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約束のアポストル  作者: 飯綱 阿紫
171/173

13-17-12-4

「それでさ、一回使ってはみたんだけどまず相手に攻撃が当たらなくってさ。」

「大剣は振りかぶって攻撃すると遅いから素早く動くような相手だと全然当たらないよな。」

ディアナとの話は食事が終わった後も白熱した。

お互い共通の話題があって、アーロンもディアナもここがこうで、あぁだよね、などと話を始めてしまうと次から次へと話題が出てくるのだろう。

ふと時間を確認すると、そろそろおやつ時。

食事をしていたお皿はすでに下げられて、すでにおかわりのお茶も数回淹れてもらっている。

そろそろ出るか、追加注文をしたほうがいいだろうか。

などと考えていると。

「ねぇ、もうちょっと話したいし、良い時間だからおやつも頼もうよ。」

と、ディアナのほうから声を掛けてくれた。

「そうだな、俺も丁度そう思っていたところ。」

「本当!ならよかった!何にしようかな~。」

「何があるんだろうな。」

「フルーツたくさんの焼きケーキとか、パンケーキもあるし……あ、このチーズケーキもおいしいんだ。」

「チーズケーキってなんかたくさん種類なかったか?」

「あるよね、固めとか生っぽいとか……、これはしょっぱい感じ。」

「しょっぱ……?ケーキだよな?」

「ケーキだよ、この生地のところがふわふわでパンケーキみたいにほんのり甘くって、チーズはとろ~ってとけてしょっぱいの。」

「しかもあったかいのか。」

「しょっぱいと甘いが同時に味わえるし、チーズがすごい伸びるからおいしいんだよこれが……。」

「俺それにしようかな、なんか食べたことなくって興味でてきた。」

「いいね~、私は……やっぱりタルトかな~日替わりのくだものタルトって興味惹かれるよ。」

「さすがシペリセラって感じだな。」

「でしょ!」

そのようなことを言い合いながら、再び注文をする。

おやつとして頼んだものはわりとすぐに運ばれてきて、アーロンの注文したチーズケーキは特にいい匂いを周囲にばらまいていた。

「うぉ、これは……。」

「おいしそうでしょ~、まぁこの辺り発祥の食べ物じゃないみたいだけれどね。」

「あぁ、これも別の地域の食べ物なのか。」

「うん、チーズが名産のところあったでしょ、確かそこの。」

「チーズって結構名産地ばらけてなかったっけ……?」

「アウーユルダーとルネフシリアと……?」

「セゼニのチーズは絶品だって聞いたんだけど。」

「あー、確かにセゼニのチーズ……っていうか乳製品おいしいしお肉もいいもの多いよね……。」

「あとイリエンにもなんかあったよな。」

「イリエンのは確かなんか……色のついた……ちょっと臭いの独特な……。」

「あったなそれ、食べたことないけど……確かなんか青いんだろ?」

「そうそう、私は一回食べたんだけどちょっと私の求めてるチーズとは違ったからあんまり食べてないんだよね。」

「……結局どこのかはわからないな、これ。」

「案外別の所のかもしれない説出てきそう。」

「まぁとりあえず食べようぜ。」

ここにアストかリュディ、もしくはミコトでもいればいやここのだろ、っとズバリ言い当ててくれたのだろうが、あいにくこの場にはいないので結局どこの地域のものなのかは言い当てることが出来なかった。

だが、そのチーズケーキは確かにディアナが言っていたようにおいしくってしょっぱいチーズと甘いスポンジ部分との相性が良かった。

難点を上げるとすれば、出来立てのものを口に入れたおかげで、下手をすると口をやけどしそう、ということくらいだろう。

「あっち、あちち。」

「そんなにあせって食べないでも大丈夫だって~。」

「わ、わかってんだけどさぁ…あちち。」

「でも熱いうちに食べたいよね、わかる。」

そういいながらディアナも目の前に運ばれたタルトに手を伸ばして、おいしそうに頬張る。

アーロンもアーロンでチーズケーキを味わっていると。

「ねぇアーロンこのあともまだ時間ある?」

「ん、大丈夫だと思うけど、何かあるのか?」

「よかったらなんだけど大剣の使い方をちょっと見てほしくってさ。」

「あー、でも師匠がいるんだろ?そっちに確認しないで大丈夫なのか?」

「うん、師匠は大剣についてあんまり詳しくはないし、基本的なことは一応教えてはくれてるけれど……最近はとりあえず扱うために筋力アップだね、くらいしか言ってくれないからさ。」

「まぁ筋力はいるな。」

「言いたいことはわかるけどモチベーションがねぇ……ってことでお願い!」

「んー。」

おやつ時の時刻なため、まだ宿屋に帰るのも早い。

他のメンバーたちと合流するのもいいが、このシペリセラの中であまり遠出はしたくないし、迷子もごめんだ。

なら、もうすこしくらい彼女に付き合っていてもいいのかもしれない。

「いいぜ、まだ時間はあるし。」

「本当?!やったありがとう。」

「場所はどこにするんだ?まさかフィールドに出るわけじゃないだろ?」

「まっさかぁ、何かあった時責任取れないし、入り組んだところにあるけれどギルドの近くに修練場があるからそこにいこうよ。」

「いいな、じゃあ決定だな。」

「うん、よろしくね。」

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