中国人観光客が来なくても別に問題無い説
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は中国が高市総理の「存立危機事態」発言を皮切りに「事実上の制裁」としている「渡航制限自粛」がどの程度日本経済に悪影響を及ぼすのか? 及ぼさないのかについて個人的な意見を述べていこうと思います。
※「存立危機事態発言」については https://ncode.syosetu.com/n7436lj/ こちらをどうぞ。
◇日本のマスコミは「中国ベッタリ」
質問者:
マスコミの報道では中国の観光客の方が来られないことによって2兆円の経済損失が出るということだったのですが……。
筆者:
まず、「マスコミの中国評」というのは信頼しない方が良いと思います。
「日中両国政府間の記者交換に関する交換公文」(前身は日中記者協定と呼ばれていた)というものがありまして、
・ 中国敵視政策をとらない。
・ 「二つの中国」を作る陰謀に加担しない。
・ 日中両国の正常な関係を妨げない。
と言ったように「中国ベッタリ」な報道ばかりを強要されます。
そのために、中国がマイナスになる情報は流さないか歪曲するといった方法を取るのです。
質問者:
何とそんな協定が交わされているとは……。
筆者:
今回の件であれば、中国は高市総理に頭を下げて欲しいと言う一心だと思うので、
「渡航制限自粛」などがいかに日本にとってマイナスの影響を与えるかについてマスコミは発信し続けているということです。
質問者:
発信する前からバイアスがかかっているのであればそれは信頼できませんね……。
◇長期的には不明だが短期では損害は薄い
筆者:
それを前提に次の記事を見ていただきたいです。
25年11月26日の「よろず~ニュース」発信の『「中国人団体がキャンセル 損失2000万円」報道のホテルが見解公表→「想定内」「依存してない」尖閣や靖国を例示』
という記事から引用させてもらうと
『愛知・蒲郡市にある「蒲郡ホテル」が21日に公式X(旧ツイッター)に文書を掲載し「見解」を示した。
同ホテルは中国からの観光客の宿泊が多く、高市早苗首相の台湾についての国会答弁に対して中国が反発し、渡航自粛を呼びかけたことで“影響が出た”として取材を受けていた。1000人以上がキャンセルしたといい「キャンセル料はなんとか免除してほしい」という申し出にも困っていると伝えられていた。
「大打撃も…観光明暗 渡航自粛『損失2000万円』のホテルも」などと報道された。これに対し、蒲郡ホテルはXで「一部団体予約のキャンセルは発生しておりますが、営業および経営については通常通り、安定して運営を続けております。」と説明している。「最近の報道に関する当館の見解について」と題して掲載した文書の全文は以下の通り。
一部報道および関係各所よりお問い合わせをいただいている、中国人団体旅行客のキャンセルについて、ご説明申し上げます。
現在、情勢の変化等を背景とした中国からの団予約のキャンセルが発生していることは事実です。しかしながら、こうした事例は過去にも尖閣諸島問題や靖国神社参拝問題など、日中関係が緊張した局面において繰り返し起きており、当館としても想定の範囲内であり、リスクとして十分認識しております。なお、本件は一部の中国団体予約に限ったものであり、それ以外のご予約・ご利用には一切影響はございません。
また、当館の宿泊予約は中国からの団体客に依存しておらず、日本国内およびその他諸国からの個人・団体のお客様に安定してご利用いただいております。現在の稼働状況および今後の見通しにおいても、当館の運営および経営に支障が生じることはなく、通常どおり安定した営業を継続しております。
国際情勢に左右される部分があることは承知の上で、今後も特定の国に過度に依存しない健全な経営体制を維持しながら、多様なお客様に安心してご利用いただける宿泊施設づくりに努めてまいります。
なお、当館はこれまでと変わらず、すべてのお客様を歓迎するとともに、安全で快適な滞在環境の提供を最優先に取り組んでまいります。
引き続き、関係者の皆様ならびにお客様のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
蒲郡ホテル』
といった内容で、主要メディアが「デマのようなもの」を流していたことが分かっています。
ちなみに、テレ朝ニュースが「損失2000万円のホテルも」、TBSニュースが「キャンセル料は免除してくれと申し出があり困っている」などと報じていたようです。
質問者:
なんと……「損害が出ている」と言われていた会社すらも損害が出ていなかったとは……。
一体どういうことなのでしょうか……。
筆者:
AFP通信の『中国の渡航自粛、影響は限定的 日本人客が来店しやすく』
https://www.afpbb.com/articles/-/3610211 という記事から引用させてもらいますと、
『高市早苗首相の台湾有事に関する発言を受けて中国政府が自国民に日本への渡航自粛を呼び掛けたことで、観光客がお金を落とす高級ブティック、ラーメン店、ホテルなどへの影響が懸念されている。
だが、東京都内で事業を営む人々は概してこうした懸念を軽視している。
浅草のジュエリーショップの店長は、中国人観光客が減った分、日本人客が来店しやすくなったので、売り上げはそれほど落ちていないと語った。
この店はこれまで、客の半分を中国人が占めていたという。
日本の多くの観光・小売業は、他の外国人よりも訪日旅行消費額の大きい中国人観光客に大きく依存している。
一部のホテル、デザイナーズブランドを扱う店舗、さらにはドラッグストアには中国語を話せる店員がおり、百貨店では中国語の看板もよく見かける。
だが、銀座のうどん店の店長も、中国政府の渡航自粛呼び掛けから数日が経過したが、売り上げへの直接的な影響は感じていないと語った。
もちろん客が減れば店としては残念だが、常連の日本人客がいるので、それほど心配していないという。
日本の統計によると、訪日外国人観光客では、中国人が最も多く、2025年1~9月で約750万人に上った。外国人観光客全体の4分の1に相当するという。
円安に後押しされ、2025年7~9月期の中国人によるインバウンド消費額は約5900億円に上った。
日本政府観光局(JNTO)によると、2024年の中国人観光客のインバウンド消費額は、他の外国人観光客と比べて平均で22%多かった。
だが、昨年は世界中から3680万人という記録的な数の観光客が日本を訪れたことで、多くの日本人の日常生活に影響を与えるオーバーツーリズムへの懸念も高まっている。 (長いため後略)』
とあるように、中国人の方が日本へ渡航を控えることは日本全国津々浦々まで浸透していますので「今がチャンス!」と日本の方が逆に旅行に来ているということです。
ちなみにこの報じたAFP通信はフランスに本社があるために日本と中国との協定を無視できるんでしょうね。
質問者:
なんと……大手のメディアは「情報操作」や「偏向報道」に近いことをしようとしているということですか?
筆者:
そういう判断で間違いないと思います。
もっとも、日本人全体の購買力が低下していることもまた事実です。
そのために、短期的においては中国が失った需要を補うだけの支出を日本人がすることも可能だと思いますが、長期的に見た場合にはどうなのかは分かりません。
しかし、中国はこうした「経済的威圧」を使うことは日常的にある上に、東日本大震災やコロナ渦では日本にあまり来ていませんでした。
中国に依存しているような業界や会社というのは既にコロナなどで淘汰されている可能性が高いために、今回の1件が日本経済全体の損失という意味では軽微ではないかと個人的には思っています。
◇そもそも「中国人観光客」は日本経済にとってそこまでプラスではなかった疑惑
質問者:
何だか大手の報道だけを見ているととても信じられない事ばかりですね……。
筆者:
更に中国人の方は「一条龍」と呼ばれるビジネスモデルで日本にほとんどお金を落としていないと言われています。
このビジネスモデルはクルーズ船のチャーターに始まり、バス会社や免税店、ホテル、飲食店と言った川上から川下までの行程で中国系の決済サービスを使っていると言われているものです。
正確な数字は分かりませんが一説には8割ほどは中国の会社に流れていると言われています。
そのために「中国人によるGDPが2兆円」が本当の数字だったとしても日本には波及効果は薄いのです。
質問者:
なんと……そんなことが……。観光客が多すぎるオーバーツーリズムの問題だけが残るということですか……。
それでも国内で消費されている数字だから日本国内のGDPなんですか?
筆者:
そうなりますね。あとは一頃「爆買い」というのが中国の方がされているという報道があったと思います。
あれは免税店で購入し、それを「消費税分を上乗せして転売する」といったことを行っていたことが推測されています。
質問者:
えっ……そんなことがなされていたんですか?
筆者:
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE22D7W0S4A021C2000000/
この記事によると、『インバウンド(訪日外国人)向けの免税制度が悪用されている実態が会計検査院の調査であらわになった。2022年度だけでも免税の対象とはならない9人が計33億円分を購入し、消費税など約3億4千万円の納付を逃れていた。購入額が13億円を超えた人もいた。政府は仕組みの見直しを急ぐが、現行制度下での徴収漏れ対策も急務になる。』
とあり、
2026年からは「リファンド方式」と呼ばれる免税店の消費税還付の方法が厳格化されるようです。
質問者:
そもそも国内で売っているのに「輸出」としての扱いになって消費税が免除されていることが異常とも言えますからね……。
筆者:
ただ、リファンド方式導入前に既に実務的には対策されています。
古物商などが高級ブランド品などの買取る段階で税務署から追及されるようになっています。
買取り業者が多くの物を外国の方が売っている時点で還付を受ける消費税法違反に当たると判断される(消費税マイナス要素の控除が否認になる)ようになりつつあるようです。
このために買取業者が外国の方から売られることを拒否する傾向にあり、転売が厳しくなりつつあるのです。
質問者:
「中国人の爆買い」が最近聞かなくなったのはそういうことだったんですか……。
◇「レアアース輸出禁止」が最大の争点
筆者:
少なくとも中国人観光客の方の「買い物支出」というのは大幅に減ったようです。
現状について、中国人の観光客の方がいないことは経済的損害は軽微ではないかということを語らせてもらったのですが、
中国との経済関係で最も問題があるのは「レアアース輸出禁止措置」だと思います。
レアアースのシェア率も中国は非常に高く(生産が7割、精製が9割)代替えは非常に難しい状況になっています。
このことからアメリカすらも中国に対して強く出れないのが現実なのです。
一刻も早くアメリカに頼み込んでも良いので一緒に日本の南鳥島周辺に眠っているとされるレアアースの発掘をする必要があると思います。
質問者:
レアアースはスマートフォン、テレビ、パソコン、電気自動車、風力発電、LED照明など様々なものに使われているそうなので生活にも支障が出そうなので早く発掘して欲しいですね……。
筆者:
当面の経済的な注目ポイントは兎にも角にも「レアアース」でしょう。
若しくは沖縄への「ちょっかい出し」があるかもしれないのでそこで「存立危機事態発言」をしたような毅然とした態度がとれるかどうかも焦点かなと思っています。
マスコミの情報操作などに負けない「適切な視点」についてこれからも解説しようと思いますのでどうぞご覧ください。




