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竜宮城

絶対者と呼ぶべきか……

夢の夢に

わたしは

連れていかれました。

そこは

黄金時代や桃源郷

あるいは

極楽や天国と呼ばれるところでした。


そこでは

絶対者から授かるものに

不満を抱くものはありませんでした。

それがどんなものであれ

そこに住む者達にとっては

極上の雫であり

甘い蜜や香油であり

愛する者からのあの金言だったからです。


そうして

私に授かったのは

1人の天女でした。


わたしは天女を

はじめから好きで

どうしようもないほどでしたが

それを

決して顔には出さないようにして

目を合わせませんでした。


そうして

幾日か経ちますと

天女がわたしに言うのでした。


「あなたさまは、わたしの顔ばかり観て下さいますが、心を……心を観て下さらないのです。それでは、わたしはやがて、絶対者様のもとへ、還らなければなりません」


わたしは

感動して、揺らいだあとに

天女に言いました。


「分かりました。今からわたしの寝顔を御見せしよう。」


「はい。分かりました。」


2人は

寝顔を観てびっくりしました。

それは、羽根の生えた天使であったからです。

2人は

永遠というものを

ようやく

覚えたような気がしたのです。


それからというもの

2人はいつまでも

しあわせに暮らし

気が付けば

おじいさんやおばあさんに

なっておりました。


ある日のこと

おじいさんはおばあさんに

言いました。


「おばあさん、おばあさん。そういえば、名前は何ていうの?」


おばあさんは、微笑みながら

言いました。


「おじいさん、おじいさん。わたしの名前を何度明かせば、気がすむのですか?」


2人は大声を出しながら

腹から笑って

何やら、聞いたことのない言語で

ささやき合うのでした。


そのささやきや

言の葉というものは

川を生み

海の幸さえ生みました。

山では

木々や花々が不揃いに

萌えるほどで

鳥達はさえずり合いました。


やがて……

2人は

仲良く、溌剌(はつらつ)として

絶対者の元へ

還っていきました。

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