火◾️テスト
【天地】
「起きろ!ばーか!!」
怒鳴り声と共に激しく蹴り飛ばされた
【火焔】
「・・・い・・・たい」
ベッドから落ちてしまった体を起こし
まだ眠たい目を開けた
【天地】
「さっさと起きて朝飯の準備しろ!」
不愉快そうに僕を怒鳴りつけ天地さんは部屋から出て行った
【火焔】
「・・・・はぁ」
ここに来て毎朝のように天地さんに蹴り起こされる
・・・一度でいいから普通に起こしてほしいな
・
・
・
いつものようにリビングで朝ご飯をテーブルに並べていると魔境さんが姿を見せた
【火焔】
「おはようございます」
笑顔で挨拶をするが魔境さんは何も返してくれない
・・・まぁ、いつもの事だけど
【天地】
「あ~、腹減った」
だるそうな声に目を向けると天地さんもリビングに姿を見せ
早々に椅子に座り僕が準備したご飯を食べ始めた
【火焔】
「・・・あの、いつも思ってたんですけど
ご飯って誰が作っているんですか?」
僕も席に座りながら天地さんに尋ねてみた
【天地】
「下で料理人が作って食用エレベーターで上に上げてんだよ~、つーか、食わないのか?」
軽く答え逆に質問された
椅子に座ったが僕はまだご飯に手をつけていなかった
【火焔】
「あ~・・・後からゆっくり食べようと思って」
そんな天地さんに苦笑いで言葉を返した
【天地】
「・・・ふ~ん、まぁいいけど、飯食ったらちょっと用事あるから出かけるぞ」
【火焔】
「え?僕もですか?」
突然の天地さんの言葉に少し驚きながら言葉を返した
【天地】
「そーだよ、だからさっさと食え」
【魔境】
「・・・なにをさせるつもりだ?」
面倒そうな天地さんの言葉に魔境さんが尋ねている
【天地】
「使い物になるか見てみるだけだよ~」
【魔境】
「・・・なにを見るんだ?」
軽く返した天地さんに不審そうな目線で魔境さんが再び尋ねた
【天地】
「・・・魔力に決まってんだろ?
・・・他になにがあるんだよ?」
そんな魔境さんに不満そうに尋ねている
【魔境】
「・・・・・・・・」
【天地】
「・・・・・・・・」
【魔境】
「・・・・・・・・」
【天地】
「・・・なんか言ってくれないと否定もできねぇだろ?」
黙り込んだ魔境さんにため息混じりでつぶやいた
【魔境】
「・・・お前が決めたのならお前の好きにすればいい・・・だが、問題だけは起こすなよ」
静かな言葉を残し魔境さんは扉からリビングを出て行った
【天地】
「・・・だってよ?もし、問題を起こしたら魔境からお仕置きされるから覚えとけよ~?」
そして、天地さんはニタニタと笑いながら僕に言葉を向けてきた
・・・でも、魔境さんの言葉は天地さんに向けられたものだと思う
【天地】「俺たちもそろそろ行くぞ?早く食えよ」
席を立ちながら僕に言葉をかけてきた
【火焔】
「あ~・・・いや、もういいです」
ほとんど手をつけてない食事を残し僕も席を立った
【天地】
「・・・なんで食わないんだよ?もったいねーだろ?」
【火焔】
「えっと・・・今日はあまりお腹空いてないので・・・」
不愉快そうな天地さんに苦笑いで言葉を返した
【天地】
「・・・お前も技能者だから分かってると思うけど、俺たち技能者は体力が無くなると動けなくなるぞ?魔法だって体力で使うんだからな?」
【火焔】
「・・・それは分かってますけど・・・今日はいいんです!早く行きましょう!」
天地さんの言葉に軽く返し、笑顔で廊下に向かって歩き出した
【天地】
「どこ行く気だよ、バーカ!」
そんな僕に天地さんが不愉快そうに声を上げた
【天地】
「今日はここから外に出るんだよ」
そう言って、さっき魔境さんが入って行った扉に手をかざした
すると、扉は左右にずれるようにして開き始めた
・・・魔境さんと天地さんはいつもこの扉で何処かに出かけているが
【火焔】
「・・・これってどうやって開くんですか?」
【天地】
「魔力を込めると開くんだよ」
・・・そう言えば昨日、魔力を送れとか言われたなぁ
【火焔】
「でも、昨日僕がやっても開かなかったですよ?」
【天地】
「そりゃ~お前がヘタレだからだよ、俺は一発で開けられたぞ~?」
そう言う天地さんは自慢げで誇らしげだ
【天地】
「言っとくけど、こじ開けたわけじゃないからな?これは魔力でしか絶対開かない」
【火焔】
「・・・絶対ですか?」
少し疑いの眼差しで天地さんを見つめた
【天地】
「絶対だ、俺が無理やり開けようとしてもビクともしなかったからな~」
そう言いながら、天地さんは扉の中に入って行った
その後に続いて僕も扉の中に入った
【火焔】
「・・・うわぁ!」
その部屋の光景に少し驚いた
円状に囲われた暗い部屋の床には見たことのない丸い模様が入っていて神秘的な光を放っていた
【火焔】
「なんですか?これ!」
少しワクワクしながら天地さんに尋ねてみた
【天地】
「魔法陣も知らないのか~?知力に関してはダメみたいだな」
そんな僕を鼻で笑いながら魔法陣と言うものの中心に向かって歩き始めた
【天地】
「お前も早く来い」
天地さんに呼ばれ僕も魔法陣に上に乗った
【火焔】
「・・・・・・・」
・・・なんか不思議な感じだ
・・・足元から・・・魔力を感じるような
・・・感じないような
【天地】
「んで~、魔法陣に魔力を込めると~」
そう言って天地さんが足元に広がる魔法陣に手を向けた
【火焔】
「っ!?」
その瞬間、竜巻を起こすような茶色い稲妻が俺達を包み
一瞬だけ体を押すよな圧を感じたと思ったら違う場所へと移動していた
足元にはさっきと同じような魔法陣が広がっている
【火焔】
「なになになになに!?なにが起こったんですか!?」
慌てて天地さんに声を上げた
【天地】
「スゲーだろ?移動魔法陣なんだよ~
超カッコイイだろ~?」
なんとも上機嫌で自慢げに返された
・・・確かにこの魔法陣は凄いけど
・・・別に天地さんが凄い訳じゃないような気がする
【天地】
「次はこっちだ」
そして、いくつかある扉の中から1つの扉に向かって歩き出し
天地さんが手をかざすと、扉は左右にずれるように開き始めた
【火焔】
「・・・凄い」
そこは広い裏庭だった
・・・あの魔法陣で一気に下まで降りてきたのだろうか?
・・・僕は何十分もかけての階段を上り下りしたのに
【天地】
「さてと~んじゃ始めるぞ?」
そう言いながら天地さんはゆっくりと僕から距離を取った
【天地】
「俺に一発でも当てる事ができたら、お前を弟子として認めてやる」
少し笑ったような顔で僕にまっすぐ視線を向けた
【火焔】
「っほんとですか!?教えてくれるんですか!?」
そんな天地さんの言葉に嬉しさを隠す事ができず声を上げた
【天地】
「一発でも当てられたら、なんでも教えてやるよ~」
ニタニタと天地さんらしい笑顔で返してくれた
【火焔】
「っよし!!」
その言葉で一気に自分の魔力を開放した
【天地】
「・・・へ~?」
【火焔】
「行きますよ!!」
観察するように僕に視線を向けた天地さんに向かって一気に駆け出し
火を纏った拳を真っ直ぐに天地さんへ向けた
【火焔】
「っ!?」
が、その瞬間横から巨大な石の塊が飛んできて一気に吹っ飛ばされた
【火焔】
「天地さんも攻撃するんですか!?」
受身をとり慌てて天地さんに声を上げた
【天地】
「あ~?当たり前だろ?当たるの嫌だし~」
そんな僕を愉快そうに笑っている
・・・なんて言うか
・・・こういう状況だと強い人は反撃せずに避けたりするんじゃないかな?
・・・それで、実は一歩も動いてないとか
・・・それが凄かったり
【天地】
「何やってんだ~?お前が攻撃して来ないなら、俺から攻撃するぞ~?」
ニタニタと笑い本気であろう言葉を向けてくる
・・・どう考えても力の差は歴然なのに
・・・大人げない人だ
【火焔】
「っよし!!」
でも、動かず攻撃されたら嫌なので
今度は足元を狙って天地さんにスライディングをしてみる
【火焔】
「ぐ!?」
すると、突然地面から土が盛り上がり
僕の体は空高く跳ね上げられた
【火焔】
「っ!!」
空中で向きを変え
地上にいる天地さんに手を向けた
そして、一気に天地さんに向かって炎の渦を飛ばした
・・・これなら当たる
そう思ったんだ
でも、僕を見つめる天地さんは
・・・凄く楽しそうにニタニタと笑っていた
【火焔】
「うわ!?」
その瞬間、僕の炎の渦を打ち消すように土の竜巻が起きた
抵抗する事もできない土の竜巻に僕の体は飲み込まれ
【火焔】
「ぐっ!?」
そして瞬く間に地上へと引き戻される
そんな僕の目に一瞬、天地さんの姿が映った
が
【火焔】
「っ!?」
それは前からでも、横からでも無く
・・・天地さんの姿は何故が上に見えた
【火焔】
「っ!?」
竜巻が消えた時には周囲は真っ暗闇
・・・正直なにが起きたのか分からない
【火焔】
「っ天地さん!?僕何処にいるんですか!?」
言いようのない恐怖から慌てて声を上げた
・・・何故かとても土臭く、息苦しく感じた
【天地】
「あ~?何処にいるんだろうな~?俺にも分かんねぇわ!」
そう言いながら愉快そうに笑う声が聞こえる
・・・何故か頭上から
・・・嫌な予感がした
【火焔】
「・・・天地さんっ!
・・・僕、もしかしてっ!土の中にいるんですか!?」
僕がいる空間は両手を広げほどの幅で
手には土の感触を感じた
高さは立っていられる程はあるがギリギリだ
天井にも土の感触を感じる
【天地】
「そーみたいだな~!可哀想に~!!」
言葉とは裏腹になんとも楽しそうに返された
【天地】
「んじゃ~今日は解散な!家に帰ったら片付けしろよ~?」
【火焔】
「え!?ちょっと待って下さい!!僕はどうしたら!?」
去って行く足音に慌てて声を上げた
【天地】
「出てくればいいじゃ~ん?
言っとくけど爆発させたら庭を壊す事になるからな~?そーなったら、魔境からお仕置きされるぞ~?」
そう言いながら笑う天地さんの声がどんどん離れて行った
【火焔】
「待って!じゃあ、どうやって出たらいいんですか!?」
更に声を上げて尋ねた
・・・が、天地さんから返事が返ってくる事は無かった
【火焔】
「・・・ど、どうしようっ」
視界に全く光を感じない
・・・怖くて怖くてたまらない
・・・でも
【火焔】
「・・・なんか・・・息苦しい」
・・・さっきより息苦しく感じる
・・・これは恐怖からなのかも知れないけど
【火焔】
「・・・もしかして・・・空気が無くなってるっ!?」
そう感じた瞬間、慌てて頭上を掘り始めた
・・・爆発させるのがダメなら僕の炎魔法は使うことができない
・・・つまり、僕には掘るしか選択はないのだ
【火焔】
「ぐっ!!」
犬のように必死に土を掘る僕の目に砂が入ってきた
・・・予想以上の痛みだ
・・・でも、土は思いのほか柔らかい
・・・多分、天地さんが掘りやすいようにしてくれてるんだろうけど
【火焔】
「・・・ひどいよぉ」
・・・生き埋めで放置なんてひどすぎる
・・・あんまりだ
・
・
・
【火焔】
「・・・はぁ・・・はぁ」
どれだけ掘ったか分からないけど
やっと、地上に出られた
【火焔】
「・・・はぁ」
・・・久しぶりのような空気がおいしい
・・・光があるって素晴らしいんだなぁ
【火焔】
「・・・・・・・・」
辺りを見回してみるが天地さんの姿はどこにも見えなかった
・・・実はどっかで見てるのかと思ったけど
・・・天地さんは本当に僕を残して行ってしまったようだ
【火焔】
「・・・ひどい」
・・・なんて薄情な人なんだろう
少し、天地さんに不満を感じながら家に戻る為に動き始めた
そして、さっき天地さんと出てきた扉に手をかざしてみた
【火焔】
「・・・魔力を送る」
目を閉じて集中し
天地さんに教えてもらったとうりにしてみた
【火焔】
「・・・動かない」
しばらくやってみたが扉は動く気配はない
・・・本当にこの扉は魔力を送る事で開くのだろうか?
【火焔】
「・・・・・・他にやり方があったりして」
・・・別に天地さんを疑ってるわけじゃないけど
・・・何故か天地さんの言葉を素直に信用できないなぁ
とは言え、今の僕にはこの扉を開けることはできないようだ
無理やりこじ開けようにも
この扉にはそもそもドアノブなんて付いてないし
押してもビクともしない
仕方ないので天地さんに教えてもらった階段から家に戻る事にした
【火焔】
「・・・・・・」
目の前にはどこまでも続くような階段
【火焔】
「・・・はぁ」
・・・疲れてる体に更に疲れがたまっていく気がした




