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お久しぶりです。ちょっとリアルが忙しかったです。
11/5~11/8に何があったのでしょう……アクセス数がすごかったです。理由がわからなくてびっくりしました。いまだにわかりません。
不定期更新で申し訳ありません……。
食べ終わって、どうしよっかって話した結果、映画館に行こうってなった。ゲーセンはその後で。
妹にねだられて以外で初めて「あーん」とかしたよ。いや、わざわざあーんとかは言ってないけど。っていうか、デザート半分こだから無意識にやったんだけど、涼華がすっごい照れるからこっちも恥ずかしくなったわけですが。女同士なら普通でしょ! って思って乗り切った。
わかってるよ、私と涼華が一般的な女同士の友人とはズレてるってのは。でも、だって、仕方ないじゃん。涼華は私に気を使ってほしいわけではなさそうだし、私も気を使いすぎるのはおかしいと思う。応えらんないのに酷いって、思われるかもしれないけど、だからって距離を取るのは間違ってる気がするし、何よりたぶん涼華はそれを望んでない。望んでたら、涼華の方から私を避けるだろうし。
もやもやとしたものが消化されないまま店を出る。
あー、だめだだめだ。こんな鬱屈としてちゃ涼華に悪い。せっかく遊んでんだから楽しまないと。
ぶんぶんと頭を振ってたら涼華に怪訝そうに見られた。うん、ごめん。奇行じゃないから。大丈夫。
何の映画見る? 私的には夏だし、再来恐怖の館シリーズがオススメ……あ、ホラーだめ? いや、無理しなくていいから。真っ青だから、顔。大丈夫って、大丈夫そうに全く見えないってば。無理に私に合わせなくていいから、涼華も楽しめるモンじゃないと意味ないでしょ。せっかくふたりで一緒に見るんだからさ。
なんで顔覆って俯くのさ。うん……よく聞こえないんだけど。なんでもない? そう。
結局間取ってベストセラーの映画化したやつ見ることになった。
間なのだろうか、これ。まあ、お互い次点で見たかったものだしいいよね。恋愛ものって殆ど見ないから新鮮だわ。
某ショッピングモール11階に到着。結構混んでるなぁ、やっぱ日曜はそうなるか。チケットは、大丈夫そう。まだ空きあるね。あ、涼華、学生証持ってる? よかった。数百円馬鹿にできないからねー。
学生2枚お願いします。真ん中埋まってるけど、この辺りならまだマシかな。ここでいい? おっけ、じゃあココで。
お約束でポップコーン(キャラメル味)と飲み物を買ってシアター3へ。うん、悪くない席。……悪くない席だよ、真ん中じゃないけどスクリーンは全面見れるし。
でも想定外だったなぁ……これは。むしろ想定してろって話かちくしょう。
さすが話題になってる映画だけあって人が多い。シアター内の見やすい位置はほぼほぼ満員だし、私たちの前の方は空いている席の方が少ないくらいだ。後ろの方はまだ空きが結構あるけど。
なんかね、もう街中歩いてる時とか学校行ってるときは気にならないようになってきてたんだけど、こういうとこ来ると覿面にわかるね。
……数字いっぱいで画面見にくいツライ。
めっちゃゼロ浮いてる。他の数字もある気はするけど、ゼロすごい多い。そりゃ他人ばっかだからそうなるわな。
これ絶対映画集中出来ないやつだよ、マジツライ。せっかく慣れてきて無視できるようになってきてたけど、これはさすがに見なかったことに出来ない。スクリーンの下の方にかぶってて、全力で視界の邪魔してくる。
普通さ、こういうわけわかんない能力手に入ったらもうちょっと使い勝手いいもんじゃないの!? せめてオンオフ機能が欲しい。何気に授業中もすげえ邪魔だからね? 慣れてきたし、考えないようにしてきたけど、ほんっと邪魔だからね、これ。
脳内で文句垂れ流しててもなんの解決にもならないことはわかってるけど、本気でこんなの見えるようになったことは誰かに文句言いたい。神様とか信じてないけど、神様の仕業なんだったらとりあえず神様辞めろと言いたい。
そもそもさ! だからなんの数字なのかと!
横にいる涼華は楽しみだねー、と笑いながらパンフレットを広げてる。ある程度のネタバレは平気派らしい。頭の上には407。
……そういや涼華、全国模試50位以内に入ってたよね、確か。私とはきっと頭の作り違うよね。
や、言わないよ。映画すごい楽しみにしてるし、映画館で話し込むとかマナー違反だし。ゲーセンも行くし、ウインドウショッピングもするつもりだし、……よし、夜ごはんに誘おう。
うん、別に私頭の回転そんなにいいわけじゃないんだし、ひとりで考えても無駄だったんだよ。涼華なら馬鹿にしないで聞いてくれると思うし……付け込んでる気は、確かに、ちょっとするけど、さ。
罪悪感に蓋をして、涼華の見てるパンフを横から覗き込む。私もネタバレ平気なので。
涼華、私も見せてー。へえ、こういうストーリーなのな。あ、このキャスト知ってる。美人だよね、デビューんときから知ってるけど結構好き。涼華も? デビュードラマのDVD全巻持ってるとかマジか。え、今度貸して? やった! ありがと!
和気藹々と小声で話してたら、予告が始まり館内が暗くなった。楽しみ。ポップコーンを食べながら鑑賞スタート。あ、これ、美味しいな。
やばい、泣ける話だったわー。泣いてないけど。仕方ないじゃん、そういう性質なんだよ、私。内容はホントめっちゃよかったよ。感動したし、前評判に偽りはなかったかな、と個人的には思う。涼華も横で静かに泣いてたし。泣き顔まで美少女で驚くしかないよね。や、まあ、泣き顔見るのは2回目だけど。可愛いもの可愛いって思うのは仕方ないでしょ。
涼華、大丈夫? ハンカチ使う? ん。はい。擦ると赤くなるから押さえる程度にしときなね。よかったね、映画。あれは話題にもなるの納得だよねー。あ、ハンカチもういいの? 洗って返す? 気にしないでいいよー、そんくらい。ダメなの? あ、はい。じゃあ、お願いします。
そんなに大層なもんじゃないのだが。すごい嬉しそうだから、まあ、いいか。うん。
あ、そうだ、涼華。晩ご飯、一緒に食べて帰らない? いい? よかった。じゃあ、歩きながら一緒にどこ行くか決めよっか。母さんに晩ご飯いらないってLIMEしとこ。
折角ショッピングモールに来てるんだし、お店を冷やかしながら見て歩く。私と涼華だと好みの服のジャンルとかは違うんだけど、お互いに似合いそうな服を見て回ったりして、結構楽しい。こういうのはやっぱ女同士がいいよね。ランジェリーショップも見たかったんだけど、涼華がなんか顔真っ赤にしてたからやめておいた。下着はひとりで見たい派だったのかもしれない。悪いことした。
さて目的のゲーセンなう。プリクラとかホント久々すぎる。え、こんな目でかくなんの? 何この無駄機能笑える。どこ方向に進化してんだろう、プリクラ。美白とか背が伸びるとか詐欺画作るのに必死か! っていうか、この目のでかいのってキャンセル出来ないの? 仕様? マジか。涼華元々目おっきいから大変なことになってんだけど。
ひたすら笑いまくって3枚撮った。笑いすぎてお腹痛いくらい。落書き機能、こんな巧みに使いこなすとか秀逸すぎるよ涼華。ああ、もう、ほんとおっかしい。明日学校でみんなに見せよう、絶対笑える。
プリクラ撮った後は音ゲーとかUFOキャッチャーを再び。ひんやりもちもちぬいぐるみゲット。ふふん。ちょっと調子乗って大きいの取っちゃったからあとで駅のロッカーに一時預けとくけど。食事行くのに邪魔。
ひたすら遊びまわって気が付けば18時になってた。
そろそろご飯にする? どこ行こっか。涼華何食べたい? 行きたいとこあるの? うん、いいよ。じゃあそこ行こ。
まさかのホテル。え、ちょっと、ホテルのディナーとか高いんじゃ……株主優待券をお母さんがくれた? 今月使わないと期限きれちゃうから大丈夫? ディナーでも1,300円? ……マジか。すごいな優待券って。
ありがたく使わせてもらうことにした。元々私が誘わなくても誘ってくれる予定だったらしい。
ドレスコードとかは別にないらしくて高校生二人でも普通に案内された。ちょっと安心。
何やら涼華がコースを注文してくれたので、二人で一緒のコース。デザートとドリンクだけ別で。コース料理とか親戚の兄ちゃんの結婚式以来だわ。
談笑しながら食べるのは楽しい。
楽しいんだけど、……やっぱこれもう黙っとく方がいいかなぁなんて気持ちがすごくしてきた。わざわざ楽しい雰囲気壊すことなくない? っていう。
でも、今も視界には色んな人の頭にゼロが浮かんでるのが見えるし、たまに数字刻んでる人もいるし、涼華は相変わらず407だし。
……冗談っぽく言ってみよう。笑い飛ばされたらそこでストップすりゃいいわ。考えるの疲れた!
「ねえ、涼華。変なこと言うんだけどさ、聞いてくれる?」
「勿論、奏ちゃんの言うことなら何でも聞くよ! どうかしたの?」
「いや、なんていえばいいかな。えっとさ、前に私、涼華に数字がどうとか言ったことあったじゃん? 覚えてる?」
「え、あ……う、うん。もちろん覚えてるよ……?」
あれ、なんで顔赤くなってるの。なんかそんな要素…………あったわ。おもいっきりあったわ。告られたときの話題じゃんこれ。阿呆か私、阿呆なのか。
ああああああ……ごめん涼華、無神経でホントごめん。悪気はなかったんだけども、って言い訳でしかないけど……大丈夫。続けて? あ、はい。ありがとうございます。
「あの、あんとき誤魔化したけどさ、あー……ほんと頭おかしいって思わないでもらえると嬉しいんだけど」
「思うわけないよ。どうしたの?」
「……うん。ぶっちゃけていうとさ、ある時から急に人の頭の上に数字が浮かんで見えるようになったんだよね」
うん、きょとんとしてるね。そりゃそうだわ。あ、その小首かしげてるスタイルあざと可愛いね。自然にしてるんだろうからあざといってのはなんか違うだろうけど。っつか、私、人にこんなこと言われたら病院GOっていうわ。それ言わないだけ優しいよね、やっぱ……うん。聞いていい? って、勿論。何?
「どんな感じで見えてるの? あたしにも浮いてるの?」
「どんなっていうと、こう、頭の5センチ上くらいにふわふわと? 涼華は407って見える。因みに一番最初に見えた時はもうちょっと少なかった。380ちょいくらい…………あの、信じてくれんの?」
「え、だって見えるんでしょ?」
「うん。見えるんだけど……」
「じゃあ、信じるよ。奏ちゃんが嘘つく理由ないし、本当に困ってるように見えるんだもん。好きな人が信じて頼ってくれたんだよ? そんなの、信じないわけないじゃない」
なんだろう、ちょっと泣きそうになったかも。
すごい笑顔で肯定してくれて、馬鹿にするわけでもなくなんの数字だろうねって考えてくれてる。
天使なのかな。天使なんじゃないかな。っていうか女誑しは涼華の方じゃないかと思うんだけど、これ。
…………メールトってこういうときに使うのかなー……。
主人公もチョロイン。
今更登場人物紹介。
響奏。主人公。美少女1。フェミニスト。
東雲涼華。美少女2。ヒロイン。暴走癖。
間中尚喜。幼馴染。フツメン。良くも悪くも普通。
その他は雰囲気です。