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羊毛を巡る一連の事件について〜ある国の騎士達の物語〜  作者: さばとらのはは
1-2. 年末の贈り物合戦と騎士の異動に向けての策謀
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44.西方執政の任にある騎士の息子と宰相の話-4

白いクッションをこの国の宰相である彼女に返却しお礼を言うと、彼は話を続けた。

「そういえば、もうひとつ噂を耳にしました。

年末の園遊会が円卓会議の後に行われることになったと。

今年は年の暮れの開催なのですね。

円卓会議、騎士就任の宴、園遊会と、今年の年の瀬は忙しくなりそうだ。

年明け早々に、任地への異動もあることですし」


彼がそう言うと、彼女は頷いた。


「今年の円卓会議では席の異動を求める者が多く、浮足立った行動に出る者も多いとか。

円卓会議直前の開催では、園遊会も十分楽しめないとの意見が一部の騎士や諸侯から持ち上がって、急遽年末に日時を変更することになったそうよ。

それについては私より貴方の友人が詳しい…園遊会の手配は彼の任務だから」


西方執政の息子が後ろを振り返ると、窓の外を手持ち無沙汰な様子で眺めていた中央探索の騎士がそうだね、と顔を上げた。


「園遊会に参加予定の騎士および諸侯には、明日付けでその事実が通達されるよう手配している。

宮殿での噂の方が早く届いたようだね。

君にはひと足先に伝えることになってしまった。

園遊会は、この国内での任務を持たない探索の騎士が取り仕切ることになっているから、この数日、北方探索の騎士と一緒に調整業務に当たってたんだ。

遠方から円卓会議と合わせて参加する諸侯も多いし、手配することは山積みだ。

催しの趣向を考えたり、知らない諸侯との繋がりもできたり、楽しみなこともあるのだけれど。

…とはいえ、当日までは何かと忙しい」


最近は朝から晩まで、北方探索の騎士と一緒に騎士や諸侯との打ち合わせに宮殿内を走り回っているよ、と、中央探索の騎士は肩をすくめた。

先日は休暇が取れたので、君の任地まで遊びに行ったんだ、と続けて言うと、そうだったのか、と西方執政の騎士の息子は友人の言葉に頷いた。


「今日はここまで付き合わせて悪かったよ」


中央探索の騎士は別に気にしていないよ、と笑って言った。

「僕も君が南部総督の任に、騎士の一席を占めることになることをとても嬉しく思っている。

諸侯から騎士への席の異動を、心から歓迎する」


僕の任務も少し楽になりそうだ、と中央探索の騎士が言うと、君の任務と僕の任務はあまり関わりがなさそうだよ、任地が離れているし、と西方執政の騎士の息子が反論する。

この国の宰相である彼女がそのような二人の姿を見て、とても仲の良い友人同士なのね、と微笑むと、そのようですね、と二人が声を揃えて言った。


彼女は思わず、吹き出して声を上げて笑った。

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