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69.探索の任にある騎士とは-1

円卓会議2日目の終了後。


会議室の扉を閉めた財務卿が執務室に向かっていると、北方執政の任に異動したばかりの騎士と北方辺境伯夫妻と行き合った。

3人は財務卿の戻りを待っていたらしい。

少し疲れた様子の財務卿が、やあ、と3人に声をかける。


「何か私に意見でもあるのかね」

執務室で話した方がよいかな、と財務卿は3人の様子を窺いながら尋ねる。

北方辺境伯が、彼の妻に向かって、さあ、と軽く背中を押すと、彼女は頷いて話を始めた。


「今回の件についてなのだけれど、私も国外の知り合いの幾人かに尋ねてみたの。

南方探索の騎士…貴方の孫娘の行方についての手がかりを持つ方がいないかどうか、を聞いてみたわ。

南方探索の騎士が宰相である彼女のために珍しい羊毛を探しているという話を、私達の古い友人である北方探索の騎士…今は北方執政の騎士ね…から聞いたわ。

南方諸国付近の羊毛関係に詳しい知人に情報を当たってみたのだけれど」


北方辺境伯の妻であり王の姉である彼女はそこでひと息ついて、貴方に知らせたい情報がいくつかあるわ、と笑って言った。

財務卿は彼女の言葉の続きを待たずに、彼の前にいる3人に、私の執務室で話そう、とひと言告げると、身を翻し先頭を歩き始めた。

3人は互いに顔を合わせて頷き合い、財務卿の後を追った。


財務卿の執務室に向かうため駆け足を始めた4人の姿を目で追いながら、その少し後ろにいた中央探索の任から北部総督の任に異動したばかりの騎士は、僕の要件は明日の朝の方がいいのかもしれないな、と笑った。

彼は4人の後をのんびり歩きながら財務卿の執務室の続きの間まで来ると、案内の者に明日の朝の会議時間前に面会予約の申し入れをして、騎士の館内にある自分の執務室に戻って、園遊会の最終準備の手配を行なう任務を続けることにした。


自室に戻る途中で、先日南部総督の任についたばかりの彼の友人と行き合ったので手伝いを頼むと、彼の友人は二つ返事で了承した。

彼らは時折、円卓会議に出席した顔見知りの騎士や諸侯達の訪れを迎えながら、園遊会の準備をしていた。


やがて日も暮れ月が空に登り始める頃、財務卿の執務室から戻った北方執政の騎士が、中央探索の騎士の執務室を訪れた。

彼は北方辺境伯の妻から渡されたという手土産を彼らに渡すと、疲れた様子で、あの夫妻に付き合うには体力と忍耐が必要なんだが、財務卿は流石だな、と謎の褒め言葉を口にした。


北部総督の騎士と南部総督の騎士は顔を見合わせて、休憩にしましょう、と、夜食の準備を始めた。

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