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俺の愛した異世界で  作者: 八乃木 忍
第五章『愛情』
39/72

ペナルティ・前編

 あの後は冒険者協同組合で、依頼完了手続きをした後、明日の夜に酒場で待ち合わせをし、解散となった。

 俺は、特にする事もないので、スラム街へと足を運んだ。

 最近では、皆が俺を見る度に笑顔で挨拶をしてくれる。

 昨日なんか、スラムの子達と鬼ごっこをした。

 両足を縄で結ばれるというハンデ付きだったが、楽しかった。

 鬼ごっこなんて中学に上がってからやってなかったし。


 マリアのテントの前まで来た俺は、名乗ってからマリアの返事を待ち、中に入る。

 中ではいつもの様にマリアが笑顔で座っていた。

 その膝でカレンが寝ている。

 俺はしゃがみ込んで、カレンの顔を覗く。


 寝ていても起きていても、天使みたいな子だ。

 今は閉じているが、普段はビー玉の様な綺麗な瞳をしている。

 長めの睫毛は可愛さを引き立て、小さい口が子どもっぽさを強調する。

 透き通るような白い肌は見ただけで滑らかそうで、長い黒髪は艷やかだ。

 可愛いと綺麗を同時に兼ね備えた幼女、それがカレン。


 カレンは時折、大人っぽい雰囲気を出す。

 色気とかではなく、大人っぽいんだ。

 何でも見透かすような眼をしている時がある。

 何年も生きてきた様な眼をする時がある。

 不思議な娘だ。


「そういえば、マリアさん、失礼な事を聞くようですが……外には出ないんですか?」

「ふふふ、何時か聞くと思ってた」

「ごめんなさい」

「ううん、いいの。そうねぇ……私は外に出ないんじゃなくて、出れないの」

「え?」


 マリアは正座を崩して、脚を横に置いて、セクシーポーズの様な状態になる。

 その時にマリアが擦る部分を見て、俺の心臓が跳ね上がった。


「ま、マリアさんっ!」

「シー」


 顔を寄せた俺の唇に、マリアが人差し指を当てた。

 そ、それは反則だ……。

 って、それどころじゃない。

 俺が思わず声を上げた理由は、マリアの踵骨腱が切られていたからだ。


「マリアさん……一体……」

「罰なの。仕方がない事だから」

「な、治します」

「ダメ。言ったでしょう? 罰だって」

「ですが――」

「罪は、自分で背負うものなの。与えられた罰はしっかりと受けなければならないわ」


 脚を正座に戻しながら、マリアが俺の言葉を遮った。

 罪だとか、罰だとか、一体彼女の過去に何があったのかは知らない。

 だが、これでは歩けやしないじゃないか。

 踵骨腱、よく知られている方なら、アキレス腱。

 アキレス腱は人体の中で最も大きい腱だ。

 歩くために必要な腱なのだ。


「……そんな悲しい顔をしないで、シャルル。私は外に出れなくても、幸せだから。貴方がこうやって毎日顔を見せてくれるだけで、カレンがいるだけで、私は幸せなの」


 そう言いながら、マリアは俺を抱きしめる。

 深い慈愛に満ちた、笑顔と声と、抱擁。

 俺はこれで癒やされた。

 癒やされたんだ。

 何かしてあげたい。

 俺は、マリアに何かしてあげたい。


「んぅ……」


 そんな時、カレンが小さく声を漏らした。

 俺はマリアから離れ、立ち上がる。


「それでは、少し外の空気を吸ってきます」


 俺は一礼して、テントを出た。

 気分転換をしようと、スラム街を歩きまわる。

 子供が戯れ合う声、大人達が談笑する声、なぜだか全てが俺の耳に入って来て、脳内でミキサーにかけたように混ぜ合わさって、吐き気がした。


「おい! がきんちょ!」


 がきんちょ。

 俺をこう呼ぶのは、あの大男しかいない。

 名前をバルドという。

 俺は足を止めて、後ろに振り返る。

 バルドがニカリと笑って立っていた。


「こんにちは」

「おう、どうだ調子は」

「まあ、普通です。そう言うバルドさんはどうです」

「俺は最高に気分が良いぜ」

「へえ、何かあったんですか?」

「ちょっと、遊びに勝ってな」

「まーた博打ですか」

「まあな」


 そう言ってバルドはガハハと笑った。


「どうだ、がきんちょ、やらないか?」


 バルドは俺の肩に手を置いて誘ってきた。

 ここはハッテン場では無い。

 だから、このやらないかは『博打をやってみないか』という意味だ。

 未成年の博打は禁止されているが、スラムでは関係のない事。

 だから、俺は誘われている。


「子供を博打に誘わないで下さい。行きますけど」

「おっしゃ! じゃあ、俺は用事あっから! 夜に博打天幕で待ってるぞ!」

「はい」


 俺が返事をすると、バルドは機嫌のいい足取りで、何処かへ行ってしまった。

 博打天幕というのは、博打をするために設けられた天幕だ。

 ここのオッチャン共は、博打が好きだからな。

 オッチャン共は酒も好きだし、酒でも買って行ってやるか。




 スラム街を出て、市場にやって来た俺は、近くにいた男に声をかける。


「すみません、お願いがあるんですが」

「何だ?」

「これで、僕の代わりに酒を買ってきてくれませんか?」


 俺は掌の銀貨四枚を見せる。

 安い酒なら瓶一本あたり、銀貨一枚だ。


「何本だ?」

「四本です」

「ダメだな。ガキが飲むもんじゃねえ」

「では、銀貨一枚、謝礼金として」

「二枚だ」

「分かりました」


 俺は男に銀貨六枚を渡した。

 六枚を確認した男は、酒の売っている店へと歩き出した。

 俺はその後を追う。


 男は瓶を四本買い、路地裏へと向かった。

 俺もその後に続く。

 路地裏で二人きりになり、男が俺に瓶を四本渡した。


「じゃあ、二枚もらってくぜ」

「ありがとうございました」


 俺は頭を下げて礼を言った。

 男はそのまま表通りに出て、何処かへ消えた。

 数十秒待ってから、俺も表通りに出る。

 外套の内に酒を隠して、スラム街へと向かった。


 早速、博打天幕に行って、博打を打っているオッチャン達に挨拶をした。

 そして、俺が酒を出すと、オッチャン達は歓喜の声をあげる。


「がきんちょ! やるじゃねえか!」

「えっへん」


 俺は酒瓶を並べて、土魔術で湯のみを作った。

 ただ飲むだけじゃつまらない。

 これは、ゲームだ。


「勝った人が一杯飲めます。いいですね?」


 俺がオッチャン四人に目配せをして、確認を取る。

 オッチャン達は「面白え」と言って、乗ってきた。

 そうでなくてはな。




――――――




 夜遅くまで博打戦争をしていた俺達は、酒瓶四本を平らげ、勝者が俺という形で戦争の幕を閉じる。

 飲んだ杯数は俺が一番少なかった。

 十杯ぐらいだったか。

 おかげで、俺はあんまり酔っていない。

 シャルルの体は酒に強いらしい。

 俺の前の体も酒には強かったが。


 今の博打天幕では、オッチャン四人が大の字になって寝ている。

 鼾がうるさくて、ここで寝るのはダメそうだ。

 酒臭いし。


「そういえば、俺って寝なくてもいいんだっけ」


 ヴィオラから聞いた話だと、俺は一週間ぐらい寝なくても大丈夫なんだそうだ。

 昼行性と夜行性が合わさって、昼も夜も眠くならない状態らしい。

 今まで普通に寝てきたんだが、『寝ようとしなければ起きていられる』という意味だろうか。

 今晩試してみよう。


「……月が見たい」


 そう呟いた俺は、テントを出た。

 まだ人の声が聞こえる。

 夜遅くまで働いてる奴もいるだろうからな。


 俺はスラム街の中央へ行き、魔術で椅子を作って、フードを脱いで月を眺める。

 今宵は満月。

 だからといって、狼に変身したりはしない。

 俺は狼男ではなく、吸血鬼なのだ。




 数時間して、周りの音は虫のなく声だけになった。

 ひぐらしは鳴いてない。


 夜の冷たい風が、俺の頬を撫ぜる。

 こんな時に魔術が便利だ。

 体に魔力を巡らせて火魔術で温める。


 月見なんて、日本ではしなかった。

 時間も無ければ、興味も無かったし。

 だが、改めて見ると、月ってのは綺麗だな。

 月だけじゃなくて、星もそうだ。


 俺のいた所は都会で、夜も明るかった。

 そのせいで、星なんて見えやしなかった。

 異世界に来て初めて知ったよ。

 夜の空は、綺麗なんだな。




――――――




 翌日、俺はトレーニングの後に、ギルドへと赴いた。

 受ける依頼を選んでいると、視界にアランの姿が映った。

 俺はゆっくりと近づいて、声をかける。


「こんにちは、アランさん」

「ん? シャルか。どうしたんだ?」

「依頼を受けにきまして」

「昨日無理したのに、また遊ぶつもりか?」

「体力の回復が早いんですよ」


 吸血鬼様のおかげで、とは言わない。


「そうか。なら、どうだ、俺と一緒に来るか?」

「何処へ?」

「盗賊退治だ」

「……行きます」

「よし、決定だな」


 ということになった。

 俺達は二人で受付まで行き、受注手続きを済ませる。


「付いて来い」


 アランが爽やかに微笑んで言った。

 言われた通り、アランの後に続く。


 国を出て、森に入った。

 ここの森は薄暗いとか、不気味な雰囲気はない。

 ピクニックなんかに最適な場所だ。

 魔物さえいなければ。


 アランは森の奥へと進んでいく。

 俺も黙ってアランの後を追いかけた。

 そして、数十分歩いて、アランが足を止める。


 目の前にあるのは、洞窟だった。

 洞窟の前で二人の男が胡座をかいて談笑している。


「盗賊の隠れ家、ですか」

「正解だ」


 俺とアランは茂みに隠れながら近付き、二人の様子を伺う。

 こっちには全然気づいていないようで、下品な笑い声を上げている。


「シャルル、狙えるか」

「お任せを」


 俺は二つの弾丸を掌に作り出し、音速で飛ばす。

 風切り音と共に、銃弾が俺の掌から離れた。

 回転のかかった銃弾は、二人の男の頭を貫いた。

 二人は首を垂らして動かなくなる。


「無詠唱か……どうやってんだ」

「魅人の方々も、風魔術を無詠唱で使えるじゃないですか」

「そうなんだが、他の魔術を使ってみようとしても、上手くいかない」


 魅人には種族固有魔術がない変わりに、聖魔術と風魔術を無詠唱で使えると聞いた。

 魔力総量も人間よりも多いらしいし。


「まあいい、掃除と行こうじゃないか」

「はい」


 俺達は茂みから出て、洞窟へと進入する。

 中からは笑い声が聞こえてくる。

 匂いもする。

 これは……多分、葡萄酒だ。

 俺達は洞窟の奥へと進んでいき、笑い声の聞こえる扉の前で止まる。


「シャル、少しばかり遊びをしよう」

「遊び?」

「剣を使うな。魔術は使ってもいいが、飛ばしちゃ駄目だ。いいな?」

「……わかりました」


 魔術をゼロ距離で使えってことか?

 ビャズマで習った体術と合わせれば出来ないことはないが……。


「合図を出したら突撃だ」


 そう言って、アランは指を三本突き立てる。

 アランはゆっくりと、一本ずつ折り曲げていく。

 最後の人差し指を曲げた瞬間、俺達はドアを蹴破った。


「あ?」


 扉の近くに居た盗賊の一人が、俺達の姿を見て首を傾げる。

 刹那、盗賊の首が百八十度回転した。

 アランの蹴りによって。


「何だてめえら!」


 敵襲だとやっと気付いた数十人の盗賊達が剣を抜く。


「敵だ!」

「殺せ!!」

「オラアァ!」


 盗賊共は大声でがなり、俺達に向かって剣を振るう。

 だが、俺にはそんなの見え見えで、避けるのに苦労なんてしない。

 左からの斬撃を躱して、お返しに相手の足を払う。

 相手がよろめいて、俺の方に倒れてきた。

 ――閃いた。


 俺は倒れてきた盗賊の頭を鷲掴みにして、使った。

 針山地獄を。

 サイズは直径10センチ。

 頭からはみ出ない程だ。


 俺が手を離すと、盗賊はその場に倒れた。

 脳を潰された盗賊は呻き声すらあげない。

 人間は脆い。急所が多い割に、急所を守る部位が弱い。

 こんなに簡単に、人の命はなくなる。

 魔術が使えるからとか、そういうのは関係ない。

 後頭部にハンマーでも叩きつければ死ぬのだから。


「てめえ!」


 俺みたいなちっこいのに仲間が殺られたのが悔しいのか、奴等はより一層怒りを露わにする。

 だが、遅い。遅すぎる。


 避けて、頭を掴んで、魔力をほんの少し消費すれば、一人倒れる。

 それを何度か繰り返して、敵の数は目で数えられる程にまで減った。

 全部で十六人だ。

 一人、また一人と殺していく。

 この殺し方なら、相手の死体は綺麗なままだ。

 俺の精神的ダメージも軽減される。

 血を見なければ簡単に殺せるなんてのも、無情な気がするが。


 頭だけじゃなくて、胸にも使ってみよう。

 そう思って、相手の間合いに踏み込んで、胸に掌を当てた。

 当然の事、相手は倒れる。


「ひぃっ! 死神っ!」


 生き残っている盗賊の一人が叫んだ。

 そうか、相手にはそう見えてしまうのか。

 触れただけで死んでしまう様に見えるんだな、きっと。

 意外とピッタリかもな、その呼び方。

 黒いコートを着て、フードを深く被って、触れられた奴は命を刈り取られる。

 悪くないけど、むず痒い。

 黒歴史を思い出す。


 朝起きて『今日も、日差しが俺を殺そうとしてきやがる……』って言った記憶とか。

 夜中に散歩して『今宵、俺の闇の鎌に刈られるのは誰だろうか……』って呟いて補導された記憶とか。

 あの頃、人目につく場所でやらなくて正解だったな。

 もしも目撃している人が多かったなら、俺は今『忘れろ忘れろ!』と転げまわって盗賊に殺されているかもしれない。


「シャル、あとは親玉だけだ」

「そうですね」


 アランの声で、俺は黒歴史の追憶から引き戻される。

 親玉と思わしき盗賊は、始終胡座をかいて、欠伸をしていた。

 抵抗する気が無いらしい。


「何故、抵抗しない?」


 アランが親玉に尋ねた。


「飽きたんだよ」

「飽きた?」

「ああ、飽きたんだ」


 そう言って、親玉がまた欠伸をする。


「……飽きた、か。吹き溜まりは、面白くなかったか?」

「最初は、面白かったさ。でも、飽きちまったんだよ。飽きる、それが人間ってもんだろ?」

「違いないね。でも何故、飽きた後、盗賊以外の道を探さなかったんだ?」

「俺みたいなゴミに出来る事なんざ、生まれた時から『盗み』と『殺し』しか無かったんだよ。ガキん頃から冷めちまった俺には、綺麗な景色も汚え絵画にしか見えねえのよ」


 きっと、子供の頃から盗みと殺しをして、荒んだその目には、美しい物も美しく映らなくなってしまったんだ。

 いや、目というより、心だろう。

 綺麗な景色で感動しなくなったんだ。


 それは、とても悲しい事だ。

 綺麗に映るはずの物が、汚い物にしか見えなくなってしまった。

 そんなコイツに残されたのは『習慣』しか無かったんだ。

『盗む』『殺す』、それだけをインプットされたロボットの様に。


 この世界には、そういう場所で、そういう風に育って、落ちぶれる奴がたくさんいる。

 きっと、前の世界にもいたんだろうが、こういう事を耳にしたのはこの世界にきて初めてだった。


「だから、殺せよ」

「いいや、お前は生きる。俺達の金になるんだよ」


 生き残りたい人がいる中、死にたいと願う人間も居る。

 多分、この盗賊は死にたいと思ってるんだろうな。

 自分の中に汚え物しか無くて、それが嫌で、死にてえんだろうな。


 俺も昔、死にたいと思った事があった。たくさんあった。毎日思った。

 でも、今考えれば、俺のあの時の悩みなんて、コイツらからすれば鼻で笑うようなものなのかもな。


「おい、そこのガキ」

「はい」

「堕ちんなよ」

「はい?」

「俺もガキん頃、躊躇なく殺しまくった。その結果が、これだ。だから、お前は堕ちんなよ? さっきのお前は昔の俺を思い出させる。誰かに操られている様に人を殺してた」


 盗賊は一度アランを一瞥してから、また俺の方に向きなおる。


「俺みたいにはならないでくれ。首をちょん切られる前の、俺からの頼みだ」


 親玉は、過去の自分と話すような、悲しみと哀れみの混じっている複雑な表情と声色で言った。

 俺も昔の自分に似た奴と出会ったら、こんな表情をするのだろうか。

『助けを呼べ』と、『我慢するな』と、こんな表情で言うのだろうか。


「……引き受けました」


 俺が返事をすると、親玉は立ち上がって、手首をくっつけた状態で腕を差し出してきた。

『私が犯人です、逮捕してください』の様なポーズだ。




 その後、俺達は親玉を騎士団本部まで連行した。

 盗賊――というか、指名手配されている奴を騎士団に渡すと、懸賞金を貰える。

 この親玉が率いていた盗賊はかなり有名な奴等で、村を荒らすだけでなく、人攫いにまで手を出したという。

 かけられた懸賞金は金貨二百枚。

 俺はウルスラに俺の口座に振り込んでおくように頼んだ。

 アランはその場でもらっていたが。


 しかしまあ、今更だが、じわじわくる。

 俺の肩に伸し掛かる物があるのだ。

 思えば、俺は盗賊軍との戦中にもたくさんの人を殺した。

 今更罪悪感を感じているのか、俺は。

 この後も、俺はたくさんの人を殺すだろう。


 ああ、これがマリアの言っていた、罪ってやつか。

 マリアは背負わなければいけない物だと言っていたな。

 なら、この罪はずっと俺の肩に伸し掛かるのか。

 気が重い。


「どうした、シャル」

「何でもありませんよ」

「……重いか?」

「は? 何も持ってませんけど」

「ああ、そうだった、そうだったな、シャル」


 こいつ、エスパーかよ。


「それじゃあ、組合へ行こうか」

「はい」


 返事をし、アランの後に続く。

 ギルドへと着いた俺達は、依頼完遂手続きを済ませて、報酬金を預金した。

 俺が殺した人数は二十三人、アランが殺した人数は三十一人だった。

 すっかり忘れていたゲームはアランの勝ちに終わった。

 その後は解散して、燦々と輝く太陽光に照らされながら、俺はスラム街へと向かった。

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