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羊毛を巡る一連の事件について〜ある国の騎士達の物語〜  作者: さばとらのはは
1-2. 年末の贈り物合戦と騎士の異動に向けての策謀
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27.第一の騎士である財務卿の話-3

宰相は訝しげな表情で財務卿に尋ねた。

「日々忙しく時間に追われる貴方が、わざわざこちらにまで足を運んで知りたかったことは…それだけかしら?」


財務卿は首をすくめた。

「まさか。

久しぶりに美しく聡明なる宰相殿の様子を伺いに来たのさ。

先ほど宮廷内で面白い話を耳にしたものでね。

あの若き3名の探索の騎士が各所で何を吹聴しているか、君は知っているか?」


魔術師であり宰相である彼女は首を傾げた。

「いいえ。

彼ら3人が帰国して私の元に来訪したのは昨日だけれど、何も知らないわ」


財務卿は大いに笑って、その笑いはしばらく止まらなかった。

宰相である彼女は、呆然としたまま彼を見つめた。

笑いが止まっても、笑いが足りぬとばかりの財務卿は彼女に向かってこのように告げた。


「彼らの流す噂はこのようなものだ。


『我らの王とこの国一番の騎士は、我が国で最も美しき王妃を巡り、他国の戦の調停を利用して争っている。

なんと嘆かわしいことか。

他国ではそれについて、嘲笑が絶えないようだ。


我ら他の円卓の騎士は、その戦に加わることを許されていない。

しかし我らも騎士であるから、競い合いに参加したい。

なので…

永遠の若さと美貌と知性を備えた国一番の魔術師である宰相殿を争うことにした。

猶予は今年の円卓の会議の前まで。

我ら3人の探索の騎士は、各々クリスマスのプレゼントを既に彼女に渡している。

さあ我らの他に、この争いに名乗りを上げる者はいるだろうか』


とのことだ」


この国の美しき宰相は、視線を彷徨わせながら、しばらく呆然としていた。

この国の財務卿である第一の騎士は、円卓の騎士の座に長くついているので、そのような彼女の姿を何度も目にしたことがある。


先だっては、王と彼の騎士の調停が始まった時。

あの時も彼女はこのような顔をしていた。

付き合いも長いので、彼女の心の声は手に取るように分かる。


(しかし、私も円卓の騎士ゆえ)


呆ける彼女に、財務卿はこのように告げるのだった。

「王と彼の騎士による調停は、王より他の騎士は手出し無用との厳命があった。

私も円卓の騎士の第一席を賜る者として、その命令を非常に残念に思っていたところだ。

若き3名の探索の騎士の言に私は同意する。

私もこの争いに参加しよう。


では、これが私から貴女へのクリスマスプレゼントだ。


これを…

誰よりも素晴らしきものを求め続ける貴女に。

我が国の王妃に負けじ劣らず、美しき貴女に。

そして永遠の、終わることの生を持つ貴女へ」

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