赤◾️襲った理由
◾️◾️竜輝視点◾️◾️
・
・
・
火焔と別れ森を進む
・・・町が破壊されたと言う事は周辺にその町があるはず
・・・でも、周辺に属性は感じない
・・・なら、優先されるのは暮らしやすい場所か
特に開拓された様子も感じないし破壊された町はこの辺で唯一の町だったのだろう
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
木に登り周辺を見回すと大きな滝が見えた
なら、その下には川が流れているだろう
・・・人が町を作るのなら川の比較的川の近くに築く
・・・どうあっても水は生きるのに必要だから
・
・
・
川があるであろう方向へと歩くと
しばらくして森の終わりが見えた
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
でも、その場所はルルーカの国英軍で占拠されている
・・・これじゃ近づけない
・・・でも、町があったのはあの場所だろう
・・・家々が骨組みも残さないように焼け落ちているのが遠目にも分かった
そして、横たわり並べられた人々
その上には布がかけられている
・・・おそらく被害者だろう
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
・・・どうしよう
・・・この状況を見る限り
おそらくルルーカが現状を支配している
・・・ヴィザールは引いた可能性が高い
・・・下手に動くと
・・・問題になるかもしれない
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
そんな事を考えていると
森へと入っていく女性の姿が見えた
・・・服装は軍のものじゃない
・・・なら、この町の住人である可能性がある
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
距離をとりながら女性の後をつけて森を進んで行く
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
しばらく歩くと森の中に教会のような建物が見えた
そこには数人の人々
その中に見覚えのある人を見つけた
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
以前、僕と火焔を襲った女の人だ
・・・でも・・・少し妙だな
・・・ルルーカの支援を受けているはずなのに
この場所にはルルーカ軍の姿がない
・・・普通に考えたら避難している人の側に安全を考え軍を付けそうだけど
・・・どうしてこの場所には軍がいないんだ?
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
・・・とりあえず、火焔と合流した方がいいだろうか?
・・・でも、火の技能者から被害を受けている人々の前に火焔は極力出ない方がいいかもしれない
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
そう思い1人で話を聞くため森を抜け教会へと歩き出した
そんな僕に気がついたようで女の人が視線を向けた
【竜輝】
「・・・貴女に少し尋ねた事があります
・・・いいでしょうか?」
そんな女の人に声をかけた
【女の人】
「・・・・・・・・・」
女の人はそれに答えるように僕へと向かって来た
【女の人】
「・・・ヴィザールは手を出さないんじゃないの?」
そして、少し不満そうに僕に尋ねた
・・・と言うことは
やはりヴィザールは撤退したと言う事だろう
【竜輝】
「・・・以前
僕を捕らえようとした理由を教えてください」
女の人の問いに答える事なく尋ねた
【女の人】
「・・・言わなかった?
貴方のお父さんとお話がしたかったのよ」
【竜輝】
「・・・その理由はなんですか?」
【女の人】
「・・・それを答えたら
なにか私たちに良い事でもあるのかしら?」
僕の問いに不愉快そうに返して来た
【竜輝】
「・・・内容によっては
・・・僕に出来ることをします」
・・・僕に出来ることなどないだろうけど
話を聞くために言葉を返した
【女の人】
「・・・どうせ、なにもできないでしょ」
そんな僕を見透かすように言葉を返してきた
【女の人】
「・・・貴方を使おうとした理由は
・・・黒幕を殺して欲しかったからよ」
そして、静かに話を始めた
【女の人】
「処罰の対象になってるのは実行した火族だけ
指示をした黒幕にはなんの処罰もない
・・・それが納得できなかったのよ」
【竜輝】
「・・・それで、僕を使って処罰させようと?」
【女の人】
「そうよ、どうあっても
関与した確実な証拠がないと処罰はできない
ルルーカもヴィザールも同じ事を言うのよ」
そう言う女の人は苛立ちを隠せていなかった
・・・でも、両国の言い分は間違ってない
・・・証拠も無しに人を処罰する事はできない
【竜輝】
「・・・どうして
黒幕がいると思うのですか?」
【女の人】
「下っ端だからよ
群れを成していきがってるグループのね
ボスがそれに関与してないなんてありえない」
・・・確かに関与している可能性は高いと思う
・・・でも、それはあくまで考えであって確実なものではない
【女の人】
「・・・ビビってんのよ
・・・ルルーカもヴィザールも」
不愉快そうに小さくつぶやいた
【竜輝】
「・・・誰にですか?」
【女の人】
「・・・グループのボス・・・黒火よ」
少し小声で女の人は答えた
【女の人】
「・・・誰もアイツに手出ししない
・・・誰もアイツを止めてくれない
・・・だから、こんな事になったのよ」
悔やむように嘆くように言葉を告げる女の人は怯えたように視線を下げていた
【女の人】
「・・・町が破壊された途端に
親切ぶって軍をよこして勝手に
私たちを支配しようとしてる
私たちの言葉なんて聞いてくれないくせに」
【竜輝】
「・・・でも
もしここがルルーカの領土になれば
もう火の技能者から襲われる事もないです」
そんな女の人に言葉をかけた
・・・例え火族がどれだけの勢力を持っていようともルルーカの支配下にある町を簡単には襲ったりしない
だから、この土地はもう安全だと言えるだろう
【女の人】
「だから!それがムカつくのよ!」
が、女の人は怒りをぶつけるように声を上げた
【女の人】
「ルルーカかヴィザールが襲われる
前に手を差し伸べてくれてたら
こんな事にはならなかった!
襲われる前は私たちの町に見向きも
しなくせに!それなのに!
町が破壊された途端に両国共群がって来る!
・・・胸糞悪い連中だわ!!」
・・・軍に対して不信感を持っているようだ
・・・それがここにルルーカ軍がいない理由だろう
・・・女の人の意見は間違ってはいないとは思う
・・・でも、それは難しい
・・・何故なら
そんな孤立した町は何処にでもあるから
そんな町を一つ一つ管理するなど到底無可能だ
自国の領土とするのなら管理責任がある
それは簡単な事ではない
無計画に領土を広げても自国の治安が乱れるだけ
だからこそ、助けを必要とする場所を優先的に支援し支配していく
【女の人】
「・・・まぁ、もう遅いけどね
黒火のグループはどっか遠くに逃げたらしいし
どんなに文句言っても町は元に戻らないしね」
そういう女の人はとても辛そうで悲しそうに見えた
【女の人】
「・・・そう言えば、お友達大丈夫だった?
結構ひどくやられてたけど」
思い出したように尋ねて来た
・・・友達とは・・・火焔の事だろう
【竜輝】
「・・・大丈夫です」
【女の人】
「良かった
さすがに死なれてたら目覚めが悪いわ」
そう言って少し笑った
・・・やはり、この女の人は火焔を敵視してないようだ
【竜輝】
「・・・あの子にいきなり攻撃した人がいると
聞いたのですがその理由をご存知ですか?」
僕の言葉で女の人は少し悩むような表情を見せた
【女の人】
「・・・それって、ヴィザールの人でしょ?
茶色髪の技能者の男の人
・・・さすがにあれは酷いわよね
・・・本当に殺してしまうかと思った」
・・・茶色髪の技能者・・・天地さんの事だろう
【竜輝】
「・・・いえ・・・その人ではなく
・・・ここにいる方だと思います」
女の人の言葉を否定し再度尋ねた
【女の人】
「・・・・・・・・・」
僕の言葉に少し表情を曇らせ話を始めた




