赤◾️変わらない道
◾️◾️竜輝視点◾️◾️
森を抜け
ヴィザールの街を歩く
毎日のように通る道
毎日のように聞こえる雑沓
いつも変わることのないの毎日だったのに
今日はいつもと違って感じた
【火焔】
「ちゃんと戻れて良かった~!
実はちょっと不安だったんだよね~」
大して言葉を返せない僕にもずっと笑顔で何か話しかけて来る
【火焔】
「今何時くらいかな~?お昼くらいかな~?」
・・・どうして、この子はここにいるんだろう?
【竜輝】「・・・・・・どうして
「火焔、こんなとこで何してんだ~?」
僕の言葉を塞ぐように前方から声を上げ男の人が近づいてきた
【火焔】
「あ!天地さん!」
【天地】
「1人ぼっちで何やってんだよ~
暇そうでいいな~」
言葉をかわしながらどんどん距離が近づく
【天地】
「ちょうどいいから飯食わせてやろうか~?
腹減ったろ?」
僕に視線を向ける事もなく真っ直ぐに男の子に言葉をかけている
【火焔】
「え?・・・あ・・・・えっと」
男の人の言葉に戸惑いながら男の子は足を止めた
【天地】
「焼肉美味いぞ~!食いたいだろ~?
食わせてやってもいいぞ~」
男の人も男の子の前で足を止めた
【竜輝】
「・・・・・・」
僕は足を止めず歩く
【火焔】
「あ・・・・・・」
小さく男の子の声が聞こえた
・
・
・
いつもと変わらない道に戻った
いつもと変わらない長い階段に戻った
いつもと変わらない暗い廊下に戻った
【竜輝】
「・・・・・・・」
いつもと変わらない部屋
【竜輝】
「・・・・・・・」
でも、少しだけ違う物
【竜輝】
「・・・・・・・」
いつもは無い物がこの部屋にはあった
【竜輝】
「・・・・・・・」
あるはずのない物がテーブルの上にあった
【竜輝】
「・・・・・・・」
あの子が買って来てくれた袋いっぱいの食べ物
【竜輝】
「・・・・・・・どうして」
・・・どうして僕は
・・・泣いているのだろう




