72話.戦い(ダーツ)の終わり、婆ちゃん直伝だし巻き卵
72話.戦い(ダーツ)の終わり、婆ちゃん直伝だし巻き卵
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「まずは『衝撃のファースト・ダート』!」
まさかのアニメネタで放たれた一花の一投目は15のダブル!30点だ!
「続いて『撃滅のセカンド・ダート』!!」
そのネタ続けるんだ!?と放たれた二投目はなんと。
「20のトリプルをここで……だと……」
「60点。これで残りの点数は1ですね」
「最後に1を残すとか!流石イッチー!!」
そう、あと一点で勝負は決してしまう。もう後がない!
「そしてこれが!『抹殺のラスト・ダート』だぁ!!」
その矢は狙いを過たず、20点の右にある1点へと……。あれ?
「なんでここでダブルなんだぁ!!」
「bustです。91点のままですね」
「いつもより肘がほんの少し高かった。下に行かないようにって意識し過ぎた」
「イッチー……どんまいまーいだよ?」
なんと1のダブルで2点を取ってしまい、合計92点。301を超えたラウンドの点数は無効になるらしく、15のダブルも20のトリプルも無かったことに……。
「一花よ、策士策に溺れるとはこの事だな」
「くっ!迂闊……!」
「その言葉は意味がちょっち違うかなー?」
「むしろ色んな選択肢を選べない1点残しは愚策」
「そうですね。修行のし直しですよ、一花」
一花はソファの上で一人、ぐぬぬぬと項垂れるのであった……。憐れ一花よ!強く生きるんだぞ!!
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俺のターン。ドロー!俺はスキル『進退強化』を発動!さらに『気』スキルを併用して効果を強める!
一つ試したい事があって、それが『進退強化』の“俺以外の対象に効果はあるか”という事。矢を投げると考えずに、矢を進めて的に到達させる、とイメージを変える事で、スキルが使えるんじゃないか?と考えたのだ。
さらに『気』のスキルを使う事で、解釈を拡げる作用を期待した。以前に妖化の解釈を拡げてしまい、肚が痛くなったように。
(行けそう……?)
ブルを行き先として矢を出発させる。すると狙いよりはやや上だが、それでも20点を取れた。
「マジか!ブルの真上!」
「ちはるんやるー!」
「これは……不思議な感覚」
「ええ、恐らくなんらかのスキルを?」
その後5点、ブルに当たり計75。残りは38点か。これならあとは白百合に託せるな!
「一花、どうやら俺たちの勝ちのようだな」
「くっ!スキルを使うとは卑怯な!」
「貴様は地下迷宮の中でもそう言って命を落とすのか?」
などと一花と三文芝居をして遊んでいたのだが……。
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「引き分けですね。良い試合でした」
フェイは先程も決めた20のダブルの後に19で残り32点。最後に16のダブルでフィニッシュし。
白百合は18を二回、最後に直ぐ横の4でフィニッシュした。どちらもスタイリッシュな上がり方で、二人で硬い握手を交わしていた。
「ちぇっ、結局引き分けかー」
「まあ、いいんじゃね?面白かったし」
「だな!またやろうぜ?」
「ああ。次は勝つよ」
「ぜってぇ負けねえ!!」
面白かったし、一花も笑顔になったし。良い時間だったな。あー楽しかった!!
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ダーツバーで遊んだ翌朝。今日はだし巻き卵に大根おろしと鰹節、そしてインスタントの味噌汁で簡単な朝ごはんにした。
だし巻き卵は出汁を如何にして卵に抱き込ませるか、これが難しい。抱き込ませ卵と言っても良いぐらいだな。違うか?
「それと、コレだよな。朝ご飯だけど、名前は夕ご飯のやつ〜」
インスタントの味噌汁は以前から飲んでいる歴史のあるメーカーのものだ。
『朝・昼・夕』とある内の『夕』が俺は好きだ。白味噌のタイプね。これが一番、この味噌汁のシリーズに使われている出汁と合っている気がする。
合わせ味噌で定番の『朝』も好きだよ?『昼』はなかなか売ってないんだよね。たまに飲むと美味しいけど、赤味噌には別の出汁ってイメージなんだよな。
さてまずは卵から。白身を切るようによく溶いて、そこに出汁を混ぜ込ませる。こう言う時はちょっとお高めの出汁パックが手軽で美味しい。もちろん俺が出汁を取るよりも断然美味しい出汁になってるし、こう言うのを安易に使っていきたい。安易にね!
婆ちゃんから譲り受けた銅製の卵焼き器、そして婆ちゃん直伝の作り方で焼いていく。
油をしっかり敷いて、卵液を注ぐ。ジュッと鳴る音を楽しみながら慎重に温度を管理する。
高過ぎても低過ぎてもダメ。婆ちゃん曰く『料理とは熱と水をどう操るか』だそうだ。魔法使いかな?魔法使いだったかも知れないな。めっちゃ器用で、なんでも出来る人だったから。
焼いて、巻いて、油を敷き直して卵液を継ぎ足し、また焼く。それを慎重に、だけど手早く。出汁を含ませて焼くには時間が命だ。
「うん、俺にしては上出来!」
どうしても婆ちゃんのと比べてしまう。あれは神レベルの出来上がりだった。健康な内臓になった今食べたら、もっと美味しかったんだろうなと悔しい気持ちもあるが、仕方のない事だ。
後悔が出来る余裕がある、と言う言い方も出来るんだよな。こんな事を思うのすら許されなかった可能性もあったのだから。言葉遊びの範囲ではあるが、考え方次第では見え方が変わる。それを忘れないようにしたい。
銅製の道具は管理が大切。手早く洗って水気を取り、風通しの良い場所へと戻す。これからもよろしくね。また活躍してね。
卵の食感を大切にしたいので、大根おろしはきめ細かく辛味の抑えたおろし方で。まあ好みもあるよね。粗くて辛いのも好きだ。鬼おろしだっけ?アレでガリガリしたヤツは爺ちゃんが好きだったな。父さんは細かいのが好きだった。
なんで大根おろしの思い出がこんなにあるのかと言うと、俺の胃腸のために、よく料理に添えてくれたんだよね。みぞれ鍋とかさ、美味しかったな……。
さて、大根おろしもお皿に添えて、そこに鰹節と醤油をかけて、
「いただきます!」
うーん!やっぱり美味い!!飲み会なんかでも、お酒は飲めなかったけどこれはよく頼んで食べてたな。『菅田さんってだし巻き好きですよね』って同僚の女性にも言われたことあったな。そんなに好きそうに見えたんかな?好きだけどね!
だし巻き卵の良さはそのふんわり感と、ジュワッと溢れる出汁の旨味。醤油の塩気がそれに良く合うし、大根おろしが全体を繋いでくれるから後を引く。いくらでも食べられるよね。これだけでご飯のオカズになる!
ご飯は冷凍保存していたものをレンチンしただけなんだけど、土鍋で炊いてるからか物足りなさは感じない。いつもホカホカを味わえる。電子レンジって凄いよね。発明した人にノーベル賞あげちゃう!むしろ貰ってないとおかしいよ。
電化製品で言うとエアコンは生活を安全に豊かにしたし、電子レンジは食に革命をもたらした。あと冷蔵庫。みんな作った人にノーベル賞をあげたい。
だって停電なんかになったら生活の質はガクンと下がるし、夏場だと命に関わるもんね。今じゃ無い生活は考えられないよ。悠々自適な自給自足の生活にも憧れはするけど、電気が無い生活を過ごせる自信は俺には無い。
「そういう意味でも収入は必要だ。探索者、頑張ってみよ!」
さて、まずは筆記試験だっけ?どんな勉強したらいいのかな?改めてちゃんと調べてみよっと!
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◆菅田 知春
◆シンタイキヨウカ
・新躰強化 Lv.9
・身体器用 Lv.8
・進退強化 Lv.7
・待機妖化 Lv.5
・大気妖化 Lv.4
・気妖 Lv.1
・息 Lv.6
・気 Lv.5
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◆津賀 一花
◆ラビットラピッド Lv.22
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◆陽乃下 白百合
◆ディープフォレスト Lv.27
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◆潤目 フェイ
◆知性 Lv.12 投擲 Lv.4 観察 Lv.10
鑑定 Lv.2
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◆シモナ・アンダーソン
◆魔操 Lv.11 体術 Lv.9 回復 Lv.7




