火◾️行方不明の子
◾️◾️火焔視点◾️◾️
【竜輝】
「・・・どう?」
少し心配そうに僕を見ている
【火焔】
「ん~・・・だいぶ楽になったかも」
そんな竜輝に笑顔で言葉を返した
【火焔】
「でも、竜輝って薬草にも詳しいんだね~」
苦しんでる僕に竜輝が何処からか薬草を持って来てくれた
凄く苦かったけど、それを食べるとどんどん苦しさが無くなった
【竜輝】
「・・・毒素が少ない実だったから良かったけど
・・・毒素が強いものだったら効いてない」
【火焔】
「でも助かったよ~ありがとう!」
【竜輝】
「・・・お腹空いても
・・・その辺の物を食べちゃダメ」
笑顔でお礼を言ったがため息混じりに注意されてしまった
・・・そう言われてもお腹が空いたから仕方ないよね
【火焔】
「そう言えば~なにか見つかった?
・・・僕はずっとここで倒れてたから
なにもできてないけど」
苦笑いで尋ねた
・・・竜輝と分かれてすぐにりんごもどきを食べたから僕はなにも出来ていなかった
【竜輝】
「・・・この前
僕らを襲った女の人と話をした」
そんな僕に竜輝は話を始めた
【竜輝】
「・・・僕らを襲った理由は
敵の指揮官を倒して欲しいと言うもので
僕らにはどうしようもない事だった」
・・・火族の指揮官か
【火焔】
「・・・火族は荒れた連中が多いからね」
竜輝の言葉に視線を下げながら言葉を返した
・・・同じ火族の僕が言うのはおかしいのかも知れないけど
・・・あいつらはイカれた奴らばっかりだ
・・・どの程度の組織か知らないけど
・・・指揮するほどの人物となればその力は相当なもの
・・・僕らでは一瞬で灰にされるだろう
【火焔】
「でも、天地さんとかなら
なんとかできるんじゃないのかな?」
実際、天地さんがどれだけの魔力を持っているかは分からないけど
ヴィザールの軍事力を考えたらかなりの力はあると思う
【竜輝】
「・・・その指揮官が指示したという証拠が
ないらしい」
・・・ん~・・・そう言えば
天地さんと魔境さんがそんな話をしていたような
・・・してないような
【火焔】
「・・・でも、組織で下の人が問題を起こせば
上にも処罰があるべきだと思うな~」
どちらにしろ、その組織が正義じゃないのは分かりきってる
【竜輝】
「・・・そんな簡単に決められない
・・・仮に監督責任で罰せられるとなると
それを狙って気に食わない人物をおとしめる
と言う新たな罪が起きるから」
・・・なるほど
・・・その組織が正義でも悪でも罪となるから
対立勢力にワザと配下を送り問題を起こさせる
・・・そんな事もできちゃうかもしれない
【火焔】
「・・・なんか難しいね~」
・・・やっぱり僕はこういう事を深く考えるのは苦手だ
【竜輝】
「・・・一方から見るだけなら簡単だけど
・・・それだと新たな火種になるだけ」
・・・右を立てれば左が立たない
・・・左を立てれば右が立たなくなる
・・・なら、なにもしないと言うのが一番の選択なのかもしれない
・・・でも、それはそれで納得はできない
【火焔】
「・・・僕、向いてないかも」
【竜輝】
「・・・正義感が強いのは悪い事じゃない」
僕の言葉に竜輝は少し視線を下げながら返してきた
【竜輝】
「・・・ただ、その正義が
本当に正しいと思うかは人それぞれ」
・・・どういう意味だろう?
・・・分からないな
・・・ほんとに僕にはよく分からない事ばかりだ
【火焔】
「ん~!次!次に行こう!!」
痛くなって来た頭を振りながら声を上げた
【火焔】
「・・・なんの話してたっけ?」
・・・正直、なんの話をしてたかも忘れてしまいそうなくらい頭が重くなった
【竜輝】
「・・・僕らを襲った女の人の話」
僕の言葉にため息混じりに返してきた
【竜輝】
「・・・その女の人の話では
・・・火焔を襲った男の人は
・・・少し事情があるらしい」
そう言って竜輝は少し視線を下げた
【竜輝】
「・・・その男の人の妹が
・・・行方不明らしい」
【火焔】
「・・・妹?」
僕の言葉に竜輝は黙ってうなづいた
【竜輝】
「・・・遺体が見つかってないから
・・・男の人は火の技能者に
連れて行かれたと思ってるって」
・・・いもうと
・・・妹が行方不明
【火焔】
「・・・・・・」
その言葉で僕は
【火焔】
「っ・・・・・!」
・・・守りたかった家族を思い出した




