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赤◾️ルルーカ軍




◾️◾️竜輝視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



木々を飛び移りながら火焔を追いかける様に森を進んでいく

・・・ヴィザールからこんなに遠くに来たのは初めてだ


【火焔】

「・・・・・・・・」


突然火焔が木から地面に飛び降り足を止めた


【竜輝】

「・・・この辺?」


続くように足を止め火焔に尋ねた


【火焔】

「・・・あ~・・・多分」


苦笑いで返してきた

・・・そんな火焔に少し嫌な予感がした


【火焔】

「・・・どっちだったかな?」


そして悩むように周囲を見渡している


【火焔】

「・・・って言うか

 ・・・こっちで合ってたかな?」


不安そうにつぶやいた


【竜輝】

「・・・もしかして・・・迷った?」


【火焔】

「まだ迷ってないよ~!大丈夫、大丈夫!」


笑顔で返して来たが

・・・まだ、と言うことはこれから迷うのだろうか?


【火焔】

「えっと~・・・あ!いい物発見!」


はしゃいだように手にとったのは

・・・何の変哲も無い木の棒だった


【火焔】

「どっちかな~?」


そう言って木の棒を地面に立て手を離した


【火焔】

「こっちだって!」


そして木の棒が倒れた方向を指差し嬉しそうに声を上げた

・・・言いようのない不安が僕を包む


【竜輝】

「・・・ちゃんと考えた方が」


【火焔】

「大丈夫だって!

 考えても分からない事は分からないし!」


僕の言葉を塞ぐように胸を張るように声を上げ

木が導く方向へと歩き出した


・・・考えても分からないと言う時点で道に迷っていると思うが

・・・違うのだろうか?


【竜輝】

「・・・昨日はどうして帰り道が分かったの?」


【火焔】

「ん〜なんとなく?

 何も考えずに夢中で歩いてたらいつの間にか

 ヴィザールだったんだよね〜」


・・・帰巣本能と言うやつだろうか?


【火焔】

「だから何も考えずにとりあえず進んだら

 きっと昨日の場所にも着くよ〜」


自信溢れる笑顔に消えない不安を抱きつつ僕も火焔と森を進んだ



【火焔】

「あ~そう言えばさ~

 僕、昨日あの子に助けてもらったんだよね~」


森を歩きながら火焔が話を始めた


【竜輝】

「・・・あの子?」


【火焔】

「ほら~竜輝と森を散歩してる時に会った~

 青っぽい髪の男の」


僕の言葉に軽く返し


【火焔】

「あの子って名前なんて言うの?」


ニコッと笑って尋ねて来た


・・・名前

・・・あの子の名前は


【竜輝】

「・・・・・・たか


とても、久しぶりにあの子の名前を口にした


【火焔】

「鷹って言うんだ~

 昨日ね、天地さんにボコボコにされた僕に

 回復魔法使ってくれたんだよ~」


・・・なら、アイツもこの辺にいるのだろうか?


【火焔】

「意地悪な子かと思ったけど案外いい子だね?」


そう言ってニコッと笑った


【竜輝】

「・・・あの子は・・・凄い子だから」


・・・僕なんかよりもずっと


【火焔】

「・・・・・・・」


突然、火焔が足を止めた

でも、その理由は僕にも分かった


【火焔】

「・・・なんだろ?」


少し先から多数の魔力を感じる


【竜輝】

「・・・・・・・・・」


姿勢を下げながら2人で森の先をのぞき見た


【火焔】

「・・・凄い・・・どっかの軍かな?」


そこには揃いの制服に身を包んだ集団

手には槍のような武器を持っている

・・・おそらく、この制服は


【竜輝】

「・・・ルルーカの国英軍だ」


【火焔】

「・・・ルルーカって

 あのヴィザールと敵対してるって言う

 光都市?」


火焔の言葉に静かにうなづいた


【火焔】

「でも、なんでルルーカの国英軍がいるの?」


覗き見ていた場所から少し離れ尋ねて来た


【竜輝】

「・・・町が破壊されたって言ってたから

 ・・・多分、軍事支援」


【火焔】

「そっか~んじゃ~怖がらなくていいね」


・・・確かに、攻撃をされる事はないだろう

・・・ただ


【竜輝】

「・・・あまり近寄らない方がいいかも」


【火焔】

「え?なんで?」


【竜輝】

「・・・僕らはヴィザール側の人間だから」


そう言いながらルルーカ軍を避けるように歩き始めた


【火焔】

「それがなにか問題あるの?」


そんな僕の後をついて来ながら尋ねて来た


【竜輝】

「・・・この件に関して

 天地さんが動いているのなら

 多分、ヴィザールも軍を出してる

 なら、この周辺はヴィザールの領土でも

 ルルーカの領土でもないから」


【火焔】

「・・・それで?」


説明をしたつもりだけど火焔は苦笑いで更に尋ねて来た


【竜輝】

「・・・どちらの領土でもなく

 この周辺に都市は無い

 応援要求があったと考えにくいのに

 両方が軍を出している」


【火焔】

「・・・つまり?」


【竜輝】

「・・・つまり、この問題を使って

 自国の領土にしようとしてる

 ・・・両国ともに」


・・・多分、間違ってない

仮に何処かの都市からの応援だとしても

ヴィザールとルルーカ

敵対する2国に救助を求める事はない

必ず、どちらかの都市に定めるはず

それを元に更なる友好関係を築けるから


【竜輝】

「・・・荒れた地域を先導するように

 支援する事で現状支配できる

 ・・・簡単に自国の領土とし

 旗を立てられるんだ」


荒地、栄えていない地域を領土のするのは簡単だがそれに行うとコストがかかる

足して利用価値の無い地域を多額のコストをかけて領土にしても意味はない

でも、今回のように傷ついた町を復興させると言う名目での領土拡大なら利用価値が低くても社会貢献と言うプラス要素も付く


【火焔】

「ん~・・・つまり、支援しながらついでに自国のモノにしちゃおう、ってこと?」


火焔の問いに黙って頷いた


【火焔】

「・・・別に悪い事でもないけど

 ・・・何となく複雑だね」


・・・見返りの無い支援ではなく自国の利益を求める支援

・・・確かに素直には受け取り難いのかも知れない


【竜輝】

「・・・でも、世界はそういうもの」


・・・自国、自身に何かしらの利益が無いと支援なんてできない

資産をはたいて支援したとしても自身が潰れてしまっては意味がないから


【竜輝】

「・・・利益を手に入れ、そしてその利益を次の支援に回す

・・・その巡回がないと支援はいつか止まってしまう」


それがただ「優しい国」と言う評価だけでも、それは利益

いい評判は巡り、それが物流にも繋がる

どんな些細な事でも巡れば金銭的な利益に影響をもたらす


【火焔】

「・・・僕、思ったんだけど

 ・・・竜輝って勉強好き?」


苦笑いで尋ねて来た


【竜輝】

「・・・勉強・・・本は好き」


【火焔】

「なるほど~そんな感じだよね~

 僕、そーゆーの全然ダメ~」


・・・そうは言っても


【竜輝】

「・・・でも、天地さんと一緒にいるなら

 多少は勉強しないと」


【火焔】

「え?そうなの?」


僕の言葉に不思議そうに首をかしげた


【竜輝】

「・・・天地さんはヴィザール軍の指揮官だから

 ・・・火焔もいつか軍に入るんでしょ?」


てっきり僕は火焔も軍に入るのだと思っていたが


【火焔】

「えー!?

 天地さんって軍の指揮官だったんだ!?

 びっくり!!」


本当に初めて知ったように驚いている

・・・なにも知らずに天地さんに弟子にしてもらおうとしていたのだろうか?


【竜輝】

「・・・・・・・」


物事を深く考える事なく行動できる

そんな火焔を素直に凄いと思った

・・・僕にはできそうにないけど



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