堕天使に出会う。
死崎レイが出会ったものは、堕天使であった・・・。
僕の名まえは死崎レイ(しざき・レイ)、どこにでもいる高校生だ。
自分はクラスでは存在感があるが、人気者ではない。 好きなこと、寝ること。嫌いなもの、先生。将来の夢、無。
つまらない毎日。そしていつも思う。
僕は生きている意味はあるのか?僕は生きていていいのか?
「あるんじゃないか。人は生きていることに意味があるんだぞ。」
先生はそう言うが嘘にしか聞こえない。
ネガティブシンキングはこれくらいにしといて、今日、初めて生きている意味がわかった。今朝のことだ。
通学路にはよくものが落ちている。毛布、テレビ、本、金。
今朝見たのは一つの銃であった。おもちゃではない。本物だ。
バンッ、銃口からは煙が出て、通学路の電柱に穴が開いた。その穴はどんどん広がり大きな穴となった。そして電柱は折れて倒れた。
これは威力の問題じゃない。よく見れば穴の周りがとけている。毒の弾だったのか?
「これは毒じゃない、お前の力だ」
その声の本人は倒れた電柱の上に立っていた。だが人ではない。背中から黒い翼が生えているからだ。
「どういう意味だ。僕に力はないのだよ。黒い翼の人。」
死崎レイは黒い翼の生き物の言葉を全否定した。
「ある。この銃は人の心と共鳴する。この銃は希望に満ち溢れた人は回復をもたらす銃となり、自分は生きている意味がない、と思うやつは破滅をもたらす物だ。あと黒い翼の人じゃない、堕天使のクロだ。」
「なら、堕天使この銃があれば世界を破滅させれるのか?」
確かにそうだ。死崎レイは生きている意味がないという人である。つまり、この堕天使の言ってることに普通にあてはまる。
「そうだ。だが、日本は警察か自衛隊しか銃を持たせない。それ以外は銃刀法に違反すると国は言う。」
「だが、証拠がないと違反したとは言われない。警察は犯人を捕まえて、階級を上げることに希望を持っている。希望ある人間は回復をもたらす。だからばれない。」
この死崎レイという人物はこれでおもしろいことに気づいた。
警察を、いや日本を騙して日本を破滅に向かわす、どんなに楽しいことか、やっと見つかった僕のするべきことを・・・そう、日本を・・いや、世界を滅ぼすことがどんなに楽しいのだろう・・・と。
「おい。堕天使、僕は今日から世界を壊すことに決めた、お前はどうする?」
「名前で呼べ、クロと・・。お前についていく。この世界の末路どうなるかな?」
「滅びるのみ。」
死崎レイはそういって銃をカバンにしまい、いつものように学校に向かった。
「遅刻だな。」
腕時計はもう学校の登校完了時間一分前を指していた。
人ってなんのため生きるのだろうか?知っている人はゼロに等しい