赤◾️地下室
◾️◾️竜輝視点◾️◾️
森を走り抜けると
初めて見る街についた
【火焔】
「ほら~!着いたでしょ?」
火焔は胸を張って自信を見せてる
【竜輝】
「・・・・・・・・・・」
でも、僕はまだ不安だった
この街が地図に示されている街なのか確証はないし
仮に目的の街だとしても
その後も問題だ
地図に描かれた街であろう四角の中には
目印等は描かれて無く
曲がりくねった矢印が描かれているだけだから
・・・こんな地図では何処をどう曲がるのかも分からない
【火焔】
「目標の家はこっちみたいだよ~」
地図を見ながら火焔が歩き出した
・・・矢印だけを頼りにどうやって目標の家を見つける気なのだろう?
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
不安を感じながらも火焔の後を歩き出した
・
・
・
【火焔】
「次はこっちかな~?」
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
・
・
・
【火焔】
「ここを曲がるみたいだよ~」
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
・
・
・
【火焔】
「こっちこっち!」
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
・
・
・
【火焔】
「ほら!着いた!」
【竜輝】
「・・・ありえない」
思わず声がもれた
声を上げて指さした火焔の先には大きな屋敷が見えた
・・・ここが本当に目標の家なのかは分からないけど
・・・富豪が住んでいるであろう屋敷ではある
【竜輝】
「・・・なんで、分かったの?」
【火焔】
「なんでって~この矢印を自分が歩いてるって
思ってゆっくり進んで曲がるところで
曲がったら着くじゃん!」
・・・なにを言ってるのだろうか?
歩くスピードも歩幅も人それぞれだし
どのタイミングで曲がるかなんて分かるはずがない
・・・まさか、天地さんが計算して矢印を書いたのだろうか?
・・・でも、別に歩数、秒数が書かれている訳じゃない
【竜輝】
「・・・・・・・・」
・・・いくら考えても僕には理解できそうに無かった
・・・きっと技能者と言う種族にしか分からない何かがあるんだろうと思う事にした
【火焔】
「でも・・・ここからどうしようか?」
遠目に屋敷を見ながら小さくつぶやいた
・・・ここから見た感じでも見張りの人間が何人か立っている
おそらく、裏庭にもいるだろう
でも、正面から入るよりは裏の方が姿を隠せるはず
【竜輝】
「・・・とにかく裏を見てみよう」
そう言って裏に回るため2人で歩き始めた
・
・
・
姿を隠しながら裏庭を覗き見る
【竜輝】
「・・・見張りをなんとかしないと近づけない」
裏庭には1人見張りがいた
見回るように中庭を歩いている
【火焔】
「やっつけちゃおうか?
僕と竜輝なら余裕だと思うな!」
【竜輝】
「・・・それはちょっと危険だと思う」
・・・倒せない事はないが
・・・姿を見られる訳にはいかない
【火焔】
「・・・じゃどっかの部屋を爆発させようか?」
ニコッと笑って新たな提案してきた
【火焔】
「・・・どうして?」
【火焔】
「そうしたら、みんな混乱して
見張りがバラバラになるかも!」
・・・悪くはないかも知れないけど
・・・爆発した部屋に女の子がいるかも知れない
【竜輝】
「・・・今回はできるだけ静かに行動したいから
・・・爆発させるのはやめた方がいい」
【火焔】
「じゃあ・・・どうする?」
度々否定されたからか少し不満そうだ
【竜輝】
「・・・確実に姿を見られず
騒がれないように相手を倒すしかない」
【火焔】
「背後から首を締め上げるとか?」
【竜輝】
「・・・でも、
相手の命が危険になる事もしたくない」
【火焔】
「・・・・・・・・・」
そんな、僕の言葉に少し驚いたように僕を見ている
【竜輝】
「・・・なに?」
【火焔】
「・・・だって
・・・こんな時に
・・・敵の生死なんてどうでもよくない?
下手したら僕らが殺されるかもしれないし」
そう言う火焔は少し不満そうだ
【竜輝】
「・・・この見張りの人たちが
誘拐を知ってるか定かじゃない
・・・そもそも、
本当に女の子がここにいるかも分からない
それなのにあの人たちを殺すなんてできない」
【火焔】
「・・・・・・甘いよ」
はっきりと言葉を返した僕に小さく返した来た
【火焔】
「・・・相手が攻撃体制に入る前に仕留めるのが
一番確実でしょ?
・・・そんなんじゃ・・・殺されちゃうよ?」
そう言う火焔は少し笑っているように見えた
【竜輝】
「・・・相手が僕らを殺そうとしてるなら、
それでいいかも知れない
でも、今回は敵かどうかもまだ分からない
・・・敵だと確証が持てるまで
・・・僕は彼らを傷つけたくない」
そんな火焔にはっきりと言葉を返した
【火焔】
「・・・でもさ」
【竜輝】
「・・・納得できないのなら着いて来ないで
・・・僕は火焔にもそんな事してほしくない」
火焔の言葉を塞ぎ、自分の意思を告げた
【火焔】
「・・・・・・・・・」
そんな僕の言葉に火焔は少し戸惑ったように黙りこみ
【火焔】
「・・・そうだよね
・・・一方的に攻撃なんてダメだよね
・・・ごめんね
・・・ちょっと焦りすぎたみたい」
落ちんだように言葉を返してきた
【竜輝】
「・・・ごめん・・・意見を押し付けて」
そんな火焔に少し申し訳なく思って謝った
【火焔】
「そんな事ない!僕が悪いんだよ!
竜輝は間違ってない!」
慌てたように手を振り否定して
【火焔】
「勝手に攻撃したりしないから!
できるだけ人を傷つけないように頑張ろ!」
そう言ってニコッと笑ってくれた
【竜輝】
「・・・・・・ありがとう」
そんな火焔になんと返したらいいのか分からず
ただお礼を言った
【火焔】
「でも~・・・
相手に危害を加えずどうやって中に入る?」
【竜輝】
「・・・・・全く危害を加えないのは無理かも」
【火焔】
「・・・ん~?」
僕の言葉に少し不満そうに悩んでいる
【竜輝】
「・・・怪我はさせない
・・・でも、眠ってもらう・・・待ってて」
火焔にそう伝え、見張りの視界に入らないように中庭に入り
【見張り】
「っ!?」
背後から見張りの目と口を手で塞ぎ一気に魔力を込めた
見張りの男は一瞬だけ抵抗したが
【見張り】
「・・・・・・・・・」
すぐに体から力が抜け倒れ込んだ
眠ってしまった見張りの体を引きずるように運び茂みの中に隠した
【火焔】
「・・・凄いね」
そんな僕に近づいてきた火焔が小声で話しかけてきた
【火焔】
「今のって闇魔法?効果は睡眠とか?」
【竜輝】
「・・・そう
・・・だから、しばらくしたら起きる」
眠らせたのは良いが
どの程度の時間眠っているかは個人差がある
【竜輝】
「・・・できるだけ急ごう
・・・起きるかも知れないし
・・・他の見張りに見つかるかも」
そう言いながら屋敷に向かって歩き出した
・・・ここから屋敷の中に入る方法は
・・・窓からしかない
少し高い位置にある窓から部屋の中を覗くが
電気は付いて無く人の気配は感じられない
窓に手を伸ばし開けようとするが当然のように鍵がかかっていた
【火焔】
「行くよ!」
声をあげ火焔が拳を握り窓に向かって振りかぶった
【竜輝】
「待って!」
腕を掴み、その行動を慌てて止める
【竜輝】
「・・・全体を割ったら音が響く
鍵の部分だけ壊して鍵を開けよう」
最小の言葉で火焔に伝えた
・・・行動力がありすぎるのも問題かも知れない
【火焔】
「了解!」
ニコッと笑い鍵に近い硝子に炎を纏った手を付けた
すると、みるみるうちに硝子が溶け出し
そこから火焔が手を入れ鍵を開けた
【竜輝】
「・・・凄い」
適切で無駄のない動きに少し驚いた
【火焔】
「昔よくやって・・・」
笑顔で話し始めたと思ったらすぐに言葉を止め
【火焔】
「あ~・・・早く行こう!」
かき消すように小さな声を上げ中に入って行った
僕もそれに続き部屋の中に入った
【竜輝】
「・・・・・・・」
・・・入ったのはいいけど
・・・急がないとすぐに見つかってしまう
・・・ここに女の子がいるとして、その場所を探す方法がない
【竜輝】
「・・・・・・・」
・・・少し後悔した
さっきの見張りをすぐ眠らせずに話を聞けば良かった
・・・やっぱり、しっかりと考えて行動しないとダメだ
【火焔】
「・・・どうする?」
【竜輝】
「・・・闇雲に動き回るのは危ない
・・・できたら、誰かに話を聞きたい」
小声で尋ねてきた火焔に小声で返した
【火焔】
「・・・・・・分かった」
僕の言葉を受け取り火焔が部屋の外に繋がるであろうドアノブに手をかけた
【竜輝】
「・・・待って」
【火焔】
「・・・大丈夫
足音聞こえないから誰もいないよ」
止めた僕に笑顔で返してきたが
・・・廊下の足音が聞こえると言うのだろうか?
少し疑問は感じるけど・・・ここで考えても仕方ない
とにかく行動しなくては始まらない
【火焔】
「・・・・・・・」
ドアを開け廊下に出た火焔に続いて僕も廊下に出た
【竜輝】
「・・・・・・・」
廊下には火焔の言う通り誰の姿もない
【火焔】
「・・・使用人の部屋と言えば
・・・やっぱ地下だよね」
そう言いながら火焔が歩き始めた
・・・僕にはよく分からないが・・・そうなのだろうか?
【竜輝】
「・・・・・・・」
少し疑問を感じつつも火焔に続いた
【火焔】
「・・・・・・・」
が、すぐに火焔が足を止めた
【火焔】
「・・・誰か来る」
曲がり角の先を目線で示し小声で告げてきた
・・・今すぐに姿を隠せる場所は
【竜輝】
「・・・天井だ」
僕の言葉を予想していたかのように火焔は僕と同時に天井に登った
高い壁に作られた高級感溢れる装飾のお陰で、指が入る隙間があり足を掛ける事も出来た
・・・これだけ高ければ曲がってすぐの場所で息を潜めれば気づかれにくいはず
「・・・・・・・・」
曲がり角から姿を現した使用人らしき女の人は僕たちに気づく事なく僕らの下を通り過ぎて行く
魔力を探ってみるが、この人からは全く魔力を感じない
【火焔】
「・・・・・・・・」
隣にいる火焔の視線を感じ目を向けると
火焔は何かを伝えるように僕を見ていて
それに答えるように小さくうなづいた
【火焔】
「・・・・・・・」
その瞬間、火焔が廊下へと降り立ち背後から使用人の目と口を塞いだ
【竜輝】
「・・・・・・・」
それに合わせるように僕も廊下に降り
最初に入ってきた部屋のドアを開けた
そして、火焔が暴れる女の人を引きずるように僕が開けたドアから部屋に入って行き僕も部屋に入ってドアを閉めた
【火焔】
「・・・動かないで
あんまり抵抗すると首を折っちゃうよ?」
脅すように火焔が女の人に声をかけた
【女の人】
「っ・・・・・・・・」
すると、少し震えながらも女の人の抵抗が小さくなった
【竜輝】
「・・・少し貴女に話が聞きたいんです
・・・答えてくれたら危害は加えません」
そんな女の人に僕も言葉をかけた
【火焔】
「・・・口は離すけど
大声あげたらすぐに殺すからね?いい?」
【竜輝】
「・・・理解できたらうなづいてください」
火焔と2人で告げると女の人は小さくうなづいた
それを確認し火焔が口を塞いでいた手を離した
【女の人】
「・・・・・・・な、なに・・・?
子供なの・・・?」
怯えきった女の人は小さな声で尋ねてきた
【火焔】
「・・・大丈夫ですよ、
そんな怖がらないでください」
そんな女の人に火焔が優しく声をかけた
【竜輝】
「・・・ここ最近、この屋敷に
女の子が連れて来られませんでしたか?」
火焔に続き、早速質問を向けた
【女の人】
「・・・女の子?
・・・分からない・・・知りません」
震える声で女の人は答えた
【火焔】
「・・・嘘はダメですよ
・・・絶対にここにいるはずなんです」
女の人の目を覆った火焔の手に力が入って行くのが分かった
【女の人】
「っほんと・・・
ほんとに女の子なんて知らないっ」
そんな火焔に怯えたように返した
【火焔】
「・・・火族
火の技能者がここに来たりしてなかった?」
【女の人】
「・・・技能者?・・・見たことないです」
苛立ったように尋ねた火焔の言葉に震えながらもハッキリと返してきた
・・・嘘をついてるようには感じない
・・・でも、本当だとしたら
・・・やはりここじゃなかったと言う事か?
【火焔】
「・・・どうする?」
少し焦ったように尋ねてきた
【竜輝】
「・・・・・・この屋敷で貴女の知らない
入ってはいけない部屋はありませんか?」
質問を変えて尋ねた
・・・もし、この場所が正解で、この人が嘘をついていないと仮定したら
当事者のみが使う事の許された部屋があるはず
【女の人】
「・・・部屋・・?・・・部屋はないです」
【竜輝】
「・・・は、って事は
部屋以外ならあると言うことですか?」
僕の言葉に少し戸惑いながら答えた女の人の更に追求した
【女の人】
「・・・地下に
・・・地下になにかあるって聞いた事がっ」
【火焔】
「なにがあるの?」
おどおどと話す女の人を急かすように言葉を向けている
【女の人】
「わ、わかりません
・・・私は本当に知らないっ」
返事を返す怯えた声が少し大きくなり始めた
・・・あまり長く聞き出すのは危険かも知れない
・・・パニックになって大声を出されたりしたら困る
【竜輝】
「地下についてどんな話を聞いたか教えて」
早く切り上げる為、早々に質問をした
【女の人】
「・・・当主様が地下に降りられたはずなのに
・・・地下を探してもお姿がないとか」
【火焔】
「・・・当主は本当に地下にいたの?」
【女の人】
「・・しばらくして地下から戻られたらしいです
・・・でも、私は話を聞いただけでっ」
【竜輝】
「地下の場所は?」
【女の人】
「・・・後ろの角部屋の中に階段があります」
【竜輝】
「・・・ありがとう」
声が大きくなってきた女の人の口を手で塞いだ
そして、魔力を込めると女の人の体から力が抜け眠りについた
【火焔】
「・・・どう思う?」
女の人の目から手を放し訪ねてきた
【竜輝】
「・・・なんとも言えない
・・・けど、疑わしいのは間違いない」
ハッキリとした事は分からないけど
・・・行ってみる価値はある
【火焔】
「んじゃ・・・行こうか」
火焔はドアに耳を付け音を確認し、ドアを開け廊下に出た
それに続き僕も廊下に出る
【火焔】
「・・・後ろの角部屋って
・・・こっちかな?」
少し首をかしげながら火焔が廊下を進み始めた
・・・女の人を捕まえた時の後ろと言う意味だろうから合ってる・・・多分
火焔の後に続き僕も足早に移動し始めた
曲がり角では音を確認し、素早く移動していく
そして、誰にも合う事もなく角の部屋についた
【火焔】
「・・・・・・・・・」
火焔がドアに耳をあて確認している
【火焔】
「・・・大丈夫そう」
そしてニコッと笑い部屋のドアを開けた
【火焔】
「やったね!」
ドアを開けた瞬間、小さく喜びの声をあげた
僕も中を確認すると中には地下に続いているであろう階段が見えた
【火焔】
「なんの音も聞こえないから
誰もいないと思うよ」
そう言って中に入って行く火焔に続いた
・・・もしかしたら火焔は犬並みに聴力があるのかも知れない
しっかりと音を確認し自信有りげに進む火焔を見ているとそう思った
階段を地下へと降りると少し温度が下がったように感じた
【火焔】
「・・・足音は聞こえないよ」
そういいながら歩き始めた火焔に続いた
地下には4つのドアがあった
そして、一番近いドアに耳を当てている
【火焔】
「・・・・・・」
無言で部屋を開けた火焔と覗く様に中を見る
そこには狭い部屋にダンボールが山積みにされていた
・・・どうも、ただの倉庫みたいだ
一応隠された部屋がないか壁を調べてみるが特になにも無かった
それを確認し部屋のドアを閉めた
【火焔】
「・・・・・・・」
また別の部屋のドアの音を確認し火焔がドアを開ける
中をのぞき見るが、さっきと同じような狭い部屋には沢山の掃除道具が整頓されていた
そんな事を繰り返し4部屋全て調べたが全部屋は見るからに倉庫だった
【火焔】
「・・・別になにもないね?」
【竜輝】
「・・・うん」
落ち込んだようにつぶやく火焔に静かにうなづいた
・・・各部屋は倉庫として使われているようで
狭いし特に隠されたような特別な様子は無かった
・・・でも
【竜輝】
「・・・この地下は少し狭過ぎる気もする」
壁に手をあて、ゆっくりと廊下を進んで行く
上の屋敷はそれなりの広さがあるのにこの地下はほとんど広さがない
・・・それに、女の人の言葉
・・・いるはずの当主の姿が無いと言う事は
【竜輝】
「・・・何処かに
隠し部屋がある可能性は高いと思う」
・・・でも、何処にあるのだろうか?
部屋や廊下の壁は押しても叩いても特に変わった所はない
【火焔】
「・・・隠し部屋か~」
そう言いながら火焔も壁に手を付け歩き始めた
【火焔】
「・・・でもさ~・・・あーゆー扉だったら
絶対見つけられなくない?」
【竜輝】
「・・・どういうの?」
少し落ち込んだ様子の火焔に尋ねた
【火焔】
「ほら、家にあるみたいな~
天地さんたちが開ける
魔力を込めないと開かないやつ」
・・・なるほど
・・・確かにあの扉だと押しても叩いても扉かどうか判断できない
【火焔】
「家にあるやつは扉の形してるからわかるけど
ただの壁みたいになってたら
絶対分かんないよね」
【竜輝】
「・・・でも、魔力を込めて行けば分かる」
火焔の言葉を聞き
魔力を込めながら壁に手をあて足早に歩いていく
【火焔】
「え?そうなの?」
【竜輝】
「・・・うん、魔力が反応する」
そう答えた時、足を止めた
【竜輝】
「・・・ここ・・・そうかも知れない」
手を当てている壁から流れるような微かな魔力を感じる
【火焔】
「・・・そう言われてみれば・・・?」
僕の近くで壁に手を当てて首をかしげた
【火焔】
「でも、どうやって開ける?」
【竜輝】
「・・・魔力を送れば開く」
火焔に言葉を返し壁に手を向け魔力を込めた
響くような音と共に亀裂も無かった壁が二つに別れ、左右にずれるように開き始めた
【火焔】
「っ竜輝、開けれるの!?」
少し驚いたように小声で声をあげた
【火焔】
「・・・凄いな
・・・やっぱ竜輝は僕より強いんだね」
そう言う火焔は少し落ち込んでいるように見えた
【竜輝】
「・・・これを開けるのに強い魔力は必要ない
・・・魔力を送るコツが必要なだけ
・・・練習したら火焔もすぐできる」
フォローするように言葉を返した
【火焔】
「帰ったらやり方教えてね、
天地さん全然教えてくれないから」
【竜輝】
「・・・分かった」
小さく笑いながら小声で告げて来る火焔に小さく返事を返し
2人で奥へと続く通路を歩き始めた
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
しばらく真っ直ぐに通路を進むと薄暗い部屋についた
・・・この部屋入ると更に温度が下がったように感じた
【火焔】
「・・・・・・・・・」
突然、火焔が僕の腕を掴んだ
そして、周囲を見渡しながら僕に近づき
【火焔】
「・・・・・・誰かいるよ」
耳元で小さく告げてきた




