表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【40000PV感謝!】シンタイキヨウカってなに?  作者: taso
第二章 新たなる躰
42/99

42話.シモナ・アンダーソン、二度目の秘密会議

 お読みいただきありがとうございます。リアクションや感想、評価をいただけると嬉しいです。励みになります!

42話.シモナ・アンダーソン、二度目の秘密会議



 一花のお見舞いに訪れた病院、その名も『聖アンダーソン総合病院』で、俺も身体を診てもらう事になった。レベル8になった新躰強化は、俺の内臓をビックリするほどに強化してくれた。


 とは言え一花を背負いながら魔物と戦ったし、ゴブリンの突進を腹に受けて内出血も起きていた。新躰強化によって怪我がどの程度回復しているかは確かめておく必要があるだろう。スキルへの信用はあるが、過信して何もしないのとはまた違うのだ。


 信じるとは、疑うこととセットなのだから。


「えーと。アンダーソンさん?と言うのは、病院の名前と関係が?」

「……それに関しては白百合のせいです」

「ごめんね。名前を決める時に、ちょうど良いのが無いって言うからさ。私もまさかそのまま使われるとは思ってなかった」


 ふむ?何か事情がありそうだ。と言うか、白百合が考えた名前ってどゆこと?


「ここは地下迷宮の一般公開が決まった時に作られた。私の家、陽乃下の家が出資している病院」

「院長も白百合のお兄様です」

「え、すご」


 白百合はお嬢様の雰囲気は以前から感じてはいたが、まさか病院をポンと建てられるほどの経済力、権力がある家だとは。


「凄いのは家だからね。私は……」

「白百合も凄いですよ。あなたの能力は皆様も認めています」

「どうだか……」


 何かしら確執があるのだろうか?摑趾追ry


「それより、知春を診てあげて。まだ病院で検査はしてないよね?」

「ああ、昨日は一日中寝てたしな。特に症状は無かったし、一花と違い頭を打ってたりも無かったから」

「それなら恐らく問題は無いでしょう。聴診器を当てますので胸とお腹を」


 言われるがまま、上着のカーディガンを脱いでからTシャツの裾を捲り上げる。女性二人の前で肌を晒すのはなんだか落ち着かない。


「そう言えば、なんでアイモさんと呼んでるの?」


 上半身を見せる恥ずかしさを誤魔化すように、気になっていた事を聞いてみた。


「シモナの中にimoと言う部分が有るのと、アイモがアニメ好きだから」

「アニメって事は。アレ?」

「そう。アレ」


 そうか、やっぱりアレか。


「日本語の響きはとてもcuteで素敵です。そんな中でもアイモほど愛らしい響きを私は知りません。日本人はなぜあんな素晴らしい言葉を思い付くのでしょうか。日本語とアニメは世界に残すべき偉大な文化です。それを日本人こそ自覚すべきもので」

「アイモ、ストップ」


 シモナさん、いやアイモさんがどれほど日本語やアニメを愛しているのかを思い知らされるが、早く診察を終えて欲しい……。



「異常無しですね。健康そのものです」

「そうですか、ありがとうございます」

「うん。何も無くて良かった」


 そのあと口内を見たり目を見たりとされたが、健康だと太鼓判を押して貰えた。これなら込み入った検査も必要無さそうだと言うので、もし症状が出たら来て欲しいと言われた。


「むしろ健康過ぎると言うか、異常が無いのが異常と言うか」

「どう言う事?」

「私でも上手く言えないのですが。真っさらな身体を見ているような感覚でした」


 それってやはり、新躰強化の影響なんだろうか?ヤバい?


「そう。とにかく問題は無いのよね?」

「はい、そのまま帰っていただいて大丈夫です」

「そうですか。改めてお礼を」


 それから診察料を払って、今日は帰宅する事にした。マイなんちゃら身分証に保険証も入ってたから良かった。こう言う時には便利だね。便利は怖いけど、人間次第だよな。振り回されないように、寄り掛かり過ぎないように。



「それじゃあ、一花に?よろしく」

「知春も早く言い慣れると良いね」

「ほっとけ」


 白百合とはエレベーター前で別れ、俺は駐車場へ、白百合は一花のところへと戻る事になった。短期間で三人の女性を名前呼びする事になって、やはり違和感が拭えない。スキルから始まった身体の改造により、色んな変化が起きている。


 だが俺の中身は相変わらず弱いままだろう。身体の健康を機に、中身を強くしていきたい。ストレッチだけで無く体幹や外側の筋肉も鍛えていきたいし、栄養面も意識したいものだ。これからは好きなだけご飯も食べられるからな。


「おろ、フェイから連絡が」


 フェイが開発したオリジナルのチャットアプリ、その名も『URMEN(ウルメン)』に通知が入っていた。読み方はアーメンみたいだけど、神様とはなんの関係も無いのです。


【URMEN内のチャットデータ】


ちはるんるん、今日は予定ある

かにゃん?


空いてたらまた家で話せない?


午後の予定が無くなったから、

この前の話を早く聞かせろ!


拳をふり

怒った顔

のフェイ

スタンプ


    なんで怒ってるんだよ笑

    ちょうど予定空いたからい

    けるよ。車なんだけど良い

    かな?


近くにパーキングあるから、そ

こに停めてくれたら良いよ。こ

こねー


パーキングの場所のURL


    サンキュー!今から行くよ。


    知春が親

    指を上げ

    ている顔

    スタンプ


 ばっちしのタイミングだったな。忙しい人ほど、予定を押さえられてるもんなんだろうな。それでスポット時間が空いた時に他の予定をするのかも。会社から家も近かったし。


 優秀な人は苦労するよな。俺は適度に働いて、適度に稼いで、これからの人生を楽しめると良いな。そんな意味でも自由に出来る探索者はアリかも知れない。探索者についても調べてみよう。


 そんな未来の事を頭に描きながら、俺はフェイの住むマンションへと車を走らせた。車を走らせるって言い方、なんかカッコいいよね。スポーツカーとかじゃ無い、軽のボックスだけど。天井が高くて快適なんだぞ?




✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

菅田(スダ) 知春(チハル)


◆シンタイキヨウカ

・新躰強化 Lv.8

・身体器用 Lv.6

・進退強化 Lv.6

・待機妖化 Lv.4

・息 Lv.4

・気 Lv.4


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

陽乃下(ヒノモト) 白百合(サユリ)


◆ディープフォレスト Lv.27


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

◆シモナ・アンダーソン


◆魔操 Lv.10 体術 Lv.8 回復 Lv.5

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ