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【40000PV感謝!】シンタイキヨウカってなに?  作者: taso
第二章 新たなる躰
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47話.発勁と言うか気功?、到素の可能性

 お読みいただきありがとうございます。リアクションや感想、評価をいただけると嬉しいです。励みになります!


 今週から火・木・土の週三日で更新していく予定です。今後も読みやすい曜日や時間帯が有れば教えてください。これからも本作品をよろしくお願いします。


47話.発勁と言うか気功?、到素の可能性



 刹那の出来事に、それを起こしただろう自分が事態を追い切れていなかった。

 目の前には既にゴブリンが居らず、辺りを窺うと目線の先、数メートル離れた壁の近くに魔凝核が落ちていた。


 アレが、さっきのゴブリンの成れの果て、だろうか……?


「ええ……。発勁ってそんな技じゃ無いよなぁ……」


 俺が知ってる発勁は、重心の移動を攻撃に乗せて、敵にダメージを与えるもの。攻撃の際に敵が後ろに後退するのはあり得るだろうが、あんな破裂音がするような技では無いはずだ。


 なんだ、俺が天才だとでも言うのか?


「なんて自惚れられてたら幸せな人生だったろうな……。腑抜けるな、しっかり考えろ俺」


 可能性を考える。そこからより確かそうなものを選び、可能性を高めていく。それから検証したり調べたりして、また考える。それが人間の強みだろう。それが俺の生き方だろう!


「さっきの攻撃、破裂音。アレはまるで、発勁と言うよりは、気功……?」


 まさか、またお前だと言うのか!『気』のスキルよ!どこまでじゃじゃ馬なんだよお前!!


 ん?違うって?違くは無いけど、形にしたのは“妖化”だと?


「それってどっちの……どっちも!?」


 んー、ちょっと集中して考えたいな。適当な脇道に入って考えるか……。



 さて、いつものように脇道に入り、壁に背を預けて座る。もう少しで強化が終わりそうな『新躰強化』のレベル8を発動しながら、さっきの事象について考えてみる。


 スキルの感覚は“妖化”と『気』によって起こった現象だと言っていた。


 まず『待機妖化』について考えてみる。待機、それは移動をしない事、あまり身体を動かさない事。確かに移動はしていなかった。足を踏み出さずに攻撃をしていた。それは重心移動に集中したかったからだが。


「しかも動き自体も少なかったか?軽く伸ばした腕を当てるようにイメージしたから」


 これぐらいなら“待機”がそこまでブレない範囲なのか?だから良い効果をもたらした?

 しかも待機妖化は自分の極周辺を妖化させるスキルだ。妖化の解釈が起こったとすると、掌底の辺りが強く“妖化された”のかも知れない。


「でもどっちも関係してるとスキルは言ってたから……」


 『大気妖化』について考える。これは大気を妖化させるもの。俺の気配を周囲にばら撒き、また解釈によれば大気の中の“気”を魔素に変えるもの。


「そうか、二つがあるからこそ、上手く掌底の範囲で発動が出来たってことか?」


 そして発勁の“発”を強化したくて使った『気』のスキル。東洋の技だしと『気』を使ったんだ。それがトリガーになって……。


「気功みたいな攻撃が出来たと?マジ?」


 俺はいわゆる気功とかチャクラとか、概念的なものには弱い人間だと思ってる。スピリチュアルなものがデタラメだとは考えていない。ただイメージが難しいと言うだけで。


 でも、そのイメージを二つの“妖化スキル”が補助をして、そして『気』のスキルに連携されて発動された、と考えると信じやすくなる。納得が多少はいく。


「周りの気を使っての事となると、『魔操』のスキルとは違うよな」


 スキルには極一部の人が使えるもので『魔操』なるスキルがある。これは使用者の体内の魔力を動かし、それによって内外に一定の現象を及ぼせるようになるスキルらしい。


 これによって攻撃を強化したり防御を上げたり、さらには魔力を飛ばして遠距離攻撃をするなど、魔物により干渉し易くなると聞いたことがある。


 また一部の“魔法様(まほうよう)スキル”を持っている人は、セットで魔操スキルも持っているらしく。魔操によって魔法のようなスキルを使える様にもなるのだと言う。


「白百合の話だと確か……」


 シモナさん……アイモさんで良いか。彼女が持ってると言う『回復』のスキルも魔法様スキルの一つで、自分の魔力を使って自分や他人の回復力を促進させるのだとか。神秘だね。


 さて、この“魔力”とは、自分の魔素、俺で言うところの到素を動かして、あらゆる現象を起こす力だと思う。


 ステータス保持者にはスキルがあり、僅かに魔素も保持していると言う。だからステータスが見えるし、スキルも使えるし、地下迷宮の外だとしても、多少はスキルを使える。ただ外で使うと怠くなると言うが、それも魔素を使っているからだろう。と言われているよ。


 対して俺はどうか?外で使ってもあまり怠くはならなかったけど。それは、


・俺のスキルは魔素(到素)を大して使わない

・俺は人よりも魔素(到素)が多いので、消費しても身体に影響が少なかった


 この二つの可能性がある。と今まで考えてはいたのだが。


・外にある窒素を自分で魔素(到素)に変換して使う事が出来る


 この可能性も出てきていた。うん。ややこしいね。


「俺が使うのは到素として考えよう」


 そうする事にした。そして俺は体外にある窒素を到素に変えて、それを使っている。体内の魔素は使っていないか、少ししか使われていない。そんな仮説を立ててみる。


「なんか物語の主人公みたいだな俺。カッコいいぞ!」


 やっぱり男の子だからね。こう言うの、オラわっくわくすっぞ!


 身体は相変わらず貧弱なまま、なんだけどね……。


 新躰強化は色々とスキルを使っている内にレベル9になっていた。相変わらず奇数レベルにはなり易い。


 内臓の強化はこれ以上必要なのかは分からない。もう充分かも知れないが。


「もう少しで10になる。上限がいくつかは分からないけど、どうせならキリが良いところまで上げたいよな」


 俺は戦闘結果とスキルの考察、そしてレベル上げに満足しながら、ご陽気に帰宅する事にした。

 そうだ、早めに帰れるし、パン屋さんの開拓をしようかな?美味しいフランスパンのお店があるといいなー!




✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

菅田(スダ) 知春(チハル)


◆シンタイキヨウカ

・新躰強化 Lv.9

・身体器用 Lv.7

・進退強化 Lv.6

・待機妖化 Lv.5

・大気妖化 Lv.2

・息 Lv.5

・気 Lv.4

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