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大空は変わらずに風が吹く。  作者: 白木飛鳥
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第1話

12年前、私の父親と母親は当時5歳であった私を置いて旅に出た。

出発前は、二人とも「行ってきます!」と元気よく出ていった。

それから12年、両親たちは・・・。


「美空?眠れないの?」

「どうしたん?」

「ううん。なんとなく考え事してて・・・。」

「なにそれ?まるで隆晴みたいだよ。」

「やめてよ。あいつとは違うよ。おやすみ。」


次の日は、目覚ましが鳴る5分前に起きた。


「あら、美空。早いわね。」

「あ、おばさん。おはよう。」

「6時には出発するから必要なもの車に積んでおいてもいいわよ。わたしは、あの二人起こしてくるわ。」

「はーい。」


歯磨きと洗顔をしてリビングでご飯を食べて、

必要なものをリュックに詰めて車に乗せた。


「お、美空。おはよう。」

「あぁ、隆晴、康太。おはよう。」

「二人も起きてたんだ。」

「おぉ、海子、夢香。」


この四人は私のことを最も知っている人たち。


金髪の一見ヤンキーっぽいこいつは大地康太だいち こうた

見た目に寄らず優しくて頼れるやつである。


その横で寝ぼけ顔でこちらを見てるのは相野隆晴あいの たかはる

なんだかんだで頼りがいのあるような男である。


原価から出てきた青髪の女子は広野海子ひろの うみこである。

朝がとても苦手で昼間は元気な女の子である。


最後がこの家の娘でもある花苗夢香かなえ ゆめかである。

心優しい子、キレイな心しか持たない女の子である。


そして、私は八神美空やがみ みそら


車が出発してから私はすぐに寝てしまった。

だから、あっというまに御前崎灯台に到着した。


そこの近くにあるお墓までみんなで歩いて向かった。

三つのお墓が並ぶ右側にあるのが私の両親のお墓である。


「お父さん、お母さん。今年も会いに来たよ。もちろんみんなでね。」


枯れかけた花を差し替えて手を合わせた。

そのあと、康太と海子と目を合わせて後ろに振り返った。


「おじさんたち、今年も親父たちにあわせてくれてありがとうございました。」


そう、言ったのは康太であった。

私と海子もお辞儀をしていた。


「いいのよ、これは私たちの役目でもあるのだし。」

「そうだよ。私たちも今年もこれてよかったわよ。」

「そういっていただけて助かります。ありがとな。隆晴、夢香。」

「あぁ。」


ほんとうにそうである。毎年私たちを連れてここに来てくれるのである。

感謝しかない。おじさんたちはまだ私たちの両親に起きたことの事実を解明してくれている。


帰り道は私と夢香の母親と運転してくれている夢香の父親しか起きていなかった。


「美空は眠らなくていいのか?」

「うん、行きに寝すぎて眠くないよ。」

「今年も来れてよかったわ。」

「本当にありがとうね。おじさん、おばさん。」

「いいんだ。事件はまだ解決してないがな。」

「いいよ、その気持ちはとてもうれしいけど仕事もあるだろうし。」


「帰るね、お母さん、お父さん。」

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