45話.待機妖化のまとめ、大気妖化の考察
※前回に引き続き、魔素の考察を含む回となります。今後への伏線もありますが、一般的な名称は『魔素』と言う認識でお読み頂ければと思います。これからも引き続きお付き合いの程よろしくお願いします!
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45話.待機妖化のまとめ、大気妖化の考察
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「なんでそんな直ぐにスキルがポンポンと……うがー!!」
何やらパッツン丸眼鏡さんが荒れてらっしゃいますので、その間にこれまでのおさらいをしておこう。まず解ってる事は、
・待機妖化によって影響するのは俺の“気配”
・『気』のスキルによって“気”への解釈が広がる
・どんな“気”にアプローチするかのイメージをしないで『気』を使うのは危険
とまあこんな感じか。特に三つ目は自分の身体でとくと味わった訳だし、今後も気を付けたいと思うます!
「次に推測の域を出ない部分で言うと……」
・地下迷宮では窒素の何割か、あるいは全部が到素(いわゆる魔素)に置換されている?
・『待機妖化』→『気』を使った時に痛みが出たのは、窒素が到素に置換されたから?
・置換された窒素は身体のタンパク質に含まれているもの?
・あるいは尿素などを含んだ液体?
・一番可能性があるのは、体内にある空気に含まれる窒素?
窒素→到素に関しては俺が自信を持って考えた仮説だが、確証などは一つもない。
ただこの仮説が正しいとすると、『気』を使った事により生じた肚の痛みにも納得がいく。
気配が妖化されて、つまり朧げになっただけで、肚が痛くなるとは思えないからだ。
窒素が到素、いわゆる魔素と呼ばれているものに置換されたと仮定した時、それがタンパク質などの個体に影響を与えたのか。
それとも尿素などが含まれた液体に影響を与えたのか。
最も可能性が高いのは、体内にある空気に影響を与えたのか。
仮設に伴う推測なので、ここら辺は今のところ、深く考えなくても良いだろうな。
さて、そろそろフェイさんが落ち着かれたと思うので、俺も思考の海から抜け出そう。
◆
「私の提案でそう簡単にスキルを作られちゃうとね。私だってビックリするんだからね!」
「まあまあ、いつもの事だから」
「それがオカシイって言ってるんだよー!」
全然落ち着いて無かったね。ひとまず新しく生えたスキル『大気妖化』を試してみようか。まだレベル1と低いので、『息』を使って呼吸を深くしてから、続いて大気妖化を発動する。
「さっきのスキルを今使ってるんだけど、外から見てどう?」
「え、もう使ってるの!?んーと……なんだろう?ちはるんが近くに感じる?」
「なんだそれ?」
「そう言われても、実際そう感じるんだもーん」
「もーんって……」
フェイの反応を聞いて、そう言えば俺もフェイが近くに居るというか、近くに感じる気がする。なんだこれは?
「もしかしてだけど、待機妖化と逆の効果なのかな?」
「逆ってー……気配を拡げてる感じ?」
「なんだろうな。周りを俺の気配に近付けてるような」
「うーんこれは。妖化の対象が違うー?」
「? と言うと?」
フェイが言うには、待機妖化が“俺の気配”を薄れさせているのに対して、大気妖化は“周りに俺の気配を拡げている”と。
「それって効果としては逆効果になってないか?」
「うーん、そうでも無いかな?例えば私はちはるんの事を知ってるわけで、当然ちはるんの気配なんかもなんとなくわかるよね?」
「え、マジで?」
「なんでそこで引くかなー?人間ってなんとなく分かるもんだよ?知ってる人の気配ってさー」
いまいち俺に実感が無いのは、気配を感じるぐらいの知り合いが今まで居なかったからかも知れない……。
「ちはるんの悲しい過去は置いといてー」
「おい、言い方」
「要するに、私たちはお互いを知ってるから気配も特定し易いし、感じ易いってこと!」
「なるほどな。うん?って事は知らない相手だと?」
「不特定多数の一つだから、特に何も感じないよねー。街中で知らない人の気配を感じ取れないのと同じ感じ?」
なるほどな。誘導ミサイルを阻害するチャフみたいなものか?周りにそれを撒くことで、俺が居る場所をボヤけさせる。つまりこれもまた妖化、なのか?
「待機妖化の時、ちはるんは無意識に、気配を内側に押し込もう、外に出さないようにしようとしてたんだと思うんだー。だから身体の内側、内臓に影響が及んでしまった。『気』のスキルの手助けもあってだと思うけど!」
「なるほど。そう考えると事故った原因も分かるな」
「今回は外側を意識してスキルを発生させたから、大気に影響を及ぼした。と考えるのが自然だねー」
そうなると、どっちのスキルをこの先使えば良いんだろう?動きながら使える事を考えると、大気妖化の方が使い易そう?上位互換的な感覚が否めない。
「待機妖化は、動いてる時には効果が薄まる。でも効果はその分高い、か?」
「大気妖化の方は移動してる時も使えそう。なんだけど、知ってる相手や感知能力の高い相手には効果が薄いと言うか、逆に感知させやすくなるかも?」
「あと俺の気配を拡げられるなら、離れてる敵の気配を感じ取ったりも出来そう、か?」
「あー、さっき私の事を近くに感じたようにってことだね。サーチ機能か。デメリットもありそう?」
ふむ、確かにメリットデメリットがありそうだな。相手にも俺の居場所を察知されるリスクがあるとか。某FPSゲームのキャラが使うソナーみたいに。
ここら辺は要検証だ。明日あたり地下迷宮に潜るか。気力体力も回復してるし。
「あとねー。仮に妖化の解釈が拡げられるとして」
「拡げられるとして?」
「攻撃や防御に転用出来るとするとー。どうなると思う?」
「転用。戦いに使えるとしたら、か」
そうなると、やっぱり距離感の問題になるのと、後は“待機”か“大気”の違いだな。
「待機妖化は接近戦、主に使うなら防御かな。待機の特性上、動くと効果が弱くなるかもなぁ」
「大気、空気の方は遠距離にも効果が出そうだねー。こっちは動きながらもスキルを使えそう?」
「うーん。やっぱり大気妖化の方が上位互換な感じが否めない……」
「まま、適材適所だよ。なんでもねー」
◆
って事を話し合って、フェイがアクリルボードにまとめてくれた
『待機妖化』
・じっとしてる時に効果が高くなり、動くと効果が弱くなる
・妖化の効果は大気妖化よりも高くなる?(大気妖化のレベルを上げての比較検証が必要)
・使い方によっては接近戦、特に防御に使えるようになる?
『大気妖化』
・どんな行動をしてても一定の効果を得られそう?
・妖化の効果は待機妖化よりも低い?相手を選ぶスキルか?
・ちはるんから遠ざかるほど効果が薄くなる?
・使い方によっては遠距離攻撃にも転用可能?
※生えたばかりでレベルも検証も足りないため、推測の域を出ない
とまあこんな感じか。名前も効果も似ているスキルだけど、上手いこと使い分けていけると良いね。
「それと、スキルを発生させた本来の目的。妖化の対象は自分の外側!これを徹底してね!」
「分かってる。もうあの痛みは味わいたくないよ。二度もやったら充分……」
「ちはるん、待って。今二度って、言ったよね?」
「あっ」
それから地下迷宮での事件の事をまだ話してない事にも気付いて、フェイに根掘り葉掘りちはりんと、話をすることになったのでした。油断したぜ!!
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◆菅田 知春
◆シンタイキヨウカ
・新躰強化 Lv.8
・身体器用 Lv.6
・進退強化 Lv.6
・待機妖化 Lv.4
・大気妖化 Lv.1
・息 Lv.4
・気 Lv.4
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◆潤目 フェイ
◆知性 Lv.11 投擲 Lv.3 観察 Lv.9




