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現代寓話集

冷たい心臓

作者: 林行

 押し込む→やわらかい弾性→押し込む→破裂、ゆくりなき浸透、そして声を上げることもなく満たされる声→最初の衝動と鋭角な質感、および白い部屋の孤独な部分→それは壁に凭れかかると布のように流れていくにせよ→やわらかい弾性を押し込むその指のその真皮の先に→破裂の感触、液胞の増殖→そこに埃が入らないように、あるいは頭上からの視線を感じた誰かに贈られる→無感覚の賞賛。


 押し込むやわらかい弾性を押し込む破裂のゆくりなき浸透と→幾何学的なフォルム、手の中には固いプラスチックの宇宙→倒れこむ部屋の、その向こう側に→後ろ向きの→手の中には模型の城→押し込む→受け止められるだけの温かな抱擁を吊るす天井からの視線を見つめながら→声のない落下→片隅に転がっている鋭角な城のフォルムと破裂の時間。


 押し込む指の先にある感触を伝える。次の瞬間に目を開けていられる感覚。包み込む柔らかい菓子箱の中の、打ち明けられた午後、白い部屋のなかで待つ視線と、行き先のない指先。

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