表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【40000PV感謝!】シンタイキヨウカってなに?  作者: taso
第二章 新たなる躰
61/99

60話.“気妖”の考察、『気妖』の発生

 お読みいただきありがとうございます。リアクションや感想、評価をいただけると嬉しいです。励みになります!


60話.“気妖”の考察、『気妖』の発生



 二つの妖化シリーズ、その違いと共通点について二人で話し合った。


 地下迷宮に漂う魔素と、スキルの使用者に応じた固有の魔素。その二つの相互変化と使い方に違いがあると俺たちは仮定した。


 これは電気に例えると分かりやすいかも知れない。俺たちが使う電気は、100Vとして各家庭に配給されているわけだが、スマホの充電をする際にはそれでは強すぎてしまう。


 それを充電器で適切なものに変えて、スマホを充電しているわけだが。

 スキルの場合も最適な形の魔素でないとスキルが使えないのかも知れないな。それがその人(魔物)固有の魔素になっているのかも?


 そうなると、その魔素は“どうやって作られているのか?”と言う疑問も出てくるわけだが……。それは考えても分からないだろうな。それを言うとそもそも“なんで地下迷宮には魔素なんてものがあるのか?”ともなるし。


 不思議な事は尽きないが、大切なのはスキルを使う際のイメージを補強する為の考え方だからな。

 例えば、磁力とは何か?万有引力ってどうやって作られてるの?みたいな難問は、考えたい人が考えれば良いのである。俺には分からん!



「ちはるんも頭の整理が終わったようだし、今度はちはるんの報告を聞こうか?」

「おお、そうだったな。これは先に“見てもらう”方が分かりやすいかな?」

「見てもらう?何かな何かなー?」

「んじゃ……。100%成功する訳じゃないから、それだけ先に言っとくな?」

「分かったから!早く早くー!」


 俺は手のひらを上に向けた状態で、『身体器用』と『息』を同時発動する。そして二つの妖化スキルをイメージしながら、息を吐くのと同時に『気』のスキルを使い“気妖”を発動させる。


 ポンッ


「わわっ!?」

「よし、地上にしては割と上手く出来たな」

「えっ!なになに!?今のなんなの!?新しいスキル!?」

「いや、スキルじゃ無いんだけどな……」


 俺はゴブリンと戦ってる時に起きた謎の現象を説明した。その時の状況、スキルの使い方、そして俺なりの推測を合わせてフェイに掻い摘んで話した。


 特に『息』→『気』の流れが必要不可欠な事、二つの妖化スキルはイメージだけでも良い事なんかを伝えると……。


「なるほどね。『息』か……。なんか繋がった気がする」

「そうなのか?俺にも分かるように説明してくれ」

「うん、ちょっち待ってね……。オケ、説明するね?」


 フェイはそう言うと、用意していたノートにこう書いていた。


「ええと、『胃気』?これも“いき”って読み方で合ってるんだよな?」

「うん!実は息の語源?由来?的なのを調べてたんだよね。“生き”から転じたものとする説もあるんだけど、息の方が先なんじゃって逆の説もあって。つまり息=生きであって、どっちが先かとかは無いんじゃないかと私は思ってるんだけど」

「待て待て、多分脱線してる!」


 フェイは恐らく興味のある事になると思考が止まらなくなるんだと思う。そう言った部分は俺にも有るから分かるし、俺はフェイのキャラとして好きなんだが、今は話を先に進めたい。


「ごめんごー、話を戻すね。それでもう一つの説に“胃気”が語源と言うのもあるの。胃気ってのは東洋医学の考え方でね、これはちはるんの体質にも関係するんじゃないかなって思って」

「俺の、体質?」

「うん。胃気とは“消化能力”を指す言葉なんだー」


 消化能力。医者の診断でも『胃腸が弱いのかも』とよく言われたものだ。結局は明確な診断名が出る事は無かったけど、運動の後や食後に痛みが出やすかったから、消化能力が関係するのは納得がいく。


「まあ実際どうだったのかは定かじゃ無いから置いとくけどー、この消化ってのが“ある物を別の形に変化させる力”と考えると?」

「そうか……。俺が思っていた“妖化”にも繋がるんだな」

「そゆことー。ちはるんは窒素→到素、いわゆる魔素にする事を妖化だと思ってたけど、実は魔素→ちはるん固有の魔素への変化、あるいはその逆もまた“胃気の力”なのかも?って思ったんだー!」



 ちょっち整理したい。つられてちょっちって言っちゃったよ。


・息とは『胃気』、消化能力の事

・消化とは“ある物を別の形にする”事

・『息』によって、気が変化し易くなった?


「地下迷宮に漂うのを『純魔素』、スキルに使われる魔素を『固有魔素』とするとー、以前にスキルで起きたお腹の痛みは、ちはるんの中の『固有魔素』が『純魔素』に変化して起きた痛み、なのかも?」

「……。そうか、拒絶反応か?」

「多分ねー?」


 拒絶反応、それは移植の時に特に気を付けなければいけないもので、自分とは別の物が体内に入ると、それを異物として攻撃してしまう反応。その時に痛みが出たり、身体に悪影響が出てしまい、場合によっては死ぬ事もある。


「それか別の血液型同士による血液みたいな、化学的な変質の可能性もあるけどー。そう言うのがちはるんの身体の中で起きて、痛みが出てしまったのかもー?」


 うん……?今スキルの感覚が『そっちだよ!』って言ってる気がする。『純魔素』と『固有魔素』による反応、か?


「もしかして、その反応こそが“気妖”……なのか?」


 ミステリー小説でよく見られる、パズルのピースがハマったような感覚があった。それと同時に、自分の中に新たなものが生まれた気がした。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

菅田(スダ) 知春(チハル)


◆シンタイキヨウカ

・新躰強化 Lv.9

・身体器用 Lv.7

・進退強化 Lv.6

・待機妖化 Lv.5

・大気妖化 Lv.2

・気妖 Lv.0

・息 Lv.5

・気 Lv.5


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

潤目(ウルメ) フェイ


◆知性 Lv.12 投擲 Lv.4 観察 Lv.10

 鑑定 Lv.2

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ