほど蒼はボロボロだった。

 すると、蒼のを守るように1人の少女が走り込んで来た。


「やめて……蒼お兄ちゃんたちを攻撃しないでっ!」


 その少女は、美月だった。美月は蒼の前に立ち叫ぶが、その声のせいで魔龍の眼が少女へと向かった。


「逃げろっ、美月!」


 グオォォォオオオン!


 蒼の祈りも虚しく、魔龍の尻尾は美月の身体に巻きついた。


「キャッ……離して……苦しいよ、駄目っ……いやっ! あっ……」


 その尻尾は美月の幼い身体を締め付ける。そしてその先端がスカートの中へと入っていく。


「もう駄目……」


 少女の瞳が絶望に染まりかけた時、炎人の髪は逆立った。


「駄目なんかじゃないよ、美月ちゃん。俺が、俺が今助けるよ!」


 炎人に纏うのは炎ではなかった。マグマよりも熱くて紅い、太陽のような煌めきだった。


「その娘を放せ。爆炎斬エクスプロージョンソードっ!」


 今までの炎を超える爆炎が炸裂する。そして落ちてきた美月を蒼が抱える。


「ここで休んでてくれ、美月。来てくれてありがとな」


「う……うん。蒼お兄ちゃんを……助けられたのかな……」


 その場で美月は気を失い倒れた。


「……よくも、よくも美月を。こんな目に合わせたな。僕に力を貸してくれ。紅っ!」


「その言葉を待ってたんだよ。いくぞ、蒼!」


 二人はお互いの意思が通じ合い、一つの敵に剣の刃を向ける。


「お前は俺たちが倒す!」

「お前は僕たちが倒す!」


 二人の声が重なり神殿中に響き渡った。


 グォォォオオオオオン!


 魔龍は口から黒い炎を吐き出す。


アイスシールドっ!そんな炎じゃ、壊せないぜ。僕の盾は!」


 その盾を踏み台にし炎人が空中で剣を捨て拳に物凄い量の炎を溜め技を繰り出す。


「喰らえ、俺の渾身の一撃。爆炎拳エクスプロージョンフィストっ!」


 グオオオォォォ!


「まだ死んでないようだな。これでトドメだ。アイスハンドっ!」


 グアアアッ!


 神殿に魔龍の最後の叫びが轟いた。同時に、炎人が上空から落ちてくる。

 力を使い果たしたのか、受け身も取れずに地面に激突した。

 駆け寄る蒼。抱き起すと、「ありがとう……。炎人」と素直に感謝の気持ちを伝えた。


 炎人の頬に蒼の涙がこぼれる。


「蒼が炎人って呼んでくれた、俺は嬉しいぜ……」



 気を失った炎人を肩に抱き、美月を背負うと、蒼は神殿をあとにした。



『やっぱり、アタシの見込んだ奴だったな。アイツは。』


『お前は……。さっきから変な気がしていたが奴に力を貸していたのはヘル、お前なのか?』


『久しぶりだな。ブレイズ。』


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