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飛翔
儚い夢でさえ永遠のものにしている
黄色の花々が風と
スローワルツしている
今宵山々に憩う鳥達も
いつか天国で
恋するのだろう
この風は
どこから来て
どこに帰っていくのだろう
あなたの声は
どこの命の故郷から
どの宇宙の片隅に
発声しているのだろう
この世界の中心のエネルギーでは
どんな歌が歌われているのだろう……
最近
戦争に加担する
愚かな人間も可愛らしく感じるのだよ
なんだか
前世の私みたいで
他人事ではないんだよ
馬鹿だよな
本当に馬鹿な人間だよな
人間って愚かだよな
人間って愚かなだけ
だよな
無能と無力の刀
が
胸に突き刺さる
詩っていうのは
されど詩っていうのは
現実を夢に変えるんだよ
事実なんて
そんな乱暴なものではないよ
やさしい真実の韻を踏むんだよ