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大阪までドラクエ見に行ってました。
ドラクエ3が無性にやりたくなりますアレ。
あと自分はビアンカ派です。
更衣室なう。
凉華が全然こっち見ない。っていうか未だに顔赤い。優子が心配そうに声かけてる。私も声かけた方がいいかな、原因私だしな。……ん? 凉華の頭の上の401がなんかチカチカ点滅してる? 点滅もするの? この数字。
ますます謎。
結局、着替えてる間ずっと点滅してた。でも最初は早かった点滅が着替え終わって更衣室から出る頃にはゆっくりした点滅に切り替わった。もしかして増えるのかな? と思ったけど、増えることなく教室に戻ると点滅は停止した。なんで点滅してたんだろう。
教室に着いた。弁当取りに席へつく。
やっほー、間中、ずぶ濡れだね。田代と近藤と中垣内も。へー、汗かいたから水かぶったんだ。サッカーだもんなー、汗だくにもなるよね。お疲れ。ところで聞いてよ。さっき私らプールだったじゃん? 誰か覗きに来てたらしくてさー、橘ちゃんにお湯ぶっかけられてたよ、笑える。ん? どうしたの? 引きつった笑い浮かべて。間中たちは水道の水かぶったんだろ? 覗きなんて馬鹿な真似しないもんな? 凉華も覗きとか最低って言ってたし(嘘だけど)。だよねー、覗きは良くないよねー。あれ? 汗酷いけど大丈夫か? ん? トイレ? はいはい、いってらっしゃーい。
阿呆どもめ。
あと何人か髪の毛ずぶ濡れのヤツらいるけど、ちらっと見て笑いかけたら全員そそくさと教室から出て行った。いたたまれなかった様子。若いねぇ。同い年だけど。ってか、3人ほど点滅してたな、数字。涼華が例外ってわけでもない、と。法則性とかほんとわかんないな。
弁当を手に茜のところへ。間中たち? まあ、戻ってこないでしょ。ミックスサンドは2時間目の終わりに査収したから無問題。
優子と夏実と朋子と当然凉華も一緒に購買へ。上手く席が取れたのでみんなでいただきます。運動後のご飯は美味しいね。涼華はそろそろ私を見て赤くなるの落ち着こう? 頑張る? うん、頑張って……?
女三人寄れば姦しい。六人だと倍。話題は尽きない。
あっという間に昼休みが終わる。次は化学か。満腹、程よい疲労感、そして眠気を誘う授業内容。……人間諦めも大事だと思う。
先生が一枚上手でした。
実験は寝れないわー……。頭の上に5を乗せた田中がドヤ顔してる。うわぁ、腹立つー。だからその数字なんなんだよ、もう。
眠気と相まってイラッとした。女子生徒にだけやたらとコミュニケーション取りにくるエロ教師め。
茜とか露骨に避けてるしね。涼華は優等生だなぁ。顔ひきつってるけど。嫌なら嫌だって言っていいと思うぞ……。とりあえず間に入ってそれとなく涼華から離しとく。ほら、間中が呼んでるよ、田中センセイ。なんか変なもん混ぜようとしてるから止めたほうがいいんじゃないッスかね。こっちは大丈夫ですから。
さっさと行け。
さて、実験続きやろっか。え? お礼とかいいって。茜は落ち着け。中指立てんな、見える見える。何? 視線が胸に来てウザい? ああ、まあ気持ちはわかる。バレてないつもりだろうけど、胸ばっか見られりゃ気づくよなぁ。ん? 涼華、なんでいきなり後ろ振り返ったんのさ。見てないから? いや、そんな主張せんでも……うん。
6時間目は爆睡でした。ごめん、林先生。
そんなわけで放課後。今日は金曜だし連休だ。ふふん。日曜は涼華と遊びに行くし、明日は宿題と掃除かな。あ、DVDも消化しないと。
部活勢を見送って帰宅準備。
ん? 何人か数字点滅してるな。さっきまで点滅してなかったのに。点滅してんのは……中垣内と三谷と他数名か。これ点滅も理由がわかんないよな。凉華も点滅してたけどちょっとしたら消えたし。
気になりだすと一気に興味が増す。放置してたけど相変わらず私だけ見えてるっぽいし、いい加減なんの数字なのかも知りたい。問題はどうやって調べるかだけど……うーん。
なんか頭の上に数字が見えるんだけど、なんの数字がわかる? とか本人に聞いてもどう考えてもこっちの頭心配されるだけだろうし、常識的に考えて。……凉華なら馬鹿にしないで聞いてくれるかもだけど。なんかつけ込むみたいで、ちょっと、申し訳ない気がするのは、気にしすぎなのかなぁ……。
でも一番変動激しいのは涼華だし、涼華見てるともしかするとわかるかもしれない。
そう思って涼華を見る。ばちっと目が合った。嬉しそうに笑ってる。なんだろう、犬耳とか尻尾とか幻視した。ぶんぶん振られてそう。
ひらっと手をふって涼華に近づく。涼華、部活? 夏もやるんだね、茶道。夏は夏でいいもの? ああ、抹茶美味しいよね。アイスとかじゃなくて、ちゃんとしたお茶の方だよ。私抹茶の甘いお菓子あんま得意じゃないもん。ん? あ、練りきりは好き。あれはなんか美味しいよね。え? 茶道部来るって? 部外者行っていいの?
茶道部に行くことになった。
体育祭終わったら文化祭もあるし、今のうちに外の意見も聞きたいとかなんとか。世間話しながら茶道部へ向かう。文化祭は野点をするらしい。うん、行く行く。着物着てやんの? へー! 涼華似合いそう。髪結い上げたりするの? 簪刺したらこのさらさら髪が結い上げれるんだ。すごいな。美人だしスタイルいいし姿勢ピシッとしてるから綺麗だろうな。涼華の着物姿見れるってだけでも楽しみだね。……涼華? なんで俯いて……あ、ごめん、勝手に髪触って。…………え、気障? 女誑し? ちょ、酷くない!?
不名誉な称号を頂いた。
ちょっと落ち込んだけど、よく考えればちょっと私の行動あんまよくなかったかもしれないので反省。素直に涼華に謝る。告られて断っちゃって、それだけでもナニサマ案件なのに不用意に触ったりとかよくないだろそりゃ。髪は女の命って聞くし。一応女だけど私は別にそこまで髪に命かけてないけども。
「ごめん、涼華。もう触ったりとかしないから、安心し」
「え!? 待って、触られるのが嫌なんじゃないの! 奏ちゃんが女誑しなのはわかってたしむしろ格好いいから悔しいっていうかそもそも触ってほしいしあわよくば撫でたりしてほしいとか思ってたしあたしも奏ちゃん触っていいかなとか考えてただけで!」
「あ、はい。いや、待って、女誑しがわかってたって何!?」
食い気味に捲し立てられた。っていうか、その女誑し認識なんなの!? え? みんな思ってる。結構共通認識?
…………なんでさ!?
理由は胸に聞けってさ。わからないから聞いたんですよ、涼華さん。だから誑しなんだよって、理不尽。
茶道部に着いた。
見学者のこと部長に伝えてくるらしい。ドア前で一旦待機。あ、ログボ貰っとこ。朝バスで見んの忘れてた。19時からガチャ内容変更だったな、確か。この日のためにため込んだ石を解放するときは近い。
ドアが開いた。涼華? 見学許可出た……あ、すみません。涼華と間違えて……。はい、お茶飲みに。え、はい、確かに響ですけどなんで知って…………中に向かってなんで叫んだの!? 私が来たってそんな大々的に叫ぶことじゃないよね!?
なぜか大歓迎された。
部長さんが厳かに頷いてるけど、目が怖い。入部希望者逃がさんっていう目をしてる気がする。入部する気は残念ながらないんだけど、大丈夫かな。涼華がうまく取り繕ってくれることを祈る。
初心者に優しく、正座も免除で、先生が点ててくれた。涼華が必死に自分が淹れるってアピールしてたけど、作法を教えてあげてね、の一言で足早に私の隣に陣取ってた。や、ありがたいけどなんか距離近いような……普通? そう? まあいっか。
抹茶も練り切りも美味しかった。
楽しい時間はあっという間です。
やたらと騒いでたような気もするけど、よかったんだろうか。茶道って静かに厳かにするってイメージなんだけど。部活だし、今日は私もいたし、楽しくやろうって方針だったから大丈夫? ならいいけど。あ、部長さんお邪魔しました。文化祭楽しみにしてますね。え、あー、入部はまあ、保留で。着物似合いそう? またまた。部長さんや涼華みたいな美人ならともかく。
ばしばし背中叩かれた。大阪のおばちゃんみたいな反応する部長さんだね。豪快。いい人だよって? うん、それはなんかわかる。
みんなで帰宅。茶道部は全員仲いいらしい。先生まで一緒だし。3年の受け持ちだからあんま知らない先生だったんだけどフレンドリーでいい感じの先生だった。因みに先生も頭の上の数字はゼロ。部長さんもゼロだ。ってか、基本的にゼロが多いんだよね、この数字。涼華みたいに三桁の数字浮かべてる人って見たことない。……中垣内が三桁になってたっけ? まあ、でも涼華と合わせて2人だけだ。これマジどうやって考察するべきかな。
細かいことを考えるのが苦手ですぐそれていく主人公。