表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

古楽器屋

作者: 尾張夏乃

狭い階段を登るとそこは古楽器屋だった。所狭しとリュート、リコーダー、クルムホルン、チェンバロ、ヴィオラダガンバ…その他名前もわからぬ楽器たちがならんでいる。他の楽器屋にあれば相当珍しいであろう各調のティンホイッスルがむしろ“ポップ”に浮いているようだ。かく言う私はそのポップな笛を探しに来ているのだけど。


目当ての笛と曲集一冊の会計を済ませてから、雑談がてら店員に店内を案内してもらった。いったいどれだけの未知の楽器に出会ったのか、とんと見当がつかぬ。およそ現代の基準に照らせばどれもみな非力で不完全な楽器ばかりだが、静かな環境で繊細な音色や表現を愛でるならば、そのような美的価値観の持ち主ならば、ここにあるどれもがたまらなく“美味しい”ものに思えてくるのだろう。


「どれもナイロン弦なんですね」金属弦ではなくて、の意味で私がそう店員にたずねると「ええ、ガット弦だと少し高価ですし維持が大変なんですよ」との答えが返ってきた。そうだった。そういう場所なのだ、ここは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] こんにちわ^^)ガット弦の維持が大変なのは、購入者視点というより、お店側にとってなのでしょうね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ