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赤◾️受け止められる強さ



◾️◾️竜輝視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



「・・・げ・・・生きてるし」


引いたような声が聞こえ

ゆっくりと目を開けると天地さんの姿が見えた


【天地】

「・・・・・・・・・」


不愉快そうな天地さんの視線の先には僕の隣で寝ている火焔がいた

・・・いつの間にか壁にもたれて2人で寝てしまったようだ


【魔境】

「・・・・・・どうするつもりだ」


ため息混じりにあの人も姿を見せた


【天地】

「あ~・・・今のうちに土に埋めちゃうか?」


【魔境】

「・・・途中で目を覚ますだろ」


苦笑いの天地さんに呆れた様に言葉を返している


【天地】

「どーすっかね~モテる男は辛いな~!」


【魔境】

「・・・嬉しそうだな?」


【天地】

「はぁ?別に嬉しくねぇよ」


【魔境】

「・・・気に入ってたんだろ?

 ・・・満更でもなさそうだしな」


そう言って背を向け


【魔境】

「・・・この件はお前に任せる

 ・・・好きにしろ」


そして、街の方向へと姿を歩いて行った


【天地】

「・・・俺はそっちの趣味はねーつってのに」


不愉快そうにため息をつき


【天地】

「さっさと起きろ!ばーか!」


そう言いながら火焔を蹴り始めた


【火焔】

「・・・ぐっ・・・いだいっ」


まだ治っていない傷口に触ったのか苦しむ様に火焔が目を覚ました


【天地】

「こんなとこで寝てんじゃねーよ!

 人の迷惑も考えろ!」


【火焔】

「っ天地さん!?」


叱りつける天地さんが目に入ったのか火焔は慌てた様に体を起こし


【火焔】

「昨日は本当にすみませんでしたっ!!」


地面に頭を付けるように土下座をして謝っている


【火焔】

「もう絶対にあんな事しませんっ!

 あんな風になりませんっ!!

 だから僕に

 もう一度チャンスをくださいっ!!」


必死にすがるように声を上げている


【天地】

「あ~?そんな事信じられる訳ねーだろ?

 人間はそう簡単に変わらない」


【火焔】

「お願いしますっ!!もう一回だけ!!

 もう一度チャンスをくださいっ!!」


そっけない天地さんの言葉にもすがるように頭を下げ続けている


【天地】

「・・・なら、1つ条件をやるよ」


そんな火焔に少し笑いながら言葉を続けた


【天地】

「・・・昨日、お前に攻撃した男がいたろ?

 あの人がお前を認めたら俺も認めてやるよ」


【火焔】

「っどうやったら認めてもらえるんですか!?」


天地さんの言葉に慌てた様に顔を上げた


【天地】

「なんでもかんでも人に聞くな!

 ちょっとは自分で考えろ!!」


そう言って火焔の頭を叩いた


【天地】

「面倒な事は起こすなよ~

 なにか問題を起こしたら

 一生牢獄に入れるからな?」


不愉快そうな言葉を残し天地さんも街へと歩いて行ってしまった


【火焔】

「・・・・・・・・」


【竜輝】

「・・・・・大丈夫?」


落ち込んだように黙り込んだ火焔に言葉をかけた


【火焔】

「・・・・・・これってさ

 ・・・チャンスがもらえたって事だよね!?」


が、突然はしゃいだ様に声を上げた


【火焔】

「良かった~!

 もう話もしてくれないと思った!」


本当に嬉しそうに声を上げている

・・・確かにチャンスがもらえたとは思うけど

・・・まだ喜ぶのは早い気がした


【火焔】

「とりあえずさ~お腹空いたし~

 家に帰ってご飯食べようか」


そう言って扉に向かって歩き始めた


【火焔】

「あ、でも・・・面倒見ないって言われたのに

 勝手に家に入ったら怒られるかな?」


落ち込んだように足を止めた


【火焔】

「でも・・・家に入るなとは言われてないし

 まぁいいか~!」


が、すぐに笑顔になり歩き始めた



リビングに入り火焔が食事を並べている


【火焔】

「食事残ってて良かったね~!

 ちゃんと2人分あるから竜輝も食べてね!」


そう言って席に座った火焔の向かいに僕も座った


【火焔】

「いただきまーす!」


元気に手を合わせ火焔は食事を始めた


【竜輝】

「・・・・・・」


でも、僕は手を動かす事ができなかった


【火焔】

「・・・どうして食べないの?」


少し心配そうに声をかけて来る


【火焔】

「・・・お腹空いてないの?」


・・・お腹は空いている自分でも嫌になるほどに

・・・でも


【竜輝】

「・・・食べたくない」


・・・温かなご飯なんて食べていいはずがない


【竜輝】

「・・・僕のせいでルナは

 辛い目に合ってるかも知れない」


・・・それなのに僕だけ美味しいご飯を食べるなんておかしい


【竜輝】

「・・・だから、僕は食べない」


・・・この程度の罰で許されるとは思わない

・・・でも僕にはこれくらいしか償いができない


【火焔】

「・・・ルナってさ

 ・・・もしかして誘拐とか・・・?」


少し言いにくそうに尋ねてきた


【竜輝】

「・・・・・・分からない」


でも、僕にもルナがどう言う理由で連れ去られたのか分からない


【竜輝】

「・・・知らない人たちに連れて行かれた

 ・・・僕が手を離したから」


・・・あの時もし僕がルナの手を離さなかったら

・・・ちゃんと側にいてあげられてたら

・・・ルナがいなくなる事はなかったのに


【火焔】

「・・・・・・でも

 ご飯はちゃんと食べないとダメだよ」


そう言って小さく微笑んだ


【火焔】

「今、僕たちって成長期ってやつらしくて~

 ちゃんとご飯食べないと成長が止まっちゃう

 って天地さんが言ってたし!

 もし、ルナが帰って来た時に

 ルナの方が大きかったら嫌じゃん!」


明るく大きな声を上げた


【火焔】

「・・・今度はちゃんと守ってあげられるように

 強くなるんでしょ?・・・その為にも

 しっかりご飯を食べなきゃダメだよ

 ・・・無理してご飯を食べないなんて

 そんなのなんの意味もない」


諭すように優しい声でニコッと笑った


【竜輝】

「・・・でも、ルナは僕を

 ・・・恨んでるかも知れない」


【火焔】

「なら尚更だよ!」


僕の声をかき消すように声を上げてきた


【火焔】

「ルナがもし竜輝を恨んでたとしても!

 その恨みを全部受け止められるくらい

 強くならなきゃ!

 ルナの怒りを受け止められるくらい

 大きくなるの!

 じゃないと、弱くて小さい竜輝じゃ

 ルナは文句も言えないじゃん!」


・・・ルナの恨みを全て受け止める


【竜輝】

「・・・そんな事、僕にできるのかな?」


【火焔】

「これからできるようになるんだって!

 一緒に心も体も強くなるんだから!

 だから、食べれる時は思いっきり食べよ!」


ただ、真っ直ぐに笑顔を向ける火焔に

僕はもうなにも言えなくなって


【竜輝】

「・・・・・・ありがとう」


・・・少しだけ

・・・救われたような気がした


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