3話.スキルの可能性、可能性は無限大?
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3話.スキルの可能性、可能性は無限大?
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少しの変化、それでも俺は敏感にそれを感じ取った。なんせこれまで長年、長年と言ってもスキルが生えてからの2年間だが、ひたすら待ち望んでいたものだったからだ。
普段から無意識に開いていたステータス。それを改めて意識して頭の中に思い描く。このステータス、何かを思い出したり想像したりする時のように、脳内にボワーっと思い描く事が出来る。当然他人には見られる事もなく、アウトプットするには専用のオーパーツと『凝素紙』が必要だと言う。
さて、そんなステータスには特段の情報は書かれていない。その人の名前と、そしてスキルの一覧だけ。スキルにはそれぞれのレベルが横に表示されるが、これまで俺のシンタイキヨウカにはレベル表示は見られなかった。
そんなシンタイキヨウカの下に!新しいスキルが!生えているではないか!!
「新躰強化……?これって、さっき考えていた事がスキルになっている……?」
これは一般的な身体強化スキルの派生的なものだろうか?それともユニークスキル?
スマホでスキル名を検索してみたがヒットせず、改めてユニークスキルの可能性が高くなってきた。或いは情報が登録されていないだけで既存のものかも知れないが……。
「仮にユニークスキルなら、強いスキルになるかも、だよな。そう言う噂を聞いた事がある」
最初に生えるスキルは大きく分けて二種類あるとされる。戦闘系スキルと、非戦闘系の生産系スキルだ。
発生確率はだいたい半々で、戦闘系スキルの内の8割が身体強化だと言われている。俺のシンタイキヨウカもそれの表示がバグったものだとこれまでは思っていた。効果も薄いし、なんなら下位互換的なものだと嫌な予測をしていたが、そんな事は無いのかも知れない。
改めてスキルを発動してみよう。新躰強化!
やっぱり、以前より効果が高くなってるかも?鳩尾の痛みが前より早く良くなっている、気がする。プラシーボかも知れないが、それは今後繰り返し使って確かめてみるしか無い。スキル効果はステータスから見る事は出来ない。使って確かめてみるしか無いのだ。もっと良いステータスを頼む。
だが、これで未来は少し明るくなった。これから新しいスキルのレベルが上がっていけば、体も強くなれるかも知れない。そうすればトレーニングもさらに出来るようになって、より強くなれる。そうだと信じたい。
いや、信じられるだけ良いのだ。これまでは何も信じる事が出来なかった。希望も持てなかった。それが出来るようになっただけで、気持ちが、身が引き締まる思いがした。俺の人生はこれからだ!菅田先生の次回作にry
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◆菅田 知春
◆シンタイキヨウカ
・新躰強化 Lv.1