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羊毛を巡る一連の事件について〜ある国の騎士達の物語〜  作者: さばとらのはは
1-2. 年末の贈り物合戦と騎士の異動に向けての策謀
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43.西方執政の任にある騎士の息子と宰相の話-3

この国の宰相である彼女は、西方執政の息子である彼と話を続けていた。


「貴方が南方総督の任に就き、騎士となることに反対する諸侯は少ないでしょう。

以前から王や西方執政の任にある騎士である貴方の父君をはじめとした、他の騎士が賛成している。

あなたの決意は、父君にもう伝えているのかしら」


「この後、父の執務室に行ってこの話をする予定です。

…ところで僕の友人が、貴女への贈り物合戦を、他の騎士や諸侯に持ちかける噂を立てたと聞きましたが」


西方執政の騎士の息子である彼は、後方に控えている友人を見た。

中央探索の騎士は、知らないな何のこと、と、とぼけた表情で友人を見返す。


彼女は苦笑した。

「私もそのように知人から聞いたわ。

本当に困ったこと。

確かに探索の任に当たっている3人の騎士からクリスマスの贈り物を貰ったし、それはこの部屋に置いてある。

他にもたくさんの方から、贈り物を頂いたわ」


彼女の執務室後方の長机の上には、包装紙に包まれたままのクリスマスの贈り物が山積みになっている。

中には彼女が私的に関わる、救護院などの子ども達から送られてきたプレゼントまであるらしい。

本当に困ったこと、と彼女は繰り返し言い、笑った。

我が国の宰相殿は国民の間でも人気者なんだ、と中央探索の騎士が言うと、西方執政の騎士の息子も頷いた。


「そのようですね。

僕の友人が宰相閣下に何をお送りしたのか気になりますが…

もっと気がかりなものがある」


「何かしら?」


西方執政の騎士の息子はあれです、と彼女の背後に向かって指を差した。

指し示した場所には、白いクッションが彼女の執務机の後ろにある椅子の背もたれに置かれていた。

「このクッションの素材、すごく珍しいものが使われているようだ。

不思議な光沢がある。

少しお借りしても?」


「どうぞ」


彼女は椅子から取り上げると、彼に手渡した。

彼はクッションを持ち上げ、しばらく検分する。


「うん。

この国では滅多にお目にかかれない素材が使用されている。

この素材の生産地は…

これは南方探索の騎士からのお土産ですか?

これがクリスマスの贈り物?」


彼の言葉に彼女は頷いた。

「私はそう受け取ったわ。

彼女はクリスマスプレゼントには別の物を準備すると言っていたけれど。

そういえば、先日急遽任地へ戻ったようね」


彼は彼女の言葉にもう一度頷いた。

「これは素晴らしいものだと思います」


彼の言葉に彼女も頷いた。

「ええ、そうね。

本当に素敵な贈り物を頂いたわ」


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