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【40000PV感謝!】シンタイキヨウカってなに?  作者: taso
第二章 新たなる躰
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48話.武道の解釈、総合レベルと身体の強さ

 お読みいただきありがとうございます。リアクションや感想、評価をいただけると嬉しいです。励みになります!


 今週から火・木・土の週三日を目処に投稿していく予定です。変更や増減する場合もあるかも知れませんが、その都度前書きにてご連絡させて頂きます。よろしくお願いします。


48話.武道の解釈、総合レベルと身体の強さ



 早めに地下迷宮を後にして、俺はパン屋さんの捜索に乗り出した。そんな大袈裟な話では無いけど、色々なお店を見つけたい。パン屋さんに限らずね。


 今日はケンゾウさんには会えなかったけど、いつもの受付嬢さんには相変わらず会う事が出来た。もう運命だと思うんだ。恋だよ恋。向こうはただニコニコするだけだけど、これは脈アリかな?


 なんて考えてるのもバレてるよね。それが半分本気じゃ無いって事も。なんというか、高嶺の花と言うか。


 これまでは女性と親しい関係にはならなかったし、素敵な人が居ても『自分なんてどうせー』って直ぐに思っていたから。自分から本気になって動く自信が無いから、妄想めいた事でお茶を濁していた。恋愛を茶化していたとも言える。


「恋かー。恋愛ってどうやってするんだろ?相手は?告白は?どうやって愛を育むの?誰か教えてくれよ。先生〜!」


 父さんが好きだった、ベテランロックユニットの曲を流しながら車を走らせ、スマホで検索した最寄りのパン屋さんへと向かった。恋心の捜索は、まだ良いよね?



 美味しそうなカレーパンのお店を見つけた。トマトを多めに使ったカレーだと言う。トマトの旨味が効いたカレーは美味い。甘さではなくて旨味が大事。

 甘いトマトが加熱された時の甘さももちろん好きだが、カレーには甘過ぎるんだよな。味の濃いトマトの旨味と酸味。これだよね。少し遅めのお昼に食べたい。楽しみだ。


 それとフランスパンは有名なチェーン店のお店で買う事にした。フランスパンと言えばこのお店!と言う歴史の長い店だ。バタールとバゲットを一つずつ買ったよ。


 お昼の前に、今日の戦闘についておさらいをする。一つ後悔があるとすれば、


「もっと『気』の技を試せば良かった……」


 スキルの考察、そして新躰強化のレベルが9になったのに気を取られ、スキルの検証を忘れていた。意識していても抜けてる時がある。むしろ抜けてるからこそ意識を重ねないといけないのだが。


 本来ならあの時の感覚を忘れないように、もう少し戦いたかったが。今から戻る気にもなれない。モチベほど難しいものは無い。


 どんなにしたい事があっても、その気が無ければ中身の無いものになってしまう。以前の諦め癖が、まだ抜けない。自分のコントロールはまだまだ難しく、課題ばかりだ。


 戦闘の内容について。躰道の運足を使った避け方、回避から攻撃の繋げ方は思ったよりも上手く出来た気がする。身体器用と息、二つのスキルのおかげだろう。


 ただ躰道をこれから攻撃として使えるかと言うと、やはり疑問だった。それは決して躰道のせいでは無い。自分の弱さと、そして相手が魔物だと言う二点があるからだ。



 武道とは、武術のノウハウに加えて、それを活かして一つの体、そして精神を鍛えるために纏められたものだと言われている。ある意味で学問的な側面もあるだろう。


 武道の中には色んな大切なものが集められ、それらをまとめて形作られている。それは例えるならzipファイルのデータのようなもので、それを展開して読み取り、そこから何を学べるのか。そこに個人の資質が問われる。


 そのためには解釈が必要で、解釈となると誤解や曲解も起こり得てしまう。正解ばかりを得られるとは限らない。

 武道の中に凄い事が纏められているとしても、それを上手く読み解けなければ宝の持ち腐れ、となってしまうだろう。


「と言うかそもそも、武道って対人のものだよな……」


 人のために作られたもの。人が学び、教え、繋げていくもの。そこには野生の動物と戦うようなエッセンスは殆ど無いだろうし、もちろん魔物相手を想定した武道などは今のところは無いだろう。


「今後、探索者道みたいなのが出来るかもしれんが。実は既にあるのかな?」


 兎にも角にも、武道である躰道を上手く探索者として活かせるかは俺次第だろう。運足による動きは活かせそうだが、脚をメインにした攻撃は、まだ俺には無理だと思う。


 やはり、強度が足りないのだ。



 スキルレベルの総計である総合レベルは、ステータスを強化するものとして反映されている事が一般的にも分かっている。


 ステータスへの補正は、力や体力、知性などを総合的に上げてくれるものだが、その補正については個人の特性に左右される。


「特性。それは個性とも言えるし、才能とも言えるし。その時に個人が持ち合わせているもの」


 例えば筋力が高い人はより攻撃力が高くなるし、体力のある人はより持久力や防御力が上がる。知力の高い人は当然知性が上がりと、その人の長所をより伸ばしてくれるものになる。


 じゃあ、その人の短所はどうなるの?とフェイ先生に聞いた事がある。その答えはもちろん、


『短所は短所だよー、あんまり補正はされないよね。身体が弱ければそこそこにしか強化はされないし。馬鹿な人はいくらレベルが高くたって、天才になれたりもしないよー』


 と言う事だった。なるほどなとしか言えない。足りない部分をより補正してくれるわけもなく。

 スキルだったらあるかも?でもスキルにしたって、その人の特性に依る傾向があるんだよね。頭の良いフェイが『知性』のスキルを得たように。


 身体の弱い俺が『シンタイキヨウカ』を得られたのは、そういう意味ではかなりラッキーだと言えるだろうか。とは言え今は“新たに健康な内臓を得ただけ”でもあるのだ。


 これから新躰強化でどれほど内臓が強化されるのかは分からないが、筋肉や骨と言った身体の強度を支えるもの、あるいは持久力などの体力と呼ばれるもの。それらは自分で鍛えていくしか無い。


 筋トレや有酸素運動、それらの複合による筋肉の鍛え方は考えてはいるが。今は心肺機能を鍛えて、長くトレーニングが出来るような状態に持っていきたい。


「それと、やっぱり骨だよなぁ」


 骨はなぁ、どうしようもないよな。今まで骨を強くするような運動だったり、栄養摂取はどうしても出来なかったから。


 運動による刺激で骨は強くなる。とすればあとは栄養か。コラーゲンやカルシウム、それとビタミン類。そう言った栄養素を意識して摂取して、少しでも丈夫な骨になるように努力していくしか無いだろうか。それと日光浴!


「体質の壁は、やっぱり大きいなぁ……」


 内臓が強化されただけでも幸運ではあるが。それでも多くを求めてしまうのは、人間の業と言うものなのかも知れないな……。




✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

菅田(スダ) 知春(チハル)


◆シンタイキヨウカ

・新躰強化 Lv.9

・身体器用 Lv.7

・進退強化 Lv.6

・待機妖化 Lv.5

・大気妖化 Lv.2

・息 Lv.5

・気 Lv.4

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