赤◾️絵本
◾️◾️竜輝視点◾️◾️
読み終わった本を近くにあった本の上に乗せた
そして新しい本へと手を伸ばす
【竜輝】
「・・・・・・・・」
その時、一冊の絵本が僕の目に止まった
【竜輝】
「・・・・・・・・」
その本は動物たちがみんなで料理をすると言う内容
【竜輝】
「・・・・・・・・」
でも、僕は何故この絵本がここにあるのか分からない
【竜輝】
「・・・・・・・・」
この絵本はなんだったのか思い出せない
【竜輝】
「・・・・・・・・」
でも、この絵本を見ていると
【竜輝】
「・・・・・・・・」
僕は何故か悲しくなる
「がちゃ!」
【火焔】
「りゅきー!!」
ドアが開き男の子が部屋に入ってきた
【火焔】
「聞いてよ!聞いてよ!
天地さんがひどいんだ!!」
叫ぶように僕に言葉をぶつけてくる
【竜輝】
「・・・・・・・・」
いつもと変わらない部屋なのに
この子が来ると
・・・全然違うものに変わった気がした
【火焔】
「もう僕、恥ずかしく死にそうだったんだよ~」
ため息混じりに僕に話を伝えてくる
【火焔】
「魔境さんにが助けてくれなかったら
夜まで固まってたと思うよ~
ほんと天地さんはやる事がひどすぎるよ」
不満そうに肩を落としている
【火焔】
「・・・あ、そう言えばさ
・・・竜輝って魔境さんの子供なの?
ほら、昼間森で会った子が言ってたでしょ?」
思い出したように僕に尋ねてきた
【竜輝】
「・・・・・・・分からない」
でも、僕にも分からなかった
【火焔】
「・・・ん~・・・そっか・・・」
そう言って僕をジッと見つめている
【火焔】
「・・・・・・顔は・・・似てないね」
苦笑いでつぶやいた
【竜輝】
「・・・・・・君は
・・・どうしてここにいるの?」
気になってた事を尋ねた
【火焔】
「・・・・・・ん~」
僕の言葉に少し悩み
【火焔】
「君じゃなくて、ちゃんと火焔って
名前で呼んでほしいな~」
僕の質問の答えじゃない言葉で返してきた
【竜輝】
「・・・火焔はどうしてここにきたの?」
言われた通り名前で言い換えた
【火焔】
「名前で呼ばれるっていいね~!
なんか仲良くなった感じ!」
はしゃいだように声を上げている
【竜輝】
「・・・・・・・どうしてここにきたの?」
もう一度同じ質問をした
【火焔】
「あれ?僕、もしかして竜輝に初めて
興味持ってもらえた!?嬉しいな~!」
本当に嬉しそうに声を上げている
【竜輝】
「・・・・・・・」
・・・もしかして、言いたくないのだろうか?
【火焔】
「僕がここに来た理由はね~」
・・・どうやら言いたくないわけでは無いようだ
【火焔】
「強くなりたいから天地さんに
弟子にしてもらおうと思ったの!
だから僕はここに来たんだよ!」
【竜輝】
「・・・どうして、強くなりたいの?」
【火焔】
「父さんみたいになりたいから!」
【竜輝】
「・・・・・・・」
【火焔】
「僕の父さんすっごく強くて!
すっごくかっこ良かったんだ!」
【竜輝】
「・・・・・・・」
【火焔】
「だから!父さんみたいに
強くてカッコいいヒーローになりたいんだ!」
【竜輝】
「・・・・・・ヒーロー?」
【火焔】
「うん!困ってる人を助けるヒーロー!
だから僕は誰にも負けないくらい
強くなるんだ!」
【竜輝】
「・・・・・・・」
宣言するように声を上げる男の子からは
溢れるような自信を感じた
「かえん!どこだ!出てこい!」
その時、廊下に怒鳴り声が響いた
【火焔】
「・・・げ・・・天地さんだ」
その声に男の子は見るからに嫌そうな顔をしている
【天地】
「10数える間に出てこなかったらお仕置きだからな!」
そして、廊下にカウントダウンの声が響いている
【火焔】
「ちょ!ちょっと待ってください!」
その声に慌てて男の子は部屋を出た
【天地】
「そんなとこにいたのか~
・・・片付けしとけって言ったよなぁ?」
笑ったような低い声が聞こえる
【火焔】
「すっすみません!ちょっと忘れててっ!」
怯えたような男の子の声が聞こえる
【天地】
「そんな事が許されるとおもってんのか~?」
【火焔】
「かっかんべんしてくだいっ!!」
一気に近くなった男の声から逃げるように男の子の声が遠くなり
廊下に走り去る足音が響いた
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
誰もいなくなった部屋はとても静かで
・・・まるで時間が止まった気がした
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
でも・・・これでいい
・・・これじゃないとダメなんだ
【竜輝】
「・・・・・・・・・」
・・・僕は
・・・1人じゃないとダメなんだ




