強すぎる加護
刑事1「詳しく話してくれるかな?」
女の子「うん、解った」
小学生の私には霊感が少しだけある。
と言っても、肌で感じる、匂いくらい、見る事は出来ないの。
私の友達に冴子っていう女の子が居るんだけど、その子はとにかくヤバいの。
何か大きなモノが冴子ちゃんの周りに居るんだけど、それが何かは見えないの。
それに多分1体じゃないの。
沢山いる感じがするの。
冴子ちゃんはとっても綺麗な色が白い女の子なの。
美人さんだし、上品だし、お嬢様なの、家が本当に大きいの。
でもね、そんな冴子ちゃんって男の子達からもスカートめくられたり、髪の毛引っ張られたり、色々悪戯されるの。
私は怖くて後からごめんね、ごめんねって近づくの。
冴子ちゃんはいいのよ、気にしないでって、また遊んでくれるとても優しい子なの。
男の子達に人気があるから、他にも敵が沢山いる冴子ちゃんなの。
それは女の子達なの。
ノートとか、教科書とか、体操服とか、落書きされたり、体操服はお胸のところだけ穴を空けられてたの。
冴子ちゃんは怒って教室を出て行っちゃったの。
冴子ちゃんはそれからその日は教室に来なかったの。
その日の給食の時に、冴子ちゃんをいじめてた男の子達と、女の子達がうー!ってお腹をこうやって、こうやって、苦しそうだったの。
そしたら皆、ばたーんって!たおれたの。
お救急車で運ばれて行ったけど、死んじゃった、冴子ちゃんいじめてた子達皆死んじゃったの。
冴子ちゃんそれから、次の日に学校来たの。
刑事1「・・何故、死んだって解るんだい?」
女の子「?解るよ?だってふわふわしてたもん!」
刑事1「ふわふわ?何が?」
女の子「?からだ!体がふわふわして、消えたみたいになったから!体が軽くなるんだよ!知らないの?」
刑事1「・・あー・・そうだよね、解るよ、・・・・じゃあ、この辺で、・・終わりだよ、お話ありがとね、おじさん助かったよ」
女の子「うん!どういたしまして!」
〈パタン〉 女の子が出て行った。
刑事1「・・どう思う?」
刑事2「・・どうって・・こんなの・・上にどう報告します?」
刑事3「あー・・まあ・・適当に書いとけ」
刑事4「腹から大量の生きたうじとムカデが出て来た原因が呪いだってか?」
刑事1「信じられないが・・俺らはそういうのが専門じゃあない、犯人は居ない、捜査終了、以上だ、解散解散」
公園。
ブランコ。
冴子「陽子ちゃん、・・その・・ありがとうね」
陽子「え?何が?」
冴子「いつも一緒に遊んでくれて」
陽子「何言ってんの?私達友達じゃん!当たり前だよ!」
冴子「う、うん」
陽子「それにしてもさあ、冴子ちゃんを守ってるやつ、凄いよね!」
冴子「・・え?」
陽子「いじめてくる奴らなんかあっという間にやっつけちゃうしさ!私も守られているのかなあ?ふふふ、私も守ってくれてるんでしょ?ありがとうね?冴子ちゃん!」
冴子「・・気づいてないの?」
陽子「え~?何があ? 〈キイコ、キイコ〉」
冴子「・・・・う、ううん、何でもない」
一緒にブランコをこぎ出す冴子。
冴子の後ろ。
白い大狐が憑いている。
その周りには偉い武者や、侍達が居る。
冴子がチラッと陽子の後ろを恐る恐る見る。
巨大な。
3~4M はあるだろうか。
巨漢なハニワみたいな体に、頭がついていて、顔は3つの穴が空いているだけ。
陽子がブランコをこいで、陽子の体がハニワをすり抜ける度にグフ、グフ、グフ、グフと笑っている。
冴子「 (私じゃないの、ごめんね、皆ごめんね、私じゃないの、私に憑いてる人達でも無理みたい・・ごめんね、ごめんなさい、ごめんなさい)」
陽子「私、冴子ちゃん、大好き!!」
冴子「あ・・ありがとう・・〈ツー・・〉ヨウコちゃん・・」
ハニワ〈グフ〉
END