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俺の愛した異世界で  作者: 八乃木 忍
第三章『情』
18/72

犬耳尻尾で・前編

 旅を始めてから二週間は、平坦な道を行くだけだったので、特に何事も無く終わった。

 寝泊まりは宿を借りたのだが、森に入れば野宿になる。

 だが、「シャルルは私が絶対に守る、命に変えてもだ」とヴェラが言うので安心は出来るが、俺に命を懸ける程の価値があるのかは疑問だ。


 森へと侵入すると、道が少し荒くなる。

 魔物の数も少なくはないが、ヴェラが一瞬で片付けてしまう。

 彼女は反っている短剣を使っているのだが、斬撃が全く見えないのだ。

 速さが尋常ではない為、目の前から消えたかと思えば魔物の前にいて、魔物の前にいたかと思えば目の前にいる。

 そのくらい早い。

『種族固有魔術』という物らしく、獣人族は皆使える『瞬速』という魔術だ。

 人間以外の種族が『種族固有魔術』を使えるらしい。

 竜人族の変体も種族固有魔術なのだとか。


 森で確認した魔物はゴブリンやオーク、ウォームにトロール、あとはファンガスぐらいだった。

 魔物は定期的に獣人の方々が排除しているから、強大な魔物はいないのだ。


 夜はテントで眠るのだが、見張り番は無しで二人で一緒に寝る。

 ヴェラ云わく、「寝ていても魔物の気配は察知できる」らしい。

 彼女はエヴラールとパーティを組んでいたと言っていたので、彼女も歴戦の冒険者なのだろう。

「寝ていても魔物を殺せる」とも言っていたヴェラなら安心して眠れるのだ。


「フーガ、元気にしてるかなぁ」

「フーガ? 友達か?」


 俺の独り言をヴェラが拾う。


「フーガはヴェゼヴォルで一緒に旅した馬なんです。人懐っこくて可愛いやつだったんですけど、エヴラールさんと行ってしまって」

「そうか……でも、馬に名前を付けることはお勧めしない」

「何故です?」

「その、不慮の事故が起こった時にクるものがあるぞ」

「……なるほど」


 名前を付ければそれだけ同情してしまう。

 事故で死んだ場合、哀しみを負う可能性が大きいから、馬にはなるべく名前を付けないほうが良いという事か。

 ……うわ、フーガが死んだ時を思うと涙が出そうになってきた。


「もう可愛いなぁシャルルはぁ! そんな哀しい顔しちゃって!」


 ヴェラは手綱を片手で持ち、片手で俺の頭を勢い良く撫でてきた。

 顔に出したつもりは無いのだが、無意識の内に眉を寄せていた様だ。

 俺はもう少しポーカーフェイスを練習しないといけないな。


「ヴェラさん、あとどれくらいで着きます?」

「ヴェラお姉ちゃんと呼べと言っているだろう……まあ、二週間は掛かるだろうな」


 二週間か。

 二週間で何が出来るか。

 魔術の研究でも進めようか。




――――――




 魔術の研究を始めてから数日、俺はとてもとても便利な魔術の使い方を覚えた。

 イメージに名前を付けて保存するというのをパソコンでした事がある人はたくさんいるだろう。

 俺も「虹画像」で検索してはフォルダに保存していた。

 それと同じで、魔術にも名前を付けてフォルダから引き出すことに成功したのだ。


『氷槍』はすぐに出せるが、『体内まで氷らせる魔術』は時間が掛かる。

 だが、『体内まで氷らせる魔術』に『氷壊』という名前を付けてみよう。

 すると、すぐにイメージが出来て発動させる時間を大幅に短縮出来る。

 辞書に付箋を貼る様な物だ。

『イメージ』という言葉に『名前』という付箋を貼る。

 それと一緒。

 だがしかし、使用魔力は変わらない。

 まあ、そこは魔力増強でなんとか出来るから問題はない。


「ステータスが見れないのが辛い……外の空気でも吸ってくるか」


 俺に後ろから抱きつきながら寝ているヴェラを起こさないように、腕から抜けだそうとするが、脚を絡められ完全ホールドされる。

 そして次第に力は強まっていき……


「痛い! 痛い! ヴェラさん! 痛い!」

「んぇ? どうしたのシャルル?」

「背骨、肋骨、骨盤、その他もろもろが砕けるかと思いました!」

「おっと、ごめんよシャルル……お姉ちゃんを許してくれ……なんならぶってもいいんだ、お姉ちゃんを許してくれ……」

「わかりました、わかりましたから、もう一回寝てください」


 面倒なのでもう一度寝るように促した。


「シャルル! 私をぶってもいいんだ!」


 ヴェラは頬を染めながら言った。

 なんだこの人は、ドMだったのか?

 バトルジャンキーなイメージがあるからドSだと思っていたが。


「ぶちません、寝てください」

「……お姉ちゃんは残念に思う」

「何でですか!」

「ぶってくれないからだ!」

「ぶてばいいんでしょ! ぶてば!」


 しつこいので、ほっぺたを抓ってやった。

 流石に殴る事はしない。

 魔物であればいくらでも殴ったかもしれないが、美女を殴るのは気が引ける。


「ありがとう、シャルル……」


 俺が頬から指を離すと、満足そうな顔でまた眠りについた。

 そして俺も、背中の大きな果実の感触を味わいながらぐっすりと眠った。




――――――




 二週間後、何事も無く獣人の森の中心にある獣人の村『ビャズマ』に辿り着いた。

 ビャズマは幻想的な場所だった。

 巨大樹を中心に円状に木が配置され、木の上に家が建ててある。

 ツリーハウスというやつだ。

 木と木は橋で繋がれ、行き来できるようにしてある。

 高度もあるし、落ちればただでは済まないが、こんな場所で暮らしてみたいと子供の頃思った。


「ア◯ターを思い出すなあ……」


 某青い人がたくさんいる映画を思い出しながら呟いた。

 あれは3D版と通常版を見たので良く記憶している。


「ようこそシャルル! 獣人の故郷、ビャズマへ!」


 俺が映画のことを思い出していると、両手を広げたヴェラが高らかに叫んだ。

 その声は耳の良い獣人達に届いたのか、数人の獣人が駆け寄ってきた。

 それはもうとっても速く。


「ヴェラ、おかえり」


 駆け寄ってきた獣人の三人の内の一人である二十代後半ぐらいの男が、獣人の使うベラート語で言った。

 そして、男の一步後ろに下がっている二十代前半くらいの男女が頭を下げた。


「うん、ただいまお父さん」


 ヴェラもベラート語で返す。

 どうやら、あの二十代後半ぐらいの男はヴェラの父らしい。

 すっげぇ若い。

 いや、若く見える。

 ヴェラから聞いた話、獣人は若い見た目を五十年程保つらしい。

 六十歳になっても、人間の四十歳ぐらいの見た目なのだとか。

 そんな若く見えるヴェラパパは一度頷いてから、俺の方を見た。


「それで、ヴェラ、この子は?」

「ああ、お父さん、私の婚約者だよ」

「こ、婚約者!?」


 驚いたのはヴェラパパだけではなく、後ろの男女も驚いた顔をしている。

 だがもちろんの事、撤回させていただく。


「ごめんなさい、それはヴェラさんの冗談です。僕はシャルルと申します」


 俺はベラート語で自己紹介をして深々と頭を下げた。

 ここから先は言語をイルマ語からベラート語に切り替える。

 すると安堵の息を吐いたヴェラパパがヴェラに怒鳴る。


「心臓に悪いからやめんかい!」

「違うんだお父さん! シャルルは恥ずかしがり屋なだけで! 私達は契まで結んだんだ!」

「結んでません」


 ヴェラの言葉をすぐに否定した。

 誤解というものは早めに解かないといけないのだ。


「シャルルと言ったかな? ベラート語を話せる上に、礼儀正しい子だね。俺は村長兼族長のティホン、娘がいつも迷惑をかけてすまない」

「いえいえ、面白くていい人です」

「聞いたかいお父さん? ヴェラさんが好きだってさ?」

「言っとらん」


 ヴェラの戯言をティホンが蹴った。

 ヴェラは拗ねて体育座りをしてしまった。

 面倒なので、今は放っておく。

 ていうかこの人、村長の娘だったのか。

 偉い人じゃないか。


「それで、シャルル君、この村に何の用事かな?」

「はい、力を求めて来ました。ヴェラさんみたいに速くなりたいんです」

「なるほど、しかしあれは我々の魔術によるものなのだが……」

「はい、承知の上です。ただ、体術を教えてくれればと思います」


 初対面の相手にいきなりこの様な事を言うのは図々しいかもしれないが、俺は遠慮は捨てる。

 子供の間に欲しい物を手に入れたい。

 大人になってからじゃあ、遅い気がする。


「分かった、ヴェラには良くしてもらっているようだし、考えてみよう」

「ありがとうございます!」


 俺はティホンに頭を下げた。

 顔を上げると、視界の隅に体育座りのヴェラが映った。

 本当に面倒な人だな……。


「ヴェラおねえちゃんっ」


 俺は歩み寄り、後ろから抱きついた。

 そして、耳元で囁く。


「今晩、一緒に寝てください……」

「ッ!?」


 ヴェラは目を見開き、俺の方を見る。

 顔が近付き過ぎて俺の鼓動が少し早くなったが、子供の無邪気な笑顔を保つ。


「シャルルゥゥウウ!」


 ヴェラは突然立ち上がり、俺を持ち上げると、涙を流しながら喜びの歌を歌い始めた。

 聞きなれない言葉、ベラート語だ。


 ヴェラの歌声と重なって聞こえてくるのは、こそこそと聞こえるベラート語での話し声。

 ティホンの後ろに立っていた男女だ。


「まさか、ヴェラ様をあれだけで立ち直らせるとは……」

「あの少年は一体……」


 ヴェラの様な美人に頬ずりをされたりするのは構わないのだが、時々死にかける。

 しかしまあ、高位な人に懐かれているのはどうしたものか。


「では、シャルル君、ここにいても始まらないから、まずは家に来るといい」

「いいんですか?」

「もちろんだ」


 そう言われ、俺は素直にティホンの家へと赴く事となった。

 向かう途中、視線が集まるのが見えた。

 俺にではなくヴェラにだ。

 ヴェラは長い間故郷に帰っていなかったと言っていたし、ビャズマでは英雄的存在らしい。

 ヴェラだけではなく、エヴラールのパーティは皆が功績を残していて有名だと聞く。


 エヴラールの偉大さに感心していると、俺はティホンの家に着いた。

 ティホンの家は周りの家よりも一回り大きかった。

 流石は村長だ。


「お帰りなさい、アナタ……あら、ヴェラ! お帰りなさい!」


 そう言って、ヴェラとティホンを出迎えたのは、大きな胸をお持ちで、銀色の髪を長く伸ばし、温厚そうな雰囲気を漂わせる女性だった。

 察するに、ヴェラの母だ。

 ヴェラとヴェラママは抱き合って、再会を喜ぶ。

 そして、ヴェラの母は俺を見ると、表情を変えた。


 ヴェラの母は突然姿を消した――かと思いきや、俺の目の前にいた。

 危険を察知した俺はすぐに身構え、次の行動を予測。

 予想通り、俺の脚を狙った攻撃。

 俺は後ろに飛び、ドアを破壊し家を出た。

 家から飛び出た俺に、周りの視線が集まる。


「ぐ……っ」


 立ち上がろうとした俺の首は持ち上げられていた。

 ヴェラの母の瞳には恐怖の色が見える。


「ちょっとお母さん!」

「何をしているんだ!」


 ヴェラとティホンの声が重なって聞こえた。

 俺の首を絞める手は少しずつ強くなっていき、唾液が俺の首を伝うのが分かった。


「ッ、はぁッ! ぜェ、はァ……!」


 そろそろ死ぬんじゃねえかと思った頃、俺はヴェラ母の手から解放された。

 ヴェラは血相を変えて俺の元へ駆け寄ると、背中を擦ってくれた。


「大丈夫?! シャルル!」

「はァ、だ、大丈夫です、びっくりしただけ……っはぁ、ですから」

「お母さん! 一体どうしたって言うの!」


 俺の背中を擦りながら、ヴェラはヴェラ母に向き直り怒鳴った。

 ヴェラ母は肩で息をしながら、ティホンに宥められている。


「どうしんだリアナ、突然襲いかかったりなんか……相手は子供だぞ」

「ごめんなさい、でも、彼は……!」


 ヴェラの母――リアナは俺に恐怖心を露わに睨み付けてくる。

 一体何だと言うんだ。

 彼女は初対面だし、獣人族に対して悪いことをした覚えはない。


「気分を害してしまい、申し訳ありませんでした……次からは土産の一品をお持ちいたしますので、どうか……」


 俺は額を地面に擦り付ける思いで土下座をした。

 この世界に土下座なるものが有効なのかは知らないが。


「……」


 俺は全身全霊で謝っているのだが、反応がない。

 それどころか、誰も言葉を発しない。

 不審に思い顔を上げると、皆が俺に視線を集中させ目を見開いている。


「……?」


 俺は首を傾げた。

 もしかして、土下座ってこの世界では無礼なのか?

 そんな馬鹿な、自分の額を地面に擦り付けるというまさに自虐的行為。

 これが相手への侮辱になるとは思えない……。


「シャルルは可愛いなあぁ!」


 突然ヴェラが俺に抱きつき、顔が胸に埋まる。


「ヴェ、ヴェラさっ、苦しっ……」

「お姉ちゃん、でしょ。それまで放してあげないよ」

「ヴェラ、お姉、ちゃん」

「良く出来ました!」


 いや、良い匂いがして、柔らかくて気持ちがいいんだが、昇天だけは御免だ。

 もう少し優しくして欲しいものだな、全く。


 ヴェラの胸から解放された俺は、リアナに視線を向ける。

 彼女は俺の方を見て、複雑な表情を浮かべた。

 俺は改めて、リアナに謝ることにした。


「本当に、すみませんでした!」


 頭を下げると、リアナが俺に歩み寄ってきた。

 土下座のほうが良かったもしれない。

 また襲われる危険性も考慮して身構えた。

 ヴェラも少し警戒しているように思える。


「顔を上げて……私が悪かったのだから」


 リアナの暖かい手が頬に触れた。

 顔を見ると、目尻に涙を溜めて悲しそうな笑顔を浮かべていた。


「本当に、ごめんなさい……」


 リアナが俺に謝る。


「その、貴方から何か悪いものを感じたの……」

「もしかして、これですかね?」


 悪いものと言われてピンと来た、魔王から貰ったペンダントを見せてあげた。

 リアナは後ずさり、頷く。


「そ、そう、それ……! 一体どこで手に入れたの?」

「友人に貰った物です」

「……大事な物?」

「はい、とっても、とっても、大事な物です」


 魔王の名前は伏せておいた。

 色々と面倒なことになりそうだからだ。

 そして、このペンダントは【たいせつなもの】に部類される。

 これは俺とシャルルが会話するために必要な物だ。

 あいつとのコンタクトは重要。

 ヴェラが言っても、エヴラールが言っても、俺はペンダントを手放さないだろう。


「そう……なら、仕方ないわね」


 俺がペンダントを服の内に隠すと、リアナは俺の頭を撫でた。

 少し震えている。

 獣人族は敏感だから、邪悪な魔力を感じ取りやすい。

 多分、その中でも彼女は特別感じ取りやすい方のだろう。

 というか、敏感過ぎるんだ。

 魔物の気配を一瞬で察知するヴェラでさえ、こいつを何とも思わなかったのだから。




――――――




 皆が落ち着いた後、俺は余った家を貸してもらった。

 村長の家に泊まるのは少し気不味い。

 リアナも俺と離れている方が安心できるだろうし。


 俺が貰ったのは一人で住むには大きすぎる家だった。

 リビング、玄関、寝室、バルコニー、そして浴室まであった。

 浴室があるのは珍しい。

 宿にも無いのだ、浴室というのは。


 荷物を整理した後は、村長の家で夕飯を一緒にという話だ。

 リアナの事が心配だが、村長に誘われたら断れない。

 俺は早々に整理を済ませ、村長の家へと足を運んだ。


 途中、俺を見てはひそりと話す姿が見えたが、無視して村長の家に着いた。

 ノックをしようとすると、ヴェラが突然扉を開き、抱きついてきた。


「あぁん、もう待ってたよぉ!」

「……におい、ですか」

「そうだよ、シャルルの匂いはもう完全に覚えたからね。ナニの大きさまで知っちゃったんだから」

「匂いはまだ分かりますけど、ナニは理解できません! なんで知っちゃったんですか!」

「ふふふ、秘密だよ」


 そう言って、俺をお姫様抱っこすると、椅子に座らせてくれた。

 テーブルの上には食事が並んでいて、俺の鼻を刺激する。

 ただ、肉が多いな、うん。


 全員が席に着き、食事を始める。

 ティホン、リアナ、ヴェラは昔話や近況報告で盛り上がっている。

 俺は黙々と食事を進めるが、隣に座るヴェラの皿の上を見て気付いた。

 彼女は野菜だけ避けている。


 野菜はちゃんと食べないといけない。

 肉だけじゃバランスが悪い。

 ビタミンが不足するとビタミン欠乏症になる。

 かと言って、野菜だけでもダメだ。

 ベジタリアンが健康的かと言われれば、そうではない。

 脳、心臓、血液に影響が出る。

 ベジタリアンの子供のIQが鉄分不足のせいで低下していた事例もある。


 まあ、とにかく何事もバランスが重要なのだ。

 俺はフォークでヴェラの野菜を刺し、ヴェラの口元まで運ぶ。


「はい、お姉ちゃん、あーん」

「あーん」


 予想外なことに、ヴェラは素直に食べてくれた。

 しかし、リアナとティホンは驚いた顔をしている。


「どうしました?」

「ヴェラは野菜嫌いで、俺達が言っても頑なに食べようとしなかったんだ……それをたったそれだけの行動で食べさせてしまうとは……」


 俺が尋ねると、ティホンが答えた。

 自分で言うのも恥ずかしいが、ヴェラは俺に良く懐いているようだ。

 初めて会った時からこんな感じだったが、最近ではかなり素直で助かる。



 その後、俺も会話に混ざり楽しく夕飯時を過ごした。

御意見、御感想、駄目出し、何でも何時でも歓迎しております。


では、ショートストーリーをどうぞ。



「暇です、ヴェラさん」

「お姉ちゃんと呼べと言っているだろう」

「気が向いたら。あーあー、暇ですよー」

「仕方がない、お姉ちゃんと『しりとり』をしよう」

「いいですね」

「寝間着」

「木」

「気合」

「胃」

「イカ」

「蚊」

「会長」

「兎」

「うま」

「魔」

「撒き菱」

「死」

「シャルル、やる気無いのかい?」

「いえ、そんな事ないですよ。続けましょう」

「うん」

「僕の勝ちです」

「……はっ!」


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