赤◾️あの子の魔力
◾️◾️竜輝視点◾️◾️
真っ黒に染まった視界の中
誰かのすすり泣く声だけが聞こえた
ゆっくり目を開けると
かすれた視界の中に子供頃のあの子の姿が見えた
【竜輝】
「・・・・・・たか?」
「りゅきっ!?」
僕の声に返すように聞こえたのは火焔の声だった
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
視界が色をつけるとそこには
涙を流す火焔の姿が見えた
【火焔】
「竜輝!大丈夫!?」
【竜輝】
「・・・・・・鷹は?」
はっきりしない意識の中、鷹の姿を探した
【火焔】
「・・・えっと・・・もう、行っちゃたんだ」
少し戸惑ったように答えた
【火焔】
「・・・大丈夫?」
そして、心配そうに尋ねてくる
【竜輝】
「・・・・・・大丈夫」
火焔に言葉を返しながら起き上がった
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
痛みの残る体に手を当てた
・・・その手に微かに感じる光の魔力
・・・間違いなく
・・・あの子の魔力
・・・また、あの子に助けられた
【火焔】
「・・・ごめんね」
視線を下げて小さくつぶやいた
【竜輝】
「・・・気にしなくていい
・・・火焔は悪くない
・・・あの程度で動けなくなった僕が悪い」
【火焔】
「・・・違う・・・竜輝が動けなかったのは
女の子を庇う為でしょ?」
そう言う火焔の後ろには血で汚れた箱が置いてあった
【火焔】
「・・・ごめんね・・・僕
竜輝の事もこの子の事も考えてなかった」
本当に辛そうに視線を下げる火焔に
僕はなんて言葉を返したら良いのか分からなかった
【竜輝】
「・・・・・・ありがとう」
だから、僕は思った事を火焔に告げた
【火焔】
「・・・なんで・・・ありがとうなの?」
少し戸惑ったような火焔に
【竜輝】
「・・・火焔は僕らを守る為に戦ってくれたから
・・・だから・・・ありがとう」
自分の思ったままの気持ちを伝えた
【火焔】
「・・・・・・・・っ」
その言葉に火焔は辛そうに顔を歪め
【火焔】
「・・・ありがと」
暖かな腕で力強く僕を抱きしめてきた
【火焔】
「・・・生きててくれて・・・ありがとう」
震える声で僕を抱きしめる火焔は泣いているのだと分かった
【竜輝】
「・・・・・・どういたしまして」
小さく言葉を返した僕を火焔は更に強く抱きしめてくる
そんな火焔の腕の中はとても暖かった
・・・でも
【竜輝】
「・・・・・・火焔・・・痛い」
キツく抱きしめてくる火焔の腕が僕の傷口を攻撃していた
【火焔】
「あっ!ごめん!!」
そんな僕の言葉に慌てたように火焔が離れた
【火焔】
「・・・大丈夫?」
【竜輝】
「・・・平気」
心配そうに声をかけてくる火焔に立ち上がりながら返し
【竜輝】
「・・・行こう
・・・僕らの任務はまだ終わってない」
火焔に言葉を向けた
そんな僕の言葉に火焔は少し驚いた様な表情を見せたが
【火焔】
「・・・了解!」
はしゃいだような声を上げ
火焔らしい笑顔で答えてくれた




