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56/58

火◾️僕の主


◾️◾️火焔視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



真っ暗な森の中を竜輝と並んで歩いて行く


その先には少し寂しげに見える教会が見えた


教会の前には崖の方向へ目を向けた人たち


【女の人】

「・・・あ」


僕たちの姿を見つけた女の人が小さく言葉を発した


【女の人】

「・・・さっきの爆発は君たちなの?」


傷の残る僕らの姿を少し戸惑ったように見ている


【火焔】

「・・・・・・・・・」


そんな女の人の言葉には返さず

人々の中に紛れるように立つ男の人へと向かった


【男の人】

「・・・・・・・・・・」


男の人は不愉快そうに僕らを睨んでいた


【火焔】

「・・・・・・・・・・・」


そんな男の人の前に抱えていた箱を静かに置いた


【男の人】

「・・・・・・・・」


男の人は少し戸惑ったように箱の前に膝をつき

震える手で血で染まった紐をほどき

ふたを開けた


【男の人】

「・・・・・・・・」


箱の中で眠る女の子の姿を見て

男の人は悲痛な表情で顔をふせ

静かに涙を流した


そして、ゆっくりと顔を上げて


【男の人】

「・・・・・・・おかえり」


涙に濡れた笑顔を女の子に向けた


【竜輝】

「・・・・・・・・」


そんな男の人にゆっくりと頭を下げ竜輝は森に向かって歩き始めた


【火焔】

「・・・・・・・・」


僕も同じように頭を下げ竜輝の後に続いた


「・・・・・・・・ありがとう」


そんな僕らの背中に誰かの言葉が聞こえた


その言葉に自分でも驚く程


【火焔】

「っ・・・・・・・」


涙が溢れた

僕は誰にも涙が見られないように走って森の中に入った


【竜輝】

「・・・火焔?」


誰の姿もない森の中で足を止めた僕に竜輝が声をかけてきた


【竜輝】

「・・・どうして泣いてるの?」


【火焔】

「・・・分かんないっ」


・・・あの子を助けてあげられなかった悔しさなのか

・・・お礼を言われた嬉しさなのか

・・・家族を失った人に向けた同情なのか


【火焔】

「・・・分かんないけど

 ・・・涙が止まらないんだっ」


・・・この涙の意味は自分でもよく分からなかった

・・・でも、1つだけ分かる事がある


【火焔】

「竜輝!僕と契約してください!!」


竜輝に向かって大きな声を上げ叫んだ


【竜輝】

「っ・・・なに?・・・どうしたの?」


そんな僕を少し怯えた様子で見ている


【火焔】

「僕!竜輝と契約したいんだよ!

 もう竜輝意外考えられないんだ!!」


そんな竜輝に更に声を上げ気持ちを伝えた


【竜輝】

「・・・・・・・・」


そんな僕に更に怯えた様子で後ずさっている


【火焔】

「僕は竜輝と一緒にいたいんだよ!

 僕には竜輝が必要なんだ!!」


【竜輝】

「・・・でも・・・僕は火焔より先に」


【火焔】

「死なない!死なせない!

 僕が竜輝を守るから!」


竜輝の言葉を塞ぐように声を上げた


【火焔】

「僕、わかったんだ!

 大事なのは強い人と契約する事じゃない!

 自分が

 守りたいって思える人かって事なんだよ!!」


拳を上げて力強く言葉を告げ


【火焔】

「僕の未来に竜輝は必要なんだ!

 竜輝の側にいたら僕は目指した僕になれる!

 絶対に!!」


笑顔で断言した


【火焔】

「だから、僕と契約して!僕のあるじになって!

 僕を竜輝の技能者にして!!」


そしてガバッと竜輝に向かって頭を下げた


【竜輝】

「・・・・・・もう少し待ってほしい」


でも、あっけなく僕は振られてしまった


【火焔】

「・・・どうして?」


そんな竜輝に少し落ち込みながら返した


【竜輝】

「・・・僕はまだ弱いし

 ・・・あの子にはまだ誰もいないから」


視線を下げ、小さく返してきた

・・・誰の事なのか考えなくても分かった気がした


【火焔】

「・・・それって

 ・・・いつになったら返事がもらえるの?」


【竜輝】

「・・・分からない」


・・・なんとなくじれったい

・・・僕はいつまで片思いを続けなきゃいけないのだろうか?


【竜輝】

「・・・でも

 ・・・待てなかったら他の人と契約していい」


【火焔】

「いや!僕は絶対に竜輝と契約する!」


申し訳なさそうな竜輝の言葉を跳ね除けるように返した


【火焔】

「いつまででも待つよ!返事をくれるまで!

 それまで

 竜輝に負けないくらい強くなるから!」


断言するように声を上げた


【竜輝】

「・・・なら、僕も

 ・・・火焔に負けないくらい強くなる」


そんな僕に竜輝は自信を感じる言葉で返してくれた



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