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約束のアポストル  作者: 飯綱 阿紫
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13-17-6-21

「なるほどなぁ、武器を変えるのか。」

手紙で予め言ってはおいておいたが、改めてこのトレヴィオまで戻ってきたかを説明した。

「そ、なんかまぁ、前から違和感、みたいなものはあったんだけど問題なく使えてはいたし…なあなあで今まで使ってきたけれど…とうとう放っておくとまずそうだから…。」

「あぁ、そうしたほうがいいだろうな。」

「叔父さんは…受けて、くれるかな。」

「一応話をそれとなく伝えておいてはあるんだが明日行ってみて、自分で詳しく話をしたほうがいいかもしれないな。」

「ん、わかったありがとう。」

「まぁとにかくゆっくりしていきなさい。」

そのようにしてゆったりとその日の食事をとって、久しぶりの家を満喫した。

長い旅の中で、自分の匂いのしない寝具で眠ることには慣れてきて、自分でも気にならなくなってきた、というのに。

やっぱり家で眠ると独特の家の匂いがあり、それが安心する。

この匂いは何年たっても変わらないんだなぁ、と思わず関心してしまう。

いつもならもっと寝る前にあれやこれやと明日何をしようか、あのことはどうしたらいいのだろうか、とうんうんと考えてしまって、少し寝過ごしてしまったりするのだが。

今日はそういうことがないようで、気が付いたら意識は夢の中へと落ちていた。


寝起きもすっきりと爽快で、気持ちよく起きることができた。

ぐっと伸びをして、カーテンを開ける。

かつて、ここで日常を過ごしていた頃と、なんら変わらない朝だった。

寝間着から着替えて、いつものようにソーヤを起こしに行く。

我ながらもう日課になってるこの朝のルーティーンをどうにかしないといけない、とは思いつつ、どうにもできずに日々を過ごしてしまっている。

たまに起こさなかったらさすがに自然と起きてくるのではないのか?と思って意図的にそのまま起こさないでいることもあるが、ソーヤの場合は全然起きてこないのだ。

昼ごろ過ぎには起きるだろう、と踏んで日課をこなして訓練やら消耗品などの買い出しを済ませて、夕方ごろになってそろそろ夕食の準備やらもしないといけない、と思い出したころに、起きたか確認をしてみると、まだ悠々と寝ていた、なんてこともあった。

流石にその時は叩き起こして、夕飯だけでも食べさせたが、あのまま放っておいたら一日中寝ていただろうし、次の日も起きてこなかったかもしれない。

もしかしたら脱水で起きてくる可能性もあるが、そこまで来る前にやっぱり自力で起きて飲み物を飲むとうをしてもらわないと、それこそ命に関わるようなことにつながる。

…などと言ってはみたところでソーヤの寝起きの悪さ、眠りの深さが変わるということはなかったわけだが。

ともかく、いつもの通り、ソーヤの事を起こすこととなった。


そうやってソーヤの事を起こして、朝早くから起きている父の挨拶をし他の4人も起きてきたことを確認してから朝食を一緒にとる。

そこで改めてソーヤの叔父の居る鍛冶屋の場所を聞いて、向かう準備をする。

距離としてはそこまで離れているわけではないので、そう消耗品を買い足す必要はないが、一度村を出てフィールドに出る必要がある以上、モンスターと対峙することを考えると、やっぱり必要最低限の準備はいるようになる。

武器を持ち、防具を着込み、持ち物を確認する。

いつもよりも身軽な準備になると何か忘れてるんじゃないか、本当に必要なものはすべて持ったか、と色々不安になってしまい、いつもより多く持ち物の確認をしたりするが、結局何度見ても持ち物の量は変わらない。

ごくまれにあとから忘れ物の存在を思い出したりもするのだが、その忘れ物が以外と致命的だったときの衝撃が大きく、この感覚は一生慣れないのかもしれない。

こういうのは心配症な性格なほうが共感を得やすく。

兄であるアストやリュディに言うと割とあー、とか確かに、みたいな反応が返ってくる。

その一方で楽観的なミコトの場合だとその場で何とかするし、知識があれば割と今までもどうにでもなった。という実績を持つ、持論が展開されるし、フィーの場合は兄のアストが面倒を見てるからそれほど思わない、ということもあるが、そのほかにも重要なことは妖精のほうが教えてくれる、もしくは勝手に準備される、ようでそういえば~、と思い出す段階では解決済みだったりもする。

ソーヤはどうなのか、というと多分準備自体は念入りにするタイプではあるし、直前で何か忘れてる気がする、という違和感も感じたことはある、が、そういうのは基本的に町の中で思い出される違和感だからなのか、いつも併発している眠気の前では無力らしく、何か忘れてるかもしれないけれど今はちょっと確認が面倒くさい、という割と最悪なほうこうに向かっていく。

ずっと一緒にいるソーヤがこうだからアーロンがここまで心配症になってしまったのか、はたまたもともとアーロンがこういう性格だったからソーヤがそれに依存する形であぁなってしまったのか。

それは誰にも分らないことだが、ある種これでバランスが取れたいいチーム、ともいえるので、特に気にしたことは無い。

そのようなやや面倒だとも思える荷物の確認、準備を終えて、父の教えてくれた道のりを確認しつつ向かうことになった。

いつもの街の門をくぐって、舗装された道をゆっくりと歩いて行く。

「そういえばそうぞろぞろ行っても全員中に入れるわけじゃないと思うけどどうするんだ?」

依頼人となるアーロン、ついでに親戚の人に顔を出しておかないといけないソーヤ、盾を作るときの参考になる実物を貸してもらうために同行してもらっているリュディ、この3人は最初から鍛冶屋に向かうことは決まっていたが、他のアスト、フィー、ミコトに関しては特に理由なしについてきているようにも思えたので、道中暇だったこともあり、聞くことにした。

「俺とフィーは基本的にいろんなとこを見て回りたいだけだから街に着いたら適当に付近を見て回ったりするつもりだ。」

アストとフィーは何でもない町の様子だったっりしても見て回りたいことが多いようで、冒険の中でもいろいろと見て回ることは多かったのでそこまで違和感はなかった。

「俺はこのへんのモンスターの傾向の変化とか見てるだけだからなぁ、あ、法石のデザインとか見たいな。」

ミコトは目的としてはこの移動の際に見れるモンスターの様子を確認することだけで終了するようだったが、鍛冶屋にもついてくるようだった。

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