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36.クレブスクルム解放戦線その5

1話のキャラメイクに首や心臓などの急所を狙われると即死してしまうという一文を追加しました。


彼、イケメンではないけど見た目は悪くはないんだけどね...........ブフォ!!

 

  二日前は怒涛の展開だった。昼間は情報収集に街を歩き回り、レーナさんのやり方に疑問を呈したら腹に膝蹴りを食らって、夜には姉妹の逃亡奴隷を助けたと思ったらいきなり現れた恐い男性と不穏な空気になるし、そうしてたらなぜか反体制派に協力することになった……しかもワールドクエストって…………ロン老師は『関係各所に連絡するのでしばらく待っておれ』って言ったきり戻ってこないしさ。


「あ、おはようございます……」


「おはよう」


  二日前の出来事を整理しながら廊下を歩いてると、二日前助けた……確か、ニアちゃんが途中の部屋から出てくる。桃色の髪で薄い緑の瞳をした可愛らしい女の子だ。お姉ちゃんのメアちゃんは真っ赤な髪に濃ゆい緑の瞳をしているし、美少女姉妹だよなぁ……ラノベならこの後助けてくれた一人で年齢も近い僕にチョロインするところなんだけど…………。


「……(ぺこり」


  よそよそしくそのまま会話は終わってしまった…………まぁ、現実はそんなもんですよね、知ってますよ、僕は詳しいんです。


「あ! お姉さん! 」


  どうやら僕より少し遅れてログインしてきたレーナさんを見つけたようで、一直線に走っていく。


「昨日はよく眠れましたか? 」


「うん! 」


  …………レーナさんにはよく懐いてるんだよなぁ、この違いはなんなのか? その人ゲーム始めた初日に君くらいの子どもを矢の盾にして投げ飛ばしたんだよ? …………野暮だし言わないけどさ……。


「あのね! 昨日までね! 助けてくれたお礼にお姉ちゃんと故郷の御守り作ってたんだよ?! あげる! 」


「まぁ、それは本当ですか? ありがとう存じます」


  そう言って手作り感溢れる不思議な生き物を象ったペンダントをレーナさんに渡す…………ねぇ、僕のは? 確かに役立たずだったけどね?


「着けてあげるね! ……あっ、」


  ニアちゃんは満面の笑みでレーナさんに着けてあげようとするが、レーナさんの首には既に高そうなロザリオが装備されていて、一目でわかるぐらいに落ち込んでしまった。

  まぁ見るからに自分たちのより高そうで綺麗だもんね……。


「どうかしましたか? ……あぁ、これですか、いいんですよこんな物、前の街の神殿で司教様に貰っただけですから」


  そう言ってレーナさんはロザリオを紐ごと引きちぎる、少し動いたと思うんだけど気のせいかな? ………………って、レーナさん??? 『前の街の司教様に貰った』って違いますよね? 殺して奪ったんですよね? 僕知ってますからね? それを雑に扱うなんて……………。


「し、司教様?! なおさら悪いよ! 」


「いいんですよ、司教様のよりもあなたたちが作ってくれたペンダントの方が好みなんです」


「でも……」


「……着けてくれないんですか? 」


「っ! わかった、着けてあげるね! 」


  ニアちゃんはそれこそさらに恐縮してたけど、レーナさんが泣くふりをすると慌てて笑顔でペンダントを着けてあげる。…………やっぱり根は優しいんだよなぁ…………。


「どうですか? 似合いますか? 」


「うん! お姉さん綺麗だもん! 」


  そう言ってレーナさんとニアちゃんは向き合って微笑み合う…………………………あぁ、仰げば尊死、もう悔いは無い。


「あっ、レーナさんそれ……」


「一緒に作ってくれたんですよね、ありがとう存じます、似合いますか? 」


「えぇ! それはもちろん! 」


  あぁ…………メアちゃんまで来て美少女三人が微笑み合うこの光景……てぇてぇ。


「…………さっきからこちらを見てニヤニヤして、すこし不気味ですよユウさん? 」


「「……」」


  はっ! いけないいけない! 尊さが限界突破してトリップしてた! 見ればレーナさんはこちらを不審な目で見てるし、メアちゃんは汚物を見るようでとても辛い……ニアちゃんは………何もわかってなさそうだね、不可侵聖域だわ。


「な、なんでもないですよ! ただ仲が良いようでなによりです! 」


「そうですか? ならいいですが……」


  危ない危ない……天然疑惑のレーナさんはなんとか誤魔化せた…………メアちゃんは相変わらず警戒してるけど……つらっ。


「おお、お前さんたちこんなところにおったか。準備が整ったでな、会議室に来てくれるか? 」


  そうこうしてるとロン老師がやってきた。やっと関係各所に連絡とやらが終わったらしい。僕はレーナさんと頷きあう。


「では、私たちはもう行ってきますね? 」


「えぇ……」


「ニア」


「はい、お姉さん頑張ってきてね? 」


「えぇ、それは勿論。あなたたちが無事に過ごせるように頑張りますよ」


  そう言ってレーナさんと会議室に移動する……………………ねぇ、だから僕には? 僕には何も言ってくれないの? さすがに傷つくぜ…………現実はいつだって残酷だ、戦わなければ勝てない。


 ▼▼▼▼▼▼▼

ユウさんは美少女がキャッキャッウフフしてたら遠くから見守り、間に入ろうとしない紳士の鑑のような奴ですよ...........ブフォ!!


レーナさんが例外的に優しくする(当社比)…………かも知れない人種、小さい女の子、母性がある子、母親という人種、情けない奴。

しかしながら上記の相手であっても何もなければ普段通りに扱いますし、仲良くなっても必要ならば平気で殺します、優しくすると言っても達磨から利き手は残してあげる程度です。

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― 新着の感想 ―
ユウ君に称号生えそうね 【汚物】 微笑ましい現場でニタニタ笑ってる姿 周りの女性から気持ち悪いと汚物持てるような目見られる 死ねばいいのに なんてのが
[気になる点] ユウ君は助けてない筈なんだよなぁ?
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