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66.円卓会議2日目-1

円卓会議二日目。


財務卿の任にある騎士は、定刻前に会議室前に到着した。

顔見知りの諸侯から、今日は時間通りですね、と小声をかけられるも、沈黙したまま会議室の扉の前で時が来るのを待っている。


開場時間になり、自動的に会議室の扉が開く。

最初に会議室の内部を見渡し足を踏み入れたのは、先頭にいた財務卿である。

彼は沈黙を保ったまま、悠然と自分の席へ歩いていく。


またか、と彼に続く他の騎士も短い言葉を発して、変わらぬ足取りで自分の席へと向かう。


一日目と同じく朱く染まる部屋を見て驚きの声を上げたのは、騎士の後に続く諸侯達である。

二名の騎士の異動で白く元に戻ったはずの部屋が、再び朱く染まっている。

騎士達の席を見ると、ある者の名前と任務が浮かび上がっていた。


諸侯達が自分の席に辿り着いた頃。

到着が遅れていた北方辺境伯の任にある騎士が、会議室に入場する。

諸侯達は、まさか、と彼を見るが、彼は何も言わず、自分の席へと着席する。


円卓会議の開始時間直前に、この日最後の入場者が姿を現した。

北方探索の任にある騎士である。

騎士や諸侯達の視線を一身に浴び、彼は自分の名前が浮かび上がる席に向かう。

彼が着席した直後に、会議室の扉は閉じられた。


騎士や諸侯達の騒めきが静まったのを見計らって、財務卿は話を始めた。

「これはどういうことだろう。

まさか北方探索の任にあるものが、神の御業を駆使して、北方執政の任への配置換えを願うとは。

これでは誰も異論を挟むことはできない。

何故このようなことを?」


北方探索の騎士は財務卿を見ると、貴方と同じことをしたまでだ、と言った。

さらに彼は、会議室にいる皆に向かって伝えた。

「私は古の習いに従い、私の持つ権力を行使し、北方探索の任から北方執政への席の異動を行なった。

これは既に決定事項であり覆ることはなく、またそれによる誰の意見も受け付けないことを意味する。

その理由なのだが」

私の古い友人が奥方と一緒になって大騒ぎして大変なんだ、と北方探索の任にある騎士は、北方辺境伯の任にある騎士を見た。

北方辺境伯の騎士は、私は彼の異動を支持する、と声を上げた。

そうであったか、と財務卿は頷いた。


北方探索の騎士は話を続けた。

「議論にかけられる時間は少ない、と先日の会議で発言したのは、財務卿、貴方だ。

この場には私の就任を歓迎している者もいるし、貴方が起こした友人への異動願いによる騒ぎがこれ以上大きくなる前に、事態を収拾したのだよ。


この件はこれで終わりにして、次の話題に移った方が良いのではないか?」


その後、財務卿の返答を待たず喜び勇んだ北方辺境伯からの、騎士から諸侯の席への異動の申し出があった。

これを騎士および諸侯達は、財務卿の発言を待つことなく、速やかに可決した。

騎士と諸侯達の決定の後、財務卿はこれで北方執政の席は埋まったな、と苦笑いしながら了承の意を表明した。

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