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火◾️限界突破


挿絵(By みてみん)



【天地】

「さっさと起きろ!クソガキ!!」


怒鳴り声と共に激しく蹴られた


【火焔】

「・・・痛い」


【天地】

「なんもしてねーくせにイビキかいて寝てんじゃねーよ!」


不愉快そうに僕を叱りつけ部屋を出て行った

・・・また、僕は天地さんより早く起きれなかったようだ



朝ご飯の仕度が終わったところで魔境さんと天地さんがリビングに姿を見せた


【火焔】

「おはようございます!」


席に座る2人に向かって声を上げ頭を下げた


【天地】

「朝からうるせー奴だな~」


呆れたように笑う天地さんの言葉を聞き流しながら僕も席に座った


【火焔】

「あの、僕にもなにかお手伝い出来る事ないですか?天地さんのお供とか・・・なんでもしますから!」


食事を始めた天地さんに向かって尋ねてみた

どんな事でもいいから

なにか天地さんの凄さを見てみたかった


【天地】

「なんでお前が俺のお供につくんだよ~?」


【火焔】

「だって!僕は天地さんの弟子ですから!」


適当に言葉を返して来る天地さんに胸を張るように宣言した


【天地】

「あ~?いつからお前は弟子になったんだ~?

 昨日、俺に攻撃当てられなかっただろうか?」


そんな僕を見下すようにニタニタと笑い


【天地】

「お前は弟子じゃなく家政婦だろ~?」


そう言ってなんとも愉快そうに爆笑している


・・・やっぱり僕はこの人を尊敬できないかも知れない


【魔境】

「・・・・・天地」


そんな中、魔境さんが静かに口を開き


【魔境】

「・・・少しは真面目に答えてやれ

 ・・・遊びすぎるのがお前の欠点だ」


叱りつけるような言葉を天地さんに向けた


・・・なんか

・・・ちょっといい気分だ


【天地】

「・・・なんだよ?その顔は?」


そんな僕を天地さんが睨みつけている

無意識に僕の顔は緩んでいたようだ


【火焔】

「いやいや!なんでもないです!」


【天地】

「はぁ~・・・めんどくせ」


慌てて言葉を返した僕に天地さんは大げさなくらいのため息をついた


【天地】

「・・・正直、お前の魔力は限界を迎えてるな」


そして少し真剣な表情で話を始めた


【魔境】

「・・・この歳でか?」


そんな天地さんの言葉に僕より魔境さんが少し驚いた様子で言葉を返した


【天地】

「軽くみた感じだけどな~・・・多分、間違いない、コイツの魔力はこれ以上上がらない」


【火焔】

「・・・僕・・・弱いんでしょうか?」


その言葉は少しショックだった


【天地】

「・・・いや、そう言う訳でもない」


そんな僕に天地さんは言葉を続けた


【天地】

「本来、技能者は18歳で魔力の限界を迎えるとされてるがそれはあくまで平均を示しただけだ

 環境によっては個人差がでる

 お前は18歳までに上がる魔力をその歳で既に手に入れてるだけの話だ」


【魔境】

「・・・それでも、この歳は早すぎるんじゃないか?」


【天地】

「まぁ~俺もそう思うね~・・・一体どんな生活を送ったらこんな早く成長すんだろうね?」


そう言って少し笑いながら視線を僕に向けた


【火焔】

「・・・・・・・・」


そんな天地さんに僕は視線を向ける事はできなかった


【天地】

「・・・まぁ、とりあえずコイツはもう限界だって事だね~」


そんな僕を詮索する事なく天地さんは話を進めた


【天地】「もし、これ以上魔力を上げたいのなら限界突破させるしかないって事だ」


【火焔】

「・・・限界突破?」


理解できない天地さんの言葉に首をかしげながら聞き返した


【天地】

「契約の事だよ、俺たち技能者特有の面倒な定めだ、お前も技能者なんだからそれくらい知ってんだろ?」


【火焔】

「・・・なら、誰かと契約すれば僕はまだ強くなれるんですよね?」


【天地】

「簡単に言うね~ほんとにわかってんのか?お前」


そう言う天地さんは少し不満そうだ


【天地】

「契約する事で限界突破する事ができて魔力を上げる事は可能になる、でもその代わりにリスクも背負うことになるんだぞ?

 一度契約すると二度とやり直しできないし、嫌になっても契約者と一緒にいなきゃいけなくなるしな~」


・・・契約者を後から変更する事は絶対にできない

・・・そして、もし契約者が死ぬと


【天地】

「契約者を失った技能者は契約する前の魔力に強制的に戻ってしまう

 そうなると二度と魔力を上げる事はできなくなる

 だから契約者である主を必死に守んきゃいけないって面倒な縛りができちまう」


・・・それは技能者からしたら絶対的な縛り


・・・魔力を維持するための主を守らなければいけないと言うルール


・・・脅しにも似た


・・・絶対的な忠義を誓わなければいけない


【天地】

「だから~契約する相手はしっかりと選べよ~

 コイツみたいにさ」


そう言って魔境さんを指差した


【火焔】

「・・・天地さんは魔境さんと契約してるんですよね?」


そう言えばちゃんと確認した事がなかったので尋ねてみた


【天地】

「これ見れば分かるだろ~」


そう言って自分の右耳を指さした


そこには契約の証である誓錠せいじょうという名の金色に輝くピアスが付けられていた

そして、魔境さんの耳にも同じ誓錠が付いている


【火焔】

「・・・でも、誓錠だけじゃ誰と契約してるか分からないじゃないですか」


確かに誓錠は技能者、もしくは主として契約している証だが

その形に個人差はなく誓錠を見ただけでは誰と契約しているかまでは分からない


【天地】

「いやいや!こんな無愛想な奴と契約するのは俺以外いないだろ~」


そう言ってからかうように笑っている

・・・コメントに困る事を言わないでほしいな


【火焔】

「・・・魔境さんはどうして天地さんと契約したんですか?」


何となく気になったので魔境さんに聞いてみた

・・・正直、僕なら契約したくない


【魔境】

「・・・契約して欲しいと頼まれたからだ」


つまらなそうに言葉を返し

魔境さんは魔法陣の部屋へと出て行ってしまった


【天地】

「ほんと、つまんないやつだね~」


そんな魔境さんをからかうように笑っている


【天地】

「まぁ、アイツが急にハイテンションで話し始めても怖いけど~」


【火焔】

「・・・天地さんはなんで魔境さんと契約したんですか?」


愉快そうな天地さんの笑い声を止めるように言葉を向けた


【天地】

「普通に考えてみろ

 絶対にリスクを負わないといけないなら少しでもリスクを下げる相手と契約するのが一番だろ?」


【火焔】

「魔境さんと契約するとリスクが下がるんですか?」


【天地】

「当たり前だろ~?

 あいつなら俺が無理して背中を守らなくても死んだりしない

 心臓を刺されても死なないんじゃないかね~多分」


・・・つまり、弱い人より強い人と契約する方が後々の為には良いと言う事だろう


・・・確かに魔力の無い人と契約するよりは

魔境さんのように強い人と契約した方が何かとお得な気がする


【火焔】

「なるほど!強い人と契約すればいいんですね!」


声を上げ、初めて天地さんの言葉を素直に受け取った


【火焔】

「でも難しいですよね~

 どうやったら魔境さんみたいな人が見つかるんだろう?」


そもそも人の魔力がどの程度なのかは戦ってみないと完全に見る事はできない


【火焔】

「天地さんはどうやって魔境さんと出会ったんですか?」


参考にしようと思って尋ねてみた


【天地】

「・・・・・・・・」


が、天地さんは考え込むように目をつぶっていた


【火焔】

「・・・天地さん?」


そんな天地さんを少し不審に思い更に声をかけた


【天地】

「あ~・・・ん~・・・

 いや、ただ強いやつってのはちょっと違うかな~」


何故か困ったように苦笑いで言葉を返してきた


【火焔】

「・・・なにがですか?」


【天地】

「確かにさ~魔境を主にする事で俺のリスクが下がるってのも間違いじゃねーんだよ」


少し言いにくそうに言葉を続けた


【天地】

「でもさ~ついでにアイツのリスクも下げてやりたかったんだよね~」


【火焔】

「・・・魔境さんのリスクですか?」


【天地】

「そ~・・・アイツが死ぬ確率を俺が下げてやろうと思ったわけ」


【火焔】

「・・・・・・・・」


僕はそんな天地さんの言葉を上手く理解する事ができなかった


・・・死ぬ確率を下げるって

・・・どういう意味なんだろう?

・・・よく分からないなぁ


【天地】

「まぁ〜、ついでだけどね、ついで」


そう言いながら立ち上がり足早に魔法陣の部屋へと続く扉を開けた


【天地】

「別に強さってのは魔力を上げるだけじゃないから、今のお前に決定的に足りないのは知識

 だから~適当に部屋にある本でも読んでろ」


そう言って逃げるように天地さんは行ってしまった


【火焔】

「・・・・・・・」


天地さんの言葉を考えながら食器の片付けを始めた


・・・僕に足りないのは知識か

・・・でも、そんなの戦闘でなんの役たつのだろうか?

・・・攻撃しないと勝てないのだから

・・・考えるよりまず、相手に攻撃を向けるべきだと思う

・・・分からないなぁ


【火焔】

「・・・・・・・」


・・・でも、僕はもう魔力を上げる事ができない

・・・なら強くなる為に簡単には死なないような強い主を探さないと


【火焔】

「・・・・・・あ!」


何気なく見た手の平に書いてある文字に気がついた


・・・しまった、竜輝の事忘れてた


慌てて片付けた食器を見るが

そこには食べられる物は何も残っていない


【火焔】

「・・・どうしよう」


・・・家にないのなら

・・・買いに行くしかないよね?


【火焔】

「・・・よし!」


そう思って僕は外に向かって走り出した



昼に向かう朝日に照らされたヴィザールの街に出て何か食べ物を買おうと周囲を見回した


・・・でも、何がいいだろう?

・・・調理とかしないで食べられる物が良いよね?


【火焔】

「・・・パンとか・・・フルーツとか・・・お菓子かな?」


そうと決まればさっさと買って帰る事にした



【火焔】

「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ」


全力で買い物を済ませ全力で帰って来た


・・・階段の上り下りは意外と良いトレーニングかも知れない


【火焔】

「・・・・・・あ」


・・・でも

・・・あの子は何処にいるんだろう?


【火焔】

「・・・・・・・・・・」


・・・困ったな

・・・全然、当てがない


とりあえずリビングに来てみたがあの子の姿はない

キッチンに来てみたが誰もいない

更に廊下を探して見るが・・・見つからない


【火焔】

「・・・はぁ」


・・・どうしよう

・・・もしかして、出かけたのだろうか?


【火焔】

「・・・・?」


その時、一つの部屋のドアが少し開いているに気がついた


【火焔】

「・・・・・・・」


そっと中を覗いてみるが誰の姿も無い


【火焔】

「・・・・・・・」


・・・でも、僕はこの部屋を何度か覗いた事がある気がする


・・・時々、何故か少しだけドアが開いていて


【火焔】

「・・・・・・・」


自分の手の平に書かれた文字を確認した


・・・そこにはあの子の名前


・・・あの子の名前は


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