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火◾️僕の目に見える子



挿絵(By みてみん)



「おきろ!いつまで寝てんだよ!!」


怒鳴り声と共に蹴り上げられ

僕はいつものようにベッドから落ちた


【火焔】

「・・・痛い」


が、今日はいつもにまして痛みを感じた


【天地】

「その程度の怪我でなに弱ってんだよ!

 さっさと起きて来い!」


叱りつける様な言葉と共に天地さんは部屋を出て行った


【火焔】

「・・・痛い」


そう言われても痛いものは痛い


・・・天地さんに蹴られたせいで昨日怪我した傷が開いてしまった気がする


【火焔】

「・・・はぁ」


でも、早く行かないとまた蹴りに来るかも知れない

痛みの残る体を庇うように廊下に出た


【火焔】

「・・・あれ?」


リビングに顔を出すと意外な事に朝食の準備がされていた

・・・てっきり僕が用意するものだと思って起きて来たのに


【天地】

「来たぞ~!」


そんな僕を見つけた天地さんが報告するように声を上げた


【魔境】

「・・・・・・・・」


その言葉に反応して魔境さんがゆっくりと立ち上がった


そして、ゆっくりと僕に近づいて来る


【火焔】

「・・・・・・・っ」


・・・どっどうしよう

・・・怖いっ!


【魔境】

「・・・・・・・・・」


息苦しくなるほどの威圧感を放ちながら魔境さんが僕の前で足を止め


【魔境】

「・・・・・・ご苦労だったな」


意外な言葉を送られた


【火焔】

「え?」


【天地】

「なーにビビってんだよ~?

 殴られると思ったのか~?」


愉快そうに笑いながら天地さんも近づいてきた


【天地】

「いい感じだったみたいよ~お前の仕事ぶり!

 正直、俺はお前が皆殺しにするかと思ったけど

 被害も最小限に抑えてるし!

 いや~意外だね~!

 さすが俺が仕込んだだけはあるな!」


なんとも誇らしげに言っているが


・・・別に僕は天地さんに仕込まれた記憶はない


【天地】

「1人でよく頑張ったな!」


そう言って僕の頭をグシグシっと力強く撫でた


・・・何故かそんな天地さんの行動に懐かしさを感じた


【火焔】

「・・・あの」


・・・でも、ちゃんと言わないといけない事がある


【火焔】

「・・・僕、1人でやったんじゃないんです」


魔境さんと天地さんに視線を返すように告げた


【天地】

「あ~?んじゃ誰とやったんだ?」


【火焔】

「・・・友達です」


【天地】

「・・・友達って」


僕の言葉を聞いて天地さんの顔から笑顔が消え


【天地】

「バーカ!!」


思いっきり叩かれた


【天地】

「極秘任務って分かるか~?

 今回のはそれなんだよ!

 その辺のやつに

 ペラペラ喋っていい事じゃねーんだよ!」


そう言いながら更に僕に叩こうと手を伸ばして来る


【火焔】

「その辺のやつじゃないです!!」


その天地さんの攻撃を避けながら声を上げた


【火焔】

「僕のあるじなんです!!」


【天地】

「・・・はぁ?」


僕の言葉に天地さんが動きを止めた


【天地】

「・・・お前、契約なんてしてないじゃん?」


不思議そうに僕の耳を確認している


【火焔】

「まだ契約はしてないけど

 ・・・絶対契約するんです!」


宣言するように言葉を返した


【天地】

「へ~・・・

 お前なんかと契約するやついるのかね~?」


そんな僕をからかうように笑っている


・・・大丈夫・・・竜輝は約束してくれたし

・・・絶対大丈夫


【魔境】

「・・・どんなやつだ?」


突然、魔境さんが言葉を発した


【魔境】

「・・・お前の目に見えるそいつは

 ・・・どんな人間なんだ?」


静かに尋ねる魔境さんの目は真っ直ぐに僕を見ていた


【火焔】

「・・・凄く魔力が高くて

 ・・・頭が良くて・・・優しくて」


そんな魔境さんに少し戸惑いながら言葉を返し


【火焔】

「・・・何より

 本当に強さを持ってる人間だと思います」


真っ直ぐに魔境さんに視線を向け、告げた


【火焔】

「・・・力じゃない強さ

 ・・・本当に大切にしなきゃいけない強さを

 持ってると僕は感じました」


・・・それはきっと僕がなりたい自分


・・・僕が目指すべき、僕


【火焔】

「・・・だから僕は

 その子を守りたいと思いました!」


【天地】

「ふ~ん?

 ちょっと過剰評価しすぎなんじゃねーの?」


真剣に言葉を告げた僕をからかうように笑った


【火焔】

「・・・そんな事ないです」


そんな天地さんに真っ直ぐに言葉を返した


【火焔】

「・・・あの子は魔境さんにも負けないくらい

 最高の主になると確信してます」


そう自信を持って断言できる


【魔境】

「・・・そうか」


そんな僕の言葉に魔境さんは静かに言葉を返し


【魔境】

「・・・なら、そいつにも伝えてくれ

 ・・・よくやったと」


そう告げ、魔境さんは魔法陣の部屋へ続くドアへと歩き出した

そんな魔境さんの声は少し笑っているようにも感じた


【天地】

「・・・最高の主ね~」


そんな魔境さんの背中を見ながら天地さんがつぶやき


【天地】

「なら、お前は

 最高の技能者になんなきゃな~?」


そう言ってグシグシっと僕の頭を撫でた


【天地】

「後で迎えに来るから~準備して待ってろ」


そして、魔境さんの後を追うように天地さんも歩き出した


【火焔】

「何処に行くんですか?」


【天地】

「仕事だよ~」


【火焔】

「え?・・・僕もですか?」


【天地】

「俺の名を汚してもらっちゃ困るからね~」


そう言って少し振り返り


【天地】

「俺に恥をかかせない

 最高の弟子になってもらうからな~

 覚悟しとけよ?」


笑顔で宣言された


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