81話.ボスの出現と傾向、レアボスの名はアンラッビー
81話.ボスの出現と傾向、レアボスの名はアンラッビー
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探索者試験のために訪れたボス部屋。初めてのボス戦となる相手は、真っ黒いウサギの形を形成しつつあった。
徐々に輪郭がはっきりとし始め、その身体が定着しつつあるのだが。その時間が思っていたよりも長く、後ろの三人の反応からも嫌な予感がヒシヒシと感じられる。端的に言うと、ヤバイ。
「なあ!コイツってレアな魔物なのか!?」
とにかく情報が欲しいと、後ろに問いかける。誰でもいいから教えてくれ!!
「アレは恐らく『アンラッビー』だな。俺も出会ったのは一度か二度か。なんせ戦ったことは無いからな、見間違いだったかも知れんし……。とにかくレア中のレアだ」
「ああ、アタシも見るのは初めてだ。二層の草原エリアでしか目撃例が無いんだよなソイツ」
レア中のレアをこんな時に引き当てる男!その名も知春!(キリッ)
「なにそれ?それってツイてるの?ツイてないの?」
「めちゃくちゃツイてないな」
「ああ、スッゲーツイてない」
「まさにアンラッキーなラビット。通称アンラッビー」
ああ!やっぱりそういう意味なんだ!?
「とはいえ昨日も言ったように、今の知春なら大丈夫。ステータスだけで言えば余裕」
「そうそう!気軽に構えてれば勝てるって!」
「とは言え脚は速いらしいからな。油断はするなよ」
「ええ!どっちなのそれ!?」
その直後、ひときわ大きい電撃のような音が鳴り響く。音のした方、アンラッビーの方を見ると、身体の輪郭はハッキリとその存在を浮かび上がらせ、ボスとして完全に奴が顕現した事を示していた。
「菅田さん気をつけろ!そろそろ来るぞ!」
「魔法陣が完全に消えたらボスは動けるようになる!集中しろよ!」
「高速の突進にだけ気をつけて!相手の運動量に惑わされなければ避けられる」
三者三様でアドバイスを飛ばしてくれるが、答えている余裕は無い。俺はアンラッビーと足元の魔法陣から目を逸らさぬまま、戦闘態勢を取った。
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ボスの傾向については二人から色々と聞いてはいた。基本的にボス部屋に登場する敵は、次の階層に現れる敵の中からランダムに選ばれるらしい。
とは言っても確率みたいなものはあって、基本的には遭遇率、いわゆるエンカウント率の高い魔物は現れやすく、逆に全く出会さないような魔物は、滅多にボス部屋には現れない。……そのはずだったんだけどなぁ。
(そう言えば、全身真っ黒な魔物もたまに出るとか言ってたっけ?まず出てこないから頭の片隅にでも置いとけって一花が言ってたな)
いやどんだけフラグを建てるんだって。絶対確率に何らかの影響を与えてるだろ。言霊でしょうか?いいえ誰でも。ってみすずってる場合かよ!誰でも言霊使いだったら世界の破滅だよ!!
とりあえずまずは様子見だ。アンラッビーの速さがどの程度か、どんな挙動からどんな動きに繋げてくるか。それを見定めよう。
残念ながら俺には先手を取れるような圧倒的な速さも無いし、確信を持って仕留められるような一撃の威力も無い。『気妖』スキルはまだまだ未完成だし、それを撃ち込むにも隙を見つけなきゃいけない。
みんなが余裕だと言ってる総合レベルの高さがどれくらい通用するか。それを見るためにも相手の情報が欲しい。
(くそー、内臓はもう丈夫になったはずなのに、胃がキリキリ痛む気がする。精神的に負けるな。気を紛らわせろ)
俺は『気』のスキルで落ち着きを取り戻そうとしながらも、魔法陣が収束していくのをジッと見つめていた。
ついに魔法陣が消滅し、魔物が地下迷宮に解き放たれる。アンラッビーの放つその咆哮は、とても痛々しくて、苦しげだった。
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◆菅田 知春
◆シンタイキヨウカ
・新躰強化 Lv.9
・身体器用 Lv.8
・進退強化 Lv.7
・待機妖化 Lv.5
・大気妖化 Lv.4
・気妖 Lv.1
・息 Lv.6
・気 Lv.6
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◆津賀 一花
◆ラビットラピッド Lv.22
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◆陽乃下 白百合
◆ディープフォレスト Lv.27
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◆幡羅 謙三
◆身体強化 Lv.12 体力 Lv.10 投擲 Lv.8
体術 Lv.9




