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【40000PV感謝!】シンタイキヨウカってなに?  作者: taso
第一章 変わり始める躰
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31話.一日中晴れ間が広がるでしょう、ただし突発的な豪雨にご注意ください

 お読みいただきありがとうございます。リアクションや感想、評価をいただけると嬉しいです。励みになります!


31話.一日中晴れ間が広がるでしょう、ただし突発的な豪雨にご注意ください



 あれから数日が経ち、新躰強化レベル6の強化は完了した。レベル5の時のそれよりも時間が掛かっただろうか?


 地下迷宮での痛みによる疲労も大きかっただろうか。結局地下迷宮には行かず、


・畑の様子を見たり(土とか肥料とか)

・フェイとチャットをしたり(私のこと大好きですねー?ってウザかった)


 あとはたまに食べ物を買いに行ったりして心身を癒した。買い物が一番ゆっくり出来たまである。


 朝の天気予報では秋晴れが続き、今日も列島全国だいたい晴れ。ただ関東地方に線状降水帯が掛かれば、ゲリラ豪雨もあり得ると。


「9月に起きやすいとは聞いたけど、今は10月だろうが発生してもおかしくないか」


 気圧配置やその動きによって、雨雲がどこにかかるかは未知数だ。かと言ってそれを怖がって、ずっと家にいる訳にもいかない。それに……。


「今日は……地下迷宮に行けってステータスが言ってるような。でも危険だとも言ってるような……」


 なんだろう、この不思議な感覚は。行ったら危ないかも知れないが、行かないと後悔するかも、みたいな?なんかザワザワする。『気』が急いてくる。あの時使ったせいで、変なことが起きているのか?


 初めてだ、こんな気持ちは。


「スキルが……叫びたがってるんだ……」


 ダメ。馬鹿な事言っても全然気が紛れない。『気』のスキルを使った方が幾分マシだった。もうちょい持ち主を気遣ってくれ!


「はぁ……。しゃーない。行くか。行かなきゃ分からないんだろ?どうせさ。それに……後悔はしたくない」


 やらない後悔は……散々してきたんだよ。やる後悔だって多かったけどな。



「菅田さん……。今日潜るのは、あまりお勧めしません」


 直感スキル持ちの受付嬢さんが言ってるじゃん。もはや確定だろこれ。KTNAN確定ry


「真剣に申し上げております。菅田さん、最後の判断はご利用者様に委ねるしかありません。お渡し出来るような、お止めできるような明確な情報はありませんので」


 ですよね。でも……それならやっぱり、俺は潜りますよ。後悔をしないように。


「菅田さん。あなたのスキルは……。いえ、何も申しません。どうかご無事の帰還を、お祈りしております」

「……ありがとうございます。行ってきます」


 これだけはちゃんと、声に出して言いたかったからね。受付嬢さんの笑顔、素敵ですよ。これは声に出す勇気はありません。


「意気地なしですね……」


 あーあー、聞こえませんよー!



 初期装備を着て、ゲートから地下迷宮に潜る。転移先のセーフティエリアに着いても、いつもと変わりは無い。いつも通りの地下迷宮だった。


 本当に何かが起きるのだろうか?ここに来ないと後悔するような、何かが?それが起きたとして、俺に何が出来るんだ?


「考えても分からないなら、いつも通りやるしか無いよな。レベル上げ、頑張りましょう!」


 『進退強化』と『気』を使い、レベル上げに適した脇道を探す。レベル6に上がった進退強化が、きっと良い場所に導いてくれる筈だ。


「ここにするかな?」


 適当な場所まで来て、人のいない脇道に入る。途中、一匹のバットに遭遇したが、投石二発で倒しきれた。バットは多少素早く動いて厄介だが、スライムと違って核を狙わなくても良いのは救いだ。


「バットがいるって事は、近くにボス部屋が、『階層陣』があるんだろうな」


 『階層陣』は、その名の通り階層を結ぶ転移魔法陣だ。これに触れると次の階層に行ったり、戻って来たりが出来る。


 そして転移陣はボス部屋の中にあり、当然ボスもそこに居て、転移陣を守護している。


「なんでバットはボス部屋の近くにしか居ないんだろうな?スライムは雨の日に増えるし、魔物の習性はよく分からん」


 これまでは、そんなバットが居ない所を選んで脇道を探して居たんだが。進退強化がここに導いたのなら、きっとそれは必要な事なんだろう。


「本当にそうなのか?ただ危険な場所にスキルが誘導しただけなんじゃ?」


 実際のところは分からない。ただ、疑うことを忘れるのは良くないと思う。


 疑わずに信じるのは過信だ。妄信だ。考えることを放棄しただけだ。そんなの本当に信じているなんて、どうして言えるだろうか?


『よく見て、よく考え、そして疑い。それでも信じたいものを信じるんだ。最後に残ったものが、お前の信じられるものになる』


 だったよな、爺ちゃん。


『大丈夫。きっと知春が心を寄せられる場所に辿り着けるからね』


 分かってるよ、婆ちゃん。


『知春。いずれお前は春を知る時が来る。その時こそ、お前が羽搏く(はばたく)時なんだ』


 ありがとう、父さん。俺を育ててくれて。見離さないでいてくれて。


「何が起きるか分からないけどさ。頑張ってみるよ、父さん。爺ちゃん。婆ちゃん。どうか俺のことを、見守っていてください」


 さて、レベル上げ。始めますか!



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

菅田(スダ) 知春(チハル)


◆シンタイキヨウカ

・新躰強化 Lv.6

・身体器用 Lv.5

・進退強化 Lv.6

・待機妖化 Lv.3

・息 Lv.3

・気 Lv.3

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