絶望の日々を超えるための詩
自分よ、今から言うことをよく聞いてほしい。
この詩を読んだ今の時間をよく覚えておくんだ。
2021年の10月の半ばを過ぎたこの寒い夜を。
お前は今、絶望している。
SNSを開けば知り合いが充実した日々を送っていて
ダラダラと見続けている動画では、金持ちがお前にとっての大金を湯水のごとく使って笑っている。
そしてお前はこう思うんだ。
じゃあ自分は?
お前は貧しく、恋人もいない。
自分にだけできることも無いし、得意だと万人に胸を張って言えることも無い。
かといって何かに挑戦する思い切りもなければ、そんな時間もない。
そして周りを見て自分の劣等性を刺激され、そして漠然と死にたいとさえ思っている。
それは誰かが理解してくれるものではないし、理解されたからと言って解決するものではない。
苦しいだろう。悔しいだろう。恥ずかしいだろう。
だがな、一つ言っておく。
お前はいつか、その苦しみを笑い飛ばせるぐらい大きな成功を収める。
周りの人間はお前を認め、多くのスポットライトがお前を照らす。
記者が押し合いになるぐらい詰めかける、それはもう苦笑いしてしまうほど必死にな。
そしてお前の成功は称えられ、過去のお前の失敗は笑い話として語られるだろう。
そして壇上で高笑いしながらこう言うんだ。
「ざまあみろ!!」って。
お前を影で笑ってきた人間に、お前を軽んじてきた隣人たちに聞こえるようにな。
あれほど爽快な夜はない。
天に登って星になるぐらい、素晴らしい夜だった。
お前は成功する。
お前は幸せになる。
必ずだ。
だからな。
絶望するな、悲観するな。
この運命の激流に、泥をすすりながら足掻け。
お前の成功を待っている人間が、その流れの先にいるんだ。
自分の命を終わらす方法を探る時間があるなら、その間にも成功の糸口を探し当てるんだ。
手当たりしだい探すから、大きく傷つくし恥ずかしい思いもするかもしれないが。
お前は成功する。
お前は幸せになる。
いいか、もう一度いう、これを読んだ時を覚えておくんだ。
この苦しみと劣等感と悲しみと一緒にな。
いつかそれが全てひっくり返り、「青かった」と思えるから。
今のその苦しみをいつか笑い飛ばせる日が来るように、
この詩を世界一幸せな俺から、世界一不幸なお前に送る。




