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50.王の子どもの話のはじまり

これはある国で昔起こった出来事である。


ある時代の王に2人の子どもがいた。

王妃との子でなく、王の過ちにより生まれた子どもである。

子どもは母親の手により上手く隠されたが、王の魔術師による予言のため、子どもは探されることになった。


王は側に控える魔術師に、自分の子どもを探すための魔法を使うよう願い出た。

魔術師は快く承諾し、子どもの生まれた年月日の国中の子どもを全て集めるよう王に伝えた。

魔術師は王に、直接会わなければ魔法が使えないのですよ、言った。

王は国中にお触れを出した。

『ある年の5月1日の子どもは全て王宮に集まるように』


国中から同じ年月日の子どもが集められた。

集められた子どもの全てに魔法をかけ、魔術師は子どもを見つけだした。

この2人の子どもです、と魔術師が王に伝えると、王はそうか、と言っただけで、集めた子ども達を全て元の居場所に戻すよう、王の側に仕える者達に指示した。

その後、子どもたち同士での交流会が催され、その後はそこに集められた全ての子どもが元の居場所へ戻された。


王の子どものうちひとりは、次代の王になった。

王はある者から、自らの出生の秘密を知らされる。

『このような悲しいことは終わらせなければ』

王は話の後に、そう呟いた。


王の願いは届かなかった。

王の2人の子どもは、ある事情により窮地に陥った母親である王妃の手で上手く隠されることになった。

王はその事実に苦悩した。

数年後、宰相である魔術師に子ども探しを依頼する。

魔術師は快く承諾した。

私の魔法で子どもの行方を探してみますね、と魔術師は笑って時の魔法を行使し、子ども達の居場所を突き止めた。

王は密かに子ども達の元を訪れたが、一目見ただけでその場を立ち去った。

『このような方法でしか会えぬとは…なんと悲しいことか』

王妃からも子ども達のことについて聞かれることはあったが、王は一部の信頼のおける騎士や諸侯にしか、子ども達の居場所を伝えることはなかった。


時は流れ、子ども達は成人した。

子どものうちのひとりは諸侯となり、王と接触する機会もできた。

子ども達は、王が親であるという事実を知る誰かから話を聞いたようだ。

『貴方のことを…僕は許せない』

王は通りすがりにそう呟く子どもを振り返るが、子どもは彼を見ない。


もうひとりの子どもとも会う機会ができたが、子どもは悲しみに満ちた表情で彼に告げた。

『何故このようなことが…私は貴方を許せない』

子どもはうっすらと涙を浮かべ、彼の前から立ち去った。

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