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183.第二回公式イベント・collapsing kingdomその20

大丈夫かな?って心配になりながら前話を投稿したんだけど、割と皆さんレーナさんが仕留めきれなかっただけじゃなく、力の差もしっかりとあるような描写しても荒れなかったので一安心でございます。


……ほら、主人公が負けたり苦戦したりすると荒れるじゃない?結構心配だったのよ。


「……さて、ハンネスさん達と合流しますか」


私的にはもう満足ですし、このままイベントが終わっても良いんですけれど……どうせなら一位とは言いませんから、上位くらいは狙ってみましょうかね?


「次は帝国辺りでしょうか? それとも雑多な小国を纏めて併合? ……どちらが良いでしょうかね?」


流石に大国と二連戦するほど『バーレンス王国』に国力はまだ無いですし、残りの小国を併合する途中で時間切れになりそうですね……確か半数以上の国が滅んだらそこでイベント終了だったはずですし。


「さすが大国と言うべきか、今回の襲撃程度では『エルマーニュ王国』は滅びないみたいですし……うーん」


まぁ、それでも結構な国力は削れたとは思いますけどね……やはりここは堅実に確実に取れる(小国)小さなポイント(辺り)を拾いに行くべきですかね。


「……あまり面白味には欠けますが、仕方ありませんね」


ここからはもう消化試合みたいなものでしょう……詰まらないですが、先ほどまで精一杯楽しみましたので良しとしましょう。


「……何か、ハプニングでも起こりませんかね」


▼▼▼▼▼▼▼


「とんだハプニングだぜ畜生ッ!!」


私は今グルグルに簀巻きにされた状態で豪華な台座の上に寝かされ、ヒンヌー教祖と名乗る変態中学生に礼拝をされている……いや何言ってるんだか分からないとは思うけど、私にも分からない。


「ナーイチチ……ナーイチチ……」


「ひぇっ……!」


しかも何か秘境の部族の儀式の時の掛け声みたく失礼な単語を唱えてるし……これをハプニングと言わずとしてなんと言うッ!! お前に私の苦しみが理解できるものかッ!! …………ユウ助けてぇ〜! お願いします〜! 謝るから〜!


「ね、ねぇ? 流石に可哀想になってきたんだけれど、そろそろ捕らえておくにしても普通にしてあげないかしら?」


「ならぬ……まだ祈りは終わっておらぬ」


「……あ、そう」


どうかそこで諦めないで! どうしてそう直ぐに諦めるのよ?! なんでよ?! この場で唯一の常識人たる貴女しか味方は居ないのよ?! 敵だけれど!!


「貴女もその、あまり発育が良くないばかりに災難だったわね──」


「──黙れ小娘! お前に私の不幸が癒せるのか? ブラを新調する同級生が、私に話を振っても胸のせいで顔を見上げられない低身長が私だ! 巨乳にもなれず、人並みにもなりきれぬ、哀れで小さい、慎ましやかな胸だ。お前に私を救えるか!?」


「ご、ごめんなさい……」


安っぽい同情で私の地雷を踏み抜いた女の子にガルルっと吠えてみせる……今の私は巷で有名(※不本意)な『聖母マリアちゃん』ではないッ!! ……『鬼子母神のマリア』であるぞッ!! ガルルッ!!


「……で、でも胸の成長は人それぞれだし」


「……フハハハハ! どうやって大きくすると言うのだ? 私と共に巨乳共と戦うと言うのか?」


「ナーイチチ……ナーイチチ……」


できねぇよなぁ?! お前もそこそこ胸がデケェもんなぁ?! 世にはびこる巨乳共を殲滅し、相対的巨乳になろうとしたら、先ずは貴様から縊り殺してくれようッ!! クケケケケケケッ!!


「いや、ほら……成長期はまだこれからだし……」


「小娘、もうお前にできることは何もない。私は既に十六で成長期は終わった身だ、夜明けと共にここを立ち去れ」


「いや、ここが私達の本拠地……(小声」


えるしってるか、女性の胸の成長期は十五歳を最後に止まるらしいぞ……それ以降はどう頑張っても自分じゃ大きくできないらしい。

思えば数多くの努力をして来た……中二の頃から焦り始め、ユウとの夜更かしゲーム三昧も控え、牛乳とキャベツばかりを摂って、豊胸マッサージだって試した。なのに──


「──何の成果も得られませんでしたぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!!!!!!」


「ナーイチチ……ナーイ──ブフォッ」


「おいコラそこぉ! 他の誰でもない、お前だけは笑ってんじゃねぇぞぉ?!」


「いや失敬」


マリアは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の変態を除かなければならぬと決意した。マリアには異常性癖がわからぬ。マリアは、都内のJKである。薄い本を描き、幼馴染(ユウ)と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。


「貴様を──殺すッ!!」


「ナーイチチ……ナーイチチ……」


仏説(ぶっせつ)摩訶般若(まかはんにゃ)波羅蜜多心経(はらみったしんぎょう)──」


ユウ! ユウはまだか! 早く私を解放し、この変態と……仏教系少女を一緒に葬ろうぞ! なんなのだ『バーレンス王国』は?! 変人ばかりか?!


「ハァ……マリア様、そう怒ってばかり居ては幼子が怯えてしまいますぞ」


「現在進行形で私を怯えさせてるお前が言ってんじゃねぇぇぇえええ!!!!」


観自在(かんじざい)菩薩(ぼさつ) 行深(ぎょうじん)般若波羅(はんにゃはら)蜜多時(みたじ)──」


なにシレッと、さも私が悪いみたいな雰囲気で言葉を発してんのよ?! 貴方の方がよっぽど怖いし、怯えられるからね?! 私なんにも悪くないからね?!


「だいたい怯える幼子なんて何処に居んのよ?!」


「──ここに」


「うるせぇぇぇぇえええ!!!!!」


照見(しょうけん)五蘊皆空(ごうんかいくう) 度一切(どいっさい)苦厄(くやく)──」


なに『決まった……!』みたいにやり切った感を出してるのよ?! 貴方のどこが幼子なのよ、言ってみなさいよ?! 『──ここに』……じゃないわよ?!


「──ママ?」


「私は貴方のママじゃないの?! 分かる?!」


「ふぇ?」


「ええい! 親指をしゃぶるなッ!!」


舍利子(しゃりし) 色不異空(しきふいくう) 空不異色(くうふいしき)──」


何が『ふぇ?』よ! 『ふぇ?』なんて例え親指をしゃぶって見せたところで大男がやっても可愛くともなんともないのよッ!! ただただ気持ち悪いのよッ!!


色即是空(しきそくぜくう) 空即是色(くうそくぜしき) 受想行識(じゅそうぎょうしき)亦復如是(やくぶにょぜ)──」


「貴女もお経に逃げないッ!!」


「……………………ふぇ?」


「……………………赦す」


「ママッ?! なぜ彼女は良いのですッ?!」


「ええい! うるさいうるさい!」


くそう……お願いだからユウ……早く助けに来てください……今ならほっぺにチューしてあげます。……やっぱり嘘です。ほっぺチューは無いけど助けに来てください。切実に。


▼▼▼▼▼▼▼

マリアちゃんもある意味苦戦中でございますね──ブフォッ




そして皆さん『ジェネ』様からファンアートを頂きましたッ!!


挿絵(By みてみん)


めっちゃ嬉しいッ!!本当に皆さんありがとうございますッ!!

そうですよねッ!!『普通』も良いですよねッ!!

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ジェノサイド・オンライン〜極悪令嬢のプレイ日記〜
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ジェノサイド・オンライン〜極悪令嬢の混沌衝突〜
― 新着の感想 ―
[気になる点] お経部分は普通なのね? 般若心経?
[良い点] 黙れ小童ネタまで入れるの...!? 爆笑してます。面白い小説をありがとうございます。
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