火◾️焼肉
◾️◾️火焔視点◾️◾️
【天地】
「どんどん焼けよ~全然足りねぇからな~」
そう言いながら天地さんは僕が焼いたお肉を次々と食べている
【火焔】
「・・・あの・・・僕も食べたいんですけど」
【天地】
「食えばいいじゃん!美味いぞ~!」
そう言われ焼きあがったであろうお肉に箸を伸ばした
が、僕が掴む前に天地さんの箸がそのお肉を掴み
【天地】
「やっぱり肉は最高だよなー!」
なんともご機嫌な様子で飲み込むようにお肉を食べている
・・・こんな調子で僕はお肉をずっと横取りされている
・・・絶対にワザとだ
・・・こういう大人にはなりたくない
【火焔】
「あ~・・・そう言えば
天地さんはルルーカって知ってますか?」
天地さんの為にお肉を焼きながら尋ねてみた
【天地】
「逆にお前は知らないのか~?
ほんと知識は皆無だな~」
お肉を食べながら上機嫌な様子で返してきた
【火焔】
「知らないんですけど街の名前かなんかですか?」
【天地】
「そーだよ、ヴィザールと並ぶ位の大都市、光都市だ」
・・・光都市ルルーカか
・・・初めて聞いたな
【火焔】
「なら、その街に住んでる人はやっぱり光属性なんですかね?」
【天地】
「あ~絶対じゃねーだろ、
ヴィザールだって闇都市だけど
俺やお前みたいな違う属性もいるし
そもそも魔力を持ってない人間もいるしな
まぁ、対極属性の奴はいないだろうけど」
なら、ヴィザールでは光属性はいないし
ルルーカでは闇属性はいないと言う事だろう
【天地】
「なんで急にそんな事聞くんだよ?」
【火焔】
「えっと・・・今日、森を散歩してたら
僕と同じ歳くらいの男の子に会ったんです
んで、その子はルルーカの人間だって言ってたんで」
別に隠す事でもないので素直に答えた
【天地】
「へ~・・・なんか言われたか?」
何故かニタニタ笑いながら質問された
【火焔】
「・・・なんかってなんですか?」
その笑顔に警戒しつつ聞き返した
・・・天地さんがこういう顔をする時に良い事があった試しがない
【天地】
「いや~、お前がヴィザールの人間だって
知ってるならヴィザールの悪口かなんか
言われたんじゃないかと思って」
【火焔】
「・・・なんで分かったんですか?」
そんな天地さんの言葉に少し驚いた
【天地】
「やっぱ、そうか~お前まさか
苛められたんじゃねーだろうな?」
なんとも愉快そうに言葉を返してくる
【天地】
「ダセー奴だな~!
自分の事を僕とか言ってるから
苛められるんだよ~!」
そう言って本当に面白そうに笑っている
・・・別に苛められたなんて言ってないし
・・・何がそんなに面白いのか僕には理解できない
【天地】
「まぁー、ルルーカの人間はヴィザールの人間を
よく思ってないから仕方ないな」
【火焔】
「・・・そうなんですか?」
【天地】
「対極属性だからね~ヴィザールの人間も
同じようにルルーカを敵視してるからな」
・・・だから、あの男の子は竜輝に冷たいのだろうか?
【火焔】
「・・・でも、属性とか関係ないですよね
・・・なんでそんな事で人を嫌ったり
文句を言ったりするんだろ」
・・・本当に理解できなかった
・・・いや、しちゃいけないと思った
【火焔】
「・・・そういう人たちがいるから
・・・この世界から争いが消えないんだ」
・・・自分とは違う物を生まれ持った人たちをただ嫌う
【火焔】
「・・・自分たちが人を傷つけ
新たな争いを作ろうとしている事が
なんで分からないんだろう」
・・・人を傷つける事しかできない人間なんて
・・・世界は必要としないのに
【天地】
「・・・へ~?
・・・お前もそんな顔するんだな?」
少し笑ったような顔で探るような言葉を向けてきた
【天地】
「別にお前の言ってる事は間違ってねーよ
でも、他の属性を嫌い人間にも
言い分はあるだろ?」
【火焔】
「・・・そりゃそうですけど、
・・・だからって別に何もしてない人たちに
文句言わなくていいじゃないですか」
【天地】
「だから~言い分もあるだろ~」
僕の言葉を受け流すように返してきた
【天地】
「喧嘩をしてた時に沢山の仲間を殺されて
喧嘩が終わったから仲良くしましょ
なーんて、出来るわけない
それは、奪われた方ではなく
奪った方の都合のいい馴れ合いだ」
【火焔】
「・・・馴れ合いでもいいじゃないですか
・・・それで仲良くできるなら
・・・悪いことじゃないです」
・・・今、みんなで仲良くできるなら
・・・終わった事で喧嘩を続けるなんて変だ
【天地】
「だから~
それは都合の良い解釈だつってんだろ~?
試合で勝った方はそりゃ~気持ちよくて
満足だろうけど負けた方からしたら
結果を受け入れようとしても
どっかで不完全燃焼な気持ちがあり悔しさや
苛立ちが心の片隅に微かでも残るもんだろ
それは試合に出た人間だけじゃなく
応援してただけの人間にも生まれるもんだ」
【火焔】
「・・・でも、そんな事言ってたら
争いが終わる事はないじゃないですか
・・・両方ともに気持ちの良い終わりなんて
あるはずないし」
【天地】
「まぁー完全に終わらせる事なんて
無理だろうけど~
一時的に仲間になる事は出来ると思うぞ?」
意外な言葉に少し驚き天地さんに視線を向けた
【火焔】
「・・・どうやったら仲間になるんですか?」
【天地】
「例えば動物が擬人化して
人間に争いを挑んで来たとするだろ?
人間対動物の戦いだ!
そうなったら属性関係なく人々は手を取り合い
協力すると思うぞ~
同じ人間って大きなグループができて
仲間になれるんだよね~」
ニコニコしながら言葉を返してきた
・・・何となく子供扱いされてるみたいで複雑だ
・・・僕は真剣に話をしているのに
【天地】
「人間は世界がどれだけ平和になろうとも
色々な形で何かと競い
争わないといけないようになってるんだよ
更なる高みを目指す為に必要だからな」
【火焔】
「・・・僕にはよく分かりません」
・・・正直、天地さんの言ってる事が上手く理解できなかった
【天地】
「分からないなら分からなくていい
俺は俺、お前はお前だからな~
みんな同じ考えだったら気持ち悪いだろ?」
そう言ってニコッと笑った
【天地】
「ただルルーかとヴィザールはちょっと特殊だな
どちらも勝者でなく敗者でもない
だから、お互いに不完全燃焼中なんだよ」
【火焔】
「・・・ん~?戦争とか無かったんですか?」
【天地】
「大昔にあったららしいけどな~決着がつかず
両国の王が話し合いで無駄な争いはやめよう
って決めたらしい
両国にとって戦を続ける事はプラスじゃないと
判断したんだと」
・・・珍しいな
・・・そんな事で終戦するなんて
【天地】
「ただ、住人全てが納得するなんてできない
だから対立心が未だに燻って敵視し合ってる
ってわけ」
そう言いながら軽く体を伸ばした
【天地】
「・・・言葉だけならお互い気が済むまで
好きに言い合えばいい
それが加熱して戦にならなければいい
本当に大切にしなければいけないモノを
見失った人間ほど愚かなものはないからな?」
そういう天地さんの目は真っ直ぐに僕を見ていた
【天地】
「だからお前も口で言うのは良いが
手は出すなよ?
怪我でもさせたら問題になるからな~」
そう言ってニコッと笑った
【火焔】
「・・・喧嘩なんてしないですよ
・・・僕、争い事が嫌いですから」
【天地】
「・・・そうか?
・・・さっきのお前の顔は気に食わない人間は
死ねば良いって顔してたぞ?」
【火焔】
「っ!?」
突然の天地さんの言葉に体がこわばったのを感じた
【天地】
「・・・自分の考えと違う人間なんて
必要ないって顔してだぞ?」
【火焔】
「・・・だからって僕は
・・・そんな事で人を殺したりしません」
少し笑ったような顔で言葉を向けてくる天地さんを睨むように言葉を返した
【天地】
「・・・なら・・・どんな事なら殺すんだ?」
まるで睨み返すような天地さんの言葉
考えなくても返す言葉は決まっていた
【火焔】
「・・・人を傷つけ世界を歪める人間
・・・殺す必要があれば
僕はその人たちを殺します」
僕は睨み返しながらハッキリと言葉を返した
【天地】
「・・・・・・いや~!お前は単細胞だね~!
すぐ熱くなっちゃって~!こわーい!」
そう言いながら愉快そうに笑った
【天地】
「お前にそーゆーキャラは似合わないね~!
つーわけで!お仕置きだな!」
そう言って突然、僕に掴みかかってきた
【火焔】
「えぇ!?どっどうして!
お仕置きされなきゃいけないんですか!?」
その手を避け慌てて叫んだ
【天地】
「あ~?
お前さっきから俺の事を睨んでただろ~?」
愉快そうに言葉を返し
【天地】
「そんな事が許されると思ってんのか~?」
恐怖を感じる笑顔で笑った




