67話.一花怒られる?、白百合とダーツバーへ
67話.一花怒られる?、白百合とダーツバーへ
◆
【URMEN内チャットデータ】
おいっすー。誰か居る?
私が居る。フェイはお昼食べに
行った
そかそか。俺も今昼飯食ってる
ところ。
一花はまだ居ない?
おかしい。今日は知春と一緒
だった筈?
途中までそうだったんだが、
『消化不良だ!』って言って
行っちまったんだよ。
それって…
そうだ、一花って体調悪くして
たりするのか?身体が熱いとか
言ってたから。
この前ので弱ってる時に風邪で
も引いたのかと思って…。
やっぱり…
大丈夫、風邪とかじゃ無い
お、ちはるんじゃん!
やほやほー!
一花ちゃんならオンラインだか
ら居るはずだよー?
オンライン?
そそ、このアプリはセキュリ
ティーの観念から、利用者が
オンラインかどうか可視化さ
れているのだー!
そうなんだ…。一花、個人
チャットに集合。話がある
…へーい
あれ、なんか良くないこと
書いちゃったか?
うーん?多分大丈夫だと
思うよー。二人にも色々あるん
だろうねー
そうか。まあ後で一言謝ってお
くよ。
◆
昼飯を食べながら、ふと一花の事が気になってチャットで聞いたんだが、少し雲行きが怪しい感じにさせてしまったか?
無事に地上に戻って来てるのは確認出来たから、そこは安心なんだけどな。
流石に体調が悪い時に潜ったりはしないだろうから、こちらの気にし過ぎなのかも知れない。
とは言え以前の事件を経験してしまうと、また何かトラブルに巻き込まれてないか、あるいは何か悩みを抱えているんじゃ……とついつい気になってしまう。
スキルの事は俺自身も秘密にしてる部分があるし、それは一花や白百合も同じだろう。もちろんそれが意地悪や仲間外れでしてるものではないのも理解している。
理解はしていても、感情は偽れるものじゃ無い。やっぱり一花も白百合もフェイも、俺の仲間だと思っているみんなの事になると心配はしてしまうのだ。
「はぁ、言い訳を並べても相手を不快にさせたら意味は無いよな。やっぱり一花には後で謝っておこう」
そんな風に反省をしている時だった。白百合からの個人チャットに通知が来たのは。
◆
大宮ギルドを中心として、駅やショッピングモール、マンションや歓楽街などが作られてから数年が経つ。
そんな歓楽街にはギルドを訪れる者、周辺企業で働く者など、様々な人たちが日夜お酒を酌み交わしたりと友好を育んでいる。
友好ってなに?育むってなに?と以前は言ってただろう俺にも、ついにお誘いがあったのだ。しかも女性から。しかも美女から!!
「ダーツバーか。上手く出来るかな?」
そう、白百合から夜のお誘いがあって、俺は着慣れないややフォーマルな服装を身につけ、歓楽街にあるダーツバーに向かおうとしていた。
夜である理由はもちろん白百合の体質があるからだ。特に意味深な理由は一つもない。それでもこの状況にはどうしてもワクワクと言うかソワソワして落ち着かないのは、男の性なんだろうか?
しばらくキョロキョロと周りを見回しながら歩いていると、
「ヨォ、ブラザァ?良い店あるゼ?遊ばナイカ?」
ゴッツイ黒人の男に絡まれてしまった。ふえぇデカイよ〜、怖いよ〜。
いやマジで怖いって。ただでさえこう言う対処は苦手なのに、なんでこんなデカイ奴が!俺はブラザァじゃねぇぞ!一人っ子だ!!
「ノーノー!ノーサンキュー!」
「カモォン!損はさせないカラ!!」
なんてやり取りをしばらくしていて、俺が英語を出来なさそうなのが分かるや、英語らしき言葉で捲し立てながら、やや強引に連れて行かれそうになってしまう。
万事休す、俺は探索者になる前に遠洋漁業に連れて行かれるのか?と未来を憂いていると……。
「菅田さん良かった。ここにいらしたんですね」
「あ、あなたはアイモさん!!」
病院で知り合ったお医者さんにして白百合の護衛も務めている、アイモさんことシモナ・アンダーソンさんがそこにいらっしゃった!女神様だ!!女神様が来てくれたぞ!!
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
◆菅田 知春
◆シンタイキヨウカ
・新躰強化 Lv.9
・身体器用 Lv.7
・進退強化 Lv.7
・待機妖化 Lv.5
・大気妖化 Lv.4
・気妖 Lv.1
・息 Lv.6
・気 Lv.5
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
◆シモナ・アンダーソン
◆魔操 Lv.11 体術 Lv.9 回復 Lv.7




