ちょっとした話。
朝寝坊して
慌ててタンスに小指をぶつけて
歯磨き粉がきれていて
靴下を履いたら片っぽに穴が開いていて
Tシャツを後ろ前に着てしまって
朝ご飯を食べ損ねて
教科書を忘れてしまって
お弁当も忘れてしまって
掃除の時間ゴミ箱をひっくり返してしまって
午後の授業で居眠りしてしまって
帰り道通り雨に降られてしまって
ちゃんと体を拭いたのに熱を出してしまって
学校を休んでしまって
そんな1日に
がっかりしてしまって
家族に当たってしまって
友達を羨んで
体を丸めて眠って
怖い夢を見て
汗をかいて目を覚まして
あーついてない
ため息をついて
そういえば
夕べもため息をついたなと思って
いや夕べどころじゃないそと思い返して
1日の締めくくりに
ちょっとした失敗を悔やんでため息をついて
目覚めがいいわけないのに
そんなことを思った
夜になると
空が暗くなるのにつられて
虹色みたいなかわるがわるの色を持つ僕の心も
空みたいな濃紺の一色に近づくんだ
深いため息をついて眠る
なんだか納得してしまう
悲しいのも辛いのも
痛いのも苦しいのも
嫌だ
僕自身
満身創痍を装って
これ以上傷つきたくないって
吐き出す息が美しい物と勘違いしていたんだ
こんなに悲しくて辛くて、痛くて苦しい思いをする僕はなんて可哀想なんだって
きっとその不憫な自分が可愛くて仕方なかったんだろう
その日から
吐く息を飲み込む事を知った僕の毎日は、確実に僅かに変化した
鏡に写る自分に笑顔が増えたことと
進む両足が軽くなった気がするんだ
こんな僕は今日から幸せなのかもしれない。
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ありがとうございました。




