火◾️開け方
【火焔】
「・・・・・・・・・」
・・・僕はどれくらいここに座っているだろう?
気がつけば日は夕方へと向かっていた
【火焔】
「・・・・・・はぁ」
あの子に申し訳なく思うのに
・・・僕はあの子の事をまた忘れてる
・・・あの子がどんな服だったか
・・・あの子はどんな子だったか
・・・しかも
【火焔】
「・・・・・・お腹すいた」
・・・無神経にも僕は空腹でたまらなかった
【火焔】
「・・・・・・・・・」
重たく感じる体を動かし
僕はヴィザールに向かって歩き始めた
・
・
・
中庭で階段へと続くドアに手をかけた
「・・・何してる?」
と、その時、声をかけられ振り返ると
・・・魔境さんがいた
【火焔】
「あの・・・ちょっと出かけてて・・・帰ろうと思いまして」
何故かとても緊張した
【魔境】
「・・・・・・ついて来い」
そう言って魔境さんが歩き出し
ノブの無い扉に手を向けた
すると扉はゆっくりと左右に開き始めた
【魔境】
「・・・・・・・」
魔境さんは何も言わずに中に入って行く
【火焔】
「・・・・・・・」
・・・とても緊張して息苦しく感じるけど
ついて来いって言われたので僕もそれに続いた
扉の中に入ると魔法陣の中心に立っている魔境さん
それに並ぶように僕も魔法陣に乗った
すると、竜巻を起こすような黒い稲妻が僕達を包み
一瞬圧を感じたと思ったら違う場所へと移動していた
・・・やっぱり、凄い
・・・しかも凄く便利だ
そして魔境さんは無言で1つしかない扉に向かって歩き始めた
【火焔】
「・・・あの!」
その背中に慌てて声をかけた
【火焔】
「・・・その扉ってどうやって開けてるんですか?」
・・・別に天地さんを疑ってる訳じゃないけど
・・・少し気になった
【魔境】
「・・・魔力を送ると開くんだ」
そう言って魔境さんが扉に手を向けると
扉は左右にずれるように開いた
・・・どうやら天地さんは本当の事を言ってたようだ
・・・弟子にしてもらおうとしてるのに天地さんを疑うなんて
・・・少し反省した
魔境さんに続くように僕も扉から出ると
見慣れたリビングが広がった
そこには帰ってきた僕たちに視線を向ける天地さんがいる
【火焔】
「天地さん!お疲れ様です!」
改めて尊敬の気持ちを込め天地さんに頭を下げた
【火焔】
「ぐ!?」
が、思いっきり天地さんに思いっきりげんこつされた
【天地】
「このクソガキ!片付けしとけって言っただろうが!」
不愉快そうに叱られてしまった
・・・悪いのは僕だけど
・・・殴らなくても良いのに
【火焔】
「・・・すみません・・・ちょっと出かけてて」
【天地】
「くだらねぇ言い訳すんじゃねぇ!」
そう言って再びゲンコツされた
・・・かなり痛い
【魔境】
「・・・天地」
そんな中、静かに魔境さんが口を開き
【魔境】
「・・・こいつに扉の明け方くらい教えてやれ」
注意するように一言告げた
・・・まずいかもしれない
【天地】
「・・・あ~?何でそんなこと言うんだ~?」
僕を横目にニタニタ笑いながら魔境さんに訪ねている
【魔境】
「・・・扉の開け方を聞かれたからだ」
そう言って真っ暗な廊下へと魔境さんは消えていった
【天地】
「・・・へ~?教えてやったのに魔境に再確認したのか~?何でそんなことしたんだ~?」
そして、天地さんはニタニタと笑いながらゆっくりと僕に近づいて来る
【火焔】
「ち、違うんです!待って!僕の話を聞いて下さい!!」
近づいて来る天地さんから後退りしながら叫んだ
が、僕の言葉は天地さんに届く事なく
【天地】
「・・・そんな事が許されると思ってんのか~?」
恐怖を感じる言葉と共に天地さんの気が収まるまで僕は追い掛け回された




