赤◾️罪名
◾️◾️竜輝視点◾️◾️
【竜輝】
「・・・どうした?」
座っていた火焔が突然立ち上がった
【火焔】
「っ謝らなきゃ!」
そう言って飛び出すように走り出した
【竜輝】
「待って!」
その後を慌てて追いかけ声を上げた
けど、火焔は止まる気配がない
・・・でも
【竜輝】
「っ火焔!そっちじゃない!」
走りながら声をかけた
・・・謝ると言うのは、その妹が誘拐された男の人にだろうけど
・・・でも、火焔は何処か別の方向へと行こうとしていた
【火焔】
「じゃ、どっち!?」
僕の言葉に焦ったように声をあげた
【竜輝】
「・・・こっち」
その気迫に押されつつ住人が避難している教会に向かった
しばらく僕が先頭になり森を進んでいたが
【火焔】
「っ!!」
突然、火焔が一気にスピードをあげた
それに合わせて一気に森を抜けると
そこには教会とその前に立つ人の姿
【火焔】
「すみませんでしたっ!!」
火焔は飛び出した勢いのままに地面に頭を付け、男の人に謝罪の言葉を叫んだ
【男の人】
「・・・・・・・・・・」
でも、男の人は不愉快そうな顔で火焔を睨んでいた
【火焔】
「なにも知らないのに!!
酷い事言って本当にすみません!!」
土下座をした頭を地面に擦り付けるように更に声をあげた
【男の人】
「・・・・・・・・・・」
そんな火焔を見下すように視線をそらし男の人は歩き始めた
【火焔】
「待ってっ!」
【男の人】
「・・・許して欲しいならさ
・・・連れてきてよ」
慌てて声をあげた火焔の言葉を塞ぐように男の人が言葉を発した
【男の人】
「・・・悪いと思うならさ
・・・俺の妹をここに連れて帰ってきてよ?」
視線を向ける事なく告げる男の人
その声は少し笑っているのに震えていた
【男の人】
「・・・それができないのなら
・・・俺はお前を許さない
・・・火族を全員許さない」
そう言って視線を向けることなく教会へと入って行った
【火焔】
「っ・・・・・・」
火焔は辛そうに顔を伏せ
【火焔】
「あの!!」
ガバッと立ち上がり周囲にいる人に目を向け声をあげた
【火焔】
「あの人の妹が何処に連れて行かれたか
分かりませんか!?」
叫ぶように必死に尋ねているが誰もその問いに答えない
【火焔】
「なんでもいいんです!
分かる事があったら教えてくださいっ!!」
その火焔の表情は怯えたようにも泣き出しそうにも見えた
【女の人】
「・・・場所が分かるなら助けに行ってるわよ」
そんな中、女の人が不愉快そうに答えた
【火焔】
「っ・・・・・・・」
その言葉に火焔は更に辛そうに顔を伏せた
【火焔】
「竜輝!!」
が、突然詰め寄るように僕に声をあげた
【火焔】
「ねぇ!なにか方法ないかな!?
あの人の妹が何処にいるか分かる方法!」
必死にすがりつくように僕に尋ねてくる
【火焔】
「なんとかしたいんだっ!!
僕にできる事があるなら!!
なにかしたんだよっ!!」
今にも泣き出しそうな声で僕にすがりついた
【竜輝】
「・・・・・・天地さんなら
・・・なにか知ってるかも」
そんな火焔に押されるように答えた
実際、天地さんはこの辺の調査をしているはず
僕らが闇雲に探すより天地さんに尋ねるのが一番可能性が高いと思った
【火焔】
「っ行こう!!」
そんな僕の言葉を聞いて火焔は飛び出すように森の中へと走り出した
その後を僕も追いかけた
・・・でも
・・・正直、その妹が生きている可能性は
【竜輝】
「・・・・・・」
・・・その死を確認する事すらできないかもしれない
・
・
・
森を駆け抜けヴィザールが見える頃には
日が完全に落ち暗闇に包まれていた
【火焔】
「っ天地さん!!」
街に天地さんの姿を見つけた途端火焔が声をあげた
【天地】
「っな、なんだよ?どうした?」
そんな火焔に押され気味に言葉を返している
【火焔】
「妹の事っ!!あの人の妹の事!!
なにか知ってるなら教えてくださいっ!!」
響くような大声を上げ天地さんに尋ねている
【天地】
「んなでかい声出さなくても聞こえるつーの」
そんな火焔に呆れたようにため息をつき
【天地】
「・・・ちょっとこっちに来い」
そう言って歩き始めた
【火焔】
「っなんで
【竜輝】
「火焔・・・落ち着いて」
声を上げ、それに反論しようとしている火焔に落ち着くよう声をかけた
【竜輝】
「・・・ここは住人の目があるから
・・・天地さんについて行った方がいい」
周囲を見渡すと火焔の大声のせいで皆がこちらに注目していた
・・・こんな中で話のは色々問題があるだろうと僕でも思った
【火焔】
「・・・・・・・・・」
火焔は少し不服そうだが素直に従い天地さんの後ろを歩き始めた
そんな二人の後について僕も歩き出す
【天地】
「・・・で~?
妹の何について聞きたいんだ?」
中庭に入ったところで天地さんが話を始めた
【火焔】
「・・・今、何処にいるのか
・・・知ってる事全部教えてください」
そんな天地さんに真剣表情で尋ねている
【天地】
「・・・お前、昨日の地域に行ったんだよな?」
真剣な表情で尋ねる天地さんに火焔は黙って頷いた
【天地】
「・・・なら~火焔くんに問題をだそう!
ちゃんと答えないとお仕置きだぞ~!」
が、いきなり天地さんは笑いながら話を始めた
【天地】
「今日、火焔くんはなにを見たかな~?」
【火焔】
「・・・何って・・・なにがですか?」
天地さんの問いに少し首をかしげながら答えている
【天地】
「その地域に沢山人がいなかったかな~?」
そんな火焔に質問を変え、笑顔で尋ねている
・・・何となく、天地さんが言いたいことが分かった
【火焔】
「・・・・・・・・・」
が、火焔は少し困ったように僕に目を向けていた
【竜輝】
「・・・いたでしょ?・・・軍人が沢山」
そんな火焔に小声で返した
・・・僕の声は天地さんに届かないから小声じゃなくてもいいんだけど
【火焔】
「・・・軍人が沢山いました」
僕の言葉を聞いて火焔はそのまま天地さんに答えた
【天地】
「ピンポーン!
その軍は何処の軍か分かったかな~?」
【火焔】
「ルルーカです!」
更に質問をする天地さんにはっきりと答えている
【天地】
「ピンポーン!じゃ〜ルルーカと
敵対している都市は何処かな~?」
【火焔】
「えっと・・・ヴィザール?」
更なる天地さんの問いに少し自信なさげに答えている
【天地】
「じゃ~君は
何処の国に世話になってるのかな~?」
【火焔】
「ヴィザールです!」
【天地】
「じゃ~君が今からしようとしている事が
どういう事になるのか
もちろん分かってるよね~?」
【火焔】
「えっと・・・・」
再び火焔が僕に目を向けた
【竜輝】
「・・・ヴィザールがルルーカの縄張りを荒らすことになる」
【火焔】
「ヴィザールがルルーカの縄張りを荒らす事になります!」
僕の言葉を聞いてハッキリと火焔が声をあげた
【天地】
「分かってんなら余計な事すんじゃねーよ!」
が、そんな火焔を怒鳴りつけ叩いた
・・・ルルーカがあの地域を現状支配しているのなら
・・・処罰や対処もルルーカが行っているのだろう
・・・そんな中にヴィザールの人間がのこのこ入って騒ぎ立てたりしたらルルーカ軍が黙ってない
・・・下手したら妨害やスパイ扱いされるかもしれない
【火焔】
「でも!僕なんとかしてあげたいんです!!」
ガバッと立ち上がり天地さんに声をあげた
【天地】
「お前にできる事ならルルーカの奴らが
問題なくやってくれるって
お前がやる必要なんてないんだよ~」
【火焔】
「でも!僕もなにかしたんです!!」
【天地】
「だったら
草むしりでもやって来たらいいじゃん」
必死に声を上げる火焔に笑いながら言葉を返している
【火焔】
「でも
【天地】
「この件はルルーカが権利を持ってるんだよ
それなのにこっちの奴がちょろちょろしたら
向こうだっていい気はしないだろ?」
更に声をあげようとした火焔の言葉を塞ぐように声をあげた
【天地】
「下手に向こうを刺激して問題がでかくなったら
どうるんだよ?
お前のせいで戦争になっちゃうかもよ?」
【火焔】
「・・・・・・・・」
天地さんの脅すような言葉に火焔は視線を下げた
【天地】
「ルルーカの奴らだって優秀なんだよ
ちゃんとやる事はやってくれるって」
【火焔】
「・・・でも」
そんな天地さんの言葉にも火焔は納得できてないようだ
【天地】
「・・・なぁー?
お前の中のヒーローってなんだよ?」
【火焔】
「・・・え?」
突然の天地さんの問いに少し戸惑ったように声をあげた
【天地】
「お前が描くヒーローってなんなんだよ?
悪を皆殺しにするのがヒーローなのか?
無謀な戦いの中で勝利を手にするのが
ヒーローなのか?」
【火焔】
「・・・・・・・」
真剣に言葉を向ける天地さんに火焔はなにも答える事ができないようだ
【天地】
「・・・別にどデカイ事しなくてもさ
小さな事でもヒーローにはなれるんじゃね?
そもそも、強い力なんてなくても
ヒーローにはなれるって」
そう言ってニコッと笑った
【天地】
「優しい心で人々を助けてやる
それがヒーローだろ~!
いや~!俺って良い事言うな~!」
火焔の頭をポンポンと軽く叩き街へと歩き出した
・・・要は諦めろと言う事だろう
【火焔】
「僕は強くてかっこいい
ヒーローになりたいんです!」
が、火焔は天地さんの足を止めるように大きな声をあげた
【火焔】
「誰にも負けないくらい強くなって!
その力で苦しんでる人を助けたいんです!
誰かを守れるような力が欲しいんです!」
【天地】
「だから~
人を助ける事は戦いだけじゃないだろ?」
【火焔】
「でも!
力がないと守れないものだってあるんです!」
笑いながら言葉を返す天地さんに更に怒鳴り付けるように声をあげた
【火焔】
「誰かの後ろに立つのは嫌なんです!
僕が前に立って
大切な人たちを守りたいんです!」
必死な言葉を叫ぶ火焔の目から涙が溢れていた
【火焔】
「僕の前で大切な人が死ぬのは嫌だから!
なにもできずに見てるだけなんて嫌だから!
守りたいんです絶対失いたくないものを!
僕を信じてくれる人たちを
僕の力で守りたいんです!」
今の火焔がどんな気持ちでいるのかは分からない
・・・でも、その言葉に込めた想いはとても強く感じた
【天地】
「・・・どっちが本当のお前か分かんねーわ」
そんな火焔に天地さんは小さくつぶやき
【天地】
「とにかく、ルルーカが仕切ってる以上
お前を動かせる訳にはいかない
他にできる事を探せよ~」
そう言って再び街へと歩き始めた
【火焔】
「まってください!」
【竜輝】
「・・・火焔」
すがるように声をあげた火焔に小さく声をかけた
【竜輝】
「・・・今から僕が言う事をそのまま天地さんに伝えて」
【火焔】
「え?」
・・・上手く行くかは分からないけど
・・・一生懸命に声を上げる火焔になにか手助けをしてあげたいと思った
【竜輝】
「・・・どうしてヴィザールは引いたんですか?」
【火焔】
「・・・どうしてヴィザールは引いたんですか・・・?」
火焔は戸惑いながらも僕の言葉を口にした
【天地】
「・・・どういう意味だ?」
そんな火焔の言葉に天地さんが足を止めた
【竜輝】
「・・・何故、ルルーカに譲ったんですか?」
【火焔】
「・・・なんでルルーカに譲ったんですか?」
再び僕の言葉を火焔が天地さんに向けた
【天地】
「・・・譲る?・・・んな訳ねーだろ?
・・・なんで俺たちがルルーカに
譲らなきゃいけないんだよ?
向こうの方が早く動き手を付けた
だから、こっちは引いたんだよ」
【竜輝】
「・・・僕が見たところ
ルルーカ軍は構えたばかりに見えた
・・・出遅れを理由にするのは無理があると
思います」
・・・遺体もまだその場に残されていたから、その可能性は高い
【火焔】
「・・・ルルーカの軍は来たばっかりに
見えたから出遅れってを理由にするのは
無理があると思います?」
【天地】
「・・・なにが言いたいんだ?」
火焔の言葉に天地さんは見るからに不愉快そうな顔をしている
【竜輝】
「・・・天地さんはもっと前から
あの場所が襲われた事を知っていた
・・・いや、ルルーカも知ってたはずだ」
あの女の人が僕と火焔を襲ったのは一昨日
その前にあの女の人はヴィザールとルルーカにリーダーの処分を訴えているはず
【竜輝】
「・・・なのに何故ヴィザールもルルーカも
早急な対応をしてないのですか?
・・・むしろ、ワザと時間をかけて
譲りあったのでは?」
少しカマをかけるような言い方で告げた
【火焔】
「えっと・・・天地さんもルルーカも
もっと前からこの事を知ってたのに
ワザと遅く動いてお互いに
譲り合ったんじゃないですか・・・?」
・・・言葉がだいぶ短くなっているが
・・・大事な部分は伝わってるから大丈夫だろう
【天地】
「・・・へぇ~?
随分舐めた事言ってくれるな~?
なんでそんな考えが浮かんだんだ~?」
少し笑いながら苛立った様子で返してきた
【竜輝】
「・・・関わりたくないから
・・・火の技能者と」
【火焔】
「っ!?」
僕の言葉に火焔が驚いたような顔を見せた
【竜輝】
「・・・初めから敵を打ち取るつもりが無かった
・・・だから、火の技能者と抗争を避ける為に
ワザと時間をかけて逃げる時間を敵に与えた
・・・違いますか?」
【火焔】
「・・・・・・・・」
火焔は僕の言葉に視線を落としなにも言葉を発さない
【竜輝】
「・・・火焔、ちゃんと伝えて
・・・時間がないんだ」
【火焔】
「・・・・・・・・・」
僕の言葉に火焔は少し怯えたように困惑の表情を見せている
【火焔】
「・・・火族と関わりたくないからです」
落ち込んだ様に再び僕の言葉を天地さんに向けた
【火焔】
「・・・火族と争いたくないから
・・・ワザと時間をかけて逃がした
・・・火族を打ち取るつもりが無かった
・・・違いますか?」
視線を下げたまま言葉少なに天地さんに尋ねた
【天地】
「・・・それってお前の考えか?
・・・それとも誰かからの受け売りか?」
そんな火焔を不審がるように尋ねている
【竜輝】
「・・・どっちでもいい」
火焔の好きに答えていい
と言う意味で言葉にしたのだが
【火焔】
「・・・どっちでもいいです」
火焔は僕の言葉をそのまま口にしている
【竜輝】
「・・・いや、今のは違う」
【火焔】
「いや!今の違います!」
僕の言葉を聞いて慌てて僕と同じ言葉を発している
・・・どうしたらいいだろう?
【竜輝】
「・・・受け売りです」
【火焔】
「受け売りです!」
とりあえず、受け売りにすることにした
・・・どうも、天地さんが不審がっている気がしたからだ
【天地】
「・・・だろうね
知力のないはずのお前の言葉とは思えない
・・・これがお前の言葉だったら
・・・殺してるとこだぞ?」
本気であろう言葉とともに火焔を睨みつけた
【火焔】
「ち、ちまいます!僕じゃないでしゅ!!」
そんな天地さんに慌てた様子で言葉をかみながら返している
【天地】
「・・・言っとくけどワザと逃がした訳じゃない
証拠がないから逃げられたんだ
追求する材料も無い、だから追えないんだよ」
不愉快そうに話しをはじめた
【天地】
「・・・んで、こっちが火族を追い詰める事を
優先してたらルルーカが復興の為に
軍を出す話しが進んでた
結局、俺らは火族を追い詰める材料を
揃えられなかったから
先に支援に動いたルルーカに任せたんだよ」
・・・材料を揃えられなかった
【天地】
「・・・ただ
火族と関わりたくないってのはあってる
正直、あいつらはやる事が恐ろしいからな
下手に刺激して街に絡まれたらたまんねぇわ」
そう言って不愉快そうに顔を歪めた
【火焔】
「・・・・・・・・」
そんな天地さんの言葉に落ち込んだように視線を下げている
【竜輝】
「・・・実行犯はどうなったんですか?」
そんな火焔に少し悪いと思いながらも言葉を向けた
【火焔】
「・・・実行犯は・・・どうしたんですか?」
火焔は視線を下げたまま僕の言葉を天地さんに告げた
【天地】
「・・・死なれちゃったんだよね~」
・・・なるほど
実行犯に口を割らせたら早いけど
死んでしまっては割らせる口もない
・・・でも、死なれたと言うことは
【竜輝】
「・・・犯人が自ら死んだんですか?」
【火焔】
「自殺しちゃったんですか?」
僕の言葉に驚いたように天地さんに尋ねている
【天地】
「いや・・・殺されたよ
・・・火族のトップにな」
真剣な表情で静かに答えた
【天地】
「・・・俺たちの目の前でな」
【火焔】
「だったらなんでトップを捕まえないんですか!?」
天地さんの言葉に驚いたように声をあげた
【天地】
「・・・どうして捕まえるんだ?」
が、逆に天地さんが質問をはじめた
【天地】
「そいつは悪人を殺したんだぞ?
悪を滅ぼしたんだ
それってヒーローなんじゃねーの?」
少し笑ったように言葉を告げた
【竜輝】
「・・・でもそれは・・・単なる口封じ」
【火焔】
「口封じで殺したんでしょ!?」
僕の言葉を待てない様子で声を荒らげた
【天地】
「そんなの分かってる、でも証拠がないんだよ」
【火焔】
「証拠なんて必要ないです!
どう考えても悪いやつじゃないですか!?」
【天地】
「・・・でも、そいつはこの辺の火族全員に
号令をかけ周辺地域からの撤退を命じた
本当に申し訳なかったと俺らに頭を下げてな?
・・・本当に悪いやつだと言い切れるか?」
【火焔】
「・・・・・・・・」
【天地】
「・・・組織の中で下の人間が悪事を働いても
上の人間が関与してるとは限らない
うちの軍の中にバカをやった人間がでたとして
俺まで罪人にされたらたまんねって話しだよ」
・・・何百、何千といる人間の行動を全て管理するなんて到底不可能だ
【天地】
「・・・処罰の対象になるのは罪を犯した人間
それに関与した人間だけだ」
【火焔】
「でも!」
【天地】
「わかんねぇ奴だな~
だったら子供が悪い事したら管理できてない
親の責任になるのか?
親子ともども牢獄に送るのか~?
仲間だから身内だからって理由で
罪に問われたらこの世は罪人だらけだって」
少し笑ったような天地さんの言葉にも火焔は納得できてない顔をしている
・・・とは言っても、これはもうどうしようもない事
証拠がない上に組織自体も姿を消してる
今更、なにを言ってもトップを捕まえる事はできない
【竜輝】
「・・・なら
・・・今回の罪人の罪名を教えてください」
・・・ここからが本題だ
【火焔】
「・・・えっと~
・・・罪人の罪名を教えてください?」
僕の言葉に少し考えながら火焔が口にした
【天地】
「・・・・・・お前・・・ほんとに火焔か?」
明らかに不審がった様子で火焔を見ている
【火焔】
「僕ですよ!僕に決まってるでしょ!?」
そんな天地さんに慌てた様子で言葉を返している
【天地】
「・・・そーだよな
・・・どう見ても火焔だよなぁー?」
そうは言っても納得できていないようだ
【火焔】
「とにかく!罪名を教えてください!」
そんな天地さんを急かすように火焔が声をあげた
【天地】
「あ~・・・殺人に~強盗、強姦・・・
いっぱいありすぎて分かんねーわ」
・・・まぁ、そうだと思う
・・・でも、ここでかわされる訳にはいかない
【竜輝】
「・・・誘拐された女の子に関する罪名は?」
【火焔】
「誘拐された子に関する罪名はなんですか?」
僕の言葉に火焔も真剣な表情に変わった
【天地】
「・・・・・・はぁ」
そんな火焔にワザとらしいくらいのため息をつき
【天地】
「分かった分かった~・・・ちょっと待ってろ」
諦めたように歩きだし天地さんは魔法陣がある扉に手をかざした
【火焔】
「まって!」
【天地】
「待ってろって言いただろ~?
ちょっと大人しくしとけ」
そう言って天地さんは扉の中に入って行った




